注文住宅を建てようとする際に、どこのハウスメーカーの全館空調システムが良いのだろうか…とても悩みますね。
多くの方が一生住むであろう注文住宅。快適な住まいを手に入れるためには、全館空調システム選びはとても重要。より良いものを導入するためには、各ホームメーカーから展開されている製品の特徴を知ることが大切です。
今回は、全館空調システム選びを失敗しないために、大手ハウスメーカー12社が導入している空調機器のメリットや導入コスト、機能などを分かりやすく解説していきます。
目次
全館空調システムとは?
家全体の空調や換気ができ、部屋間の温度のバリアフリーを実現するシステムのことです。
ヒートショックの予防はもちろんのこと、脱臭や除湿機能、花粉、ホコリ、カビなどアレルギーの原因を除去してくれる機能がついているものなどがあります。
全館空調は、高気密、高断熱などの住宅性能でもかなりランニグコストや冷暖房効果も変わってきてしまいます。空調システムの特徴だけで選ぶのではなく、住宅性能も考慮することが大切です。
全館空調システムに力を入れているおすすめメーカー一覧
全館空調をウリにしているハウスメーカー(商品)をまとめてみました。ハウスメーカー(商品)12社分を徹底比較しています!
アキュラホーム【全館空調(匠空調)】
(参照元:アキュラホームHP)
全館空調(匠空調)のメリット
■アキュラホームの全館空調(匠空調)は暖気が床付近から吹き出します。
このためはリビングはもちろんのこと、足元が寒くなりがちなキッチンも快適な環境に
■家の中も外も見映えスッキリ
全館空調(匠空調)の本体は屋根裏スペースに設置のため1階・2階のスペースを最大限に広々活用できます。
■省エネのためのおすすめタイマー設定
空調をあまり必要としない時間帯の温度設定を、暖房なら低め、冷房なら高めにキープ運転の設定が御座います。このキープ設定に切り替える時刻をあらかじめタイマー設定しておけば自動的にキープ運転となり、省エネ効果が発揮されます。
■1階、2階、床下とそれぞれフロワーごとの温度調整が可能です。
■不快なじめじめから解放してさらっと快適にします。室内干しの時には強い味方になります。
■長期保証
最長10年間の長期保証が可能です。
■IOTとの連携により、外部から全館空調(匠空調)の操作可能
■参考価格:220万円(2階建て 延べ床40坪の建物搭載)
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【最新版】アキュラホームの坪単価の相場は?実際の費用感や商品特徴を解説
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三菱地所ホーム【エアロテック】
(参照元:三菱地所ホームHP)
エアロテックのメリット
■2014年度グッドデザイン賞受賞
見た目が良いデザインではなく、人に不快感を与えることのないように、吹き出し口の位置、また、効率的に空気が循環するように、ダクトの直径などがしっかりと考えられていることへの評価です。
■各部屋ごとの温度調整ができる
各部屋ごとの温度調整が自動でも手動でもできるので使いやすい。「VAV」(可変風量制御システム)と「ABC」(温度制御システム)のダブル制御により、部屋ごとの温度調整を可能にしています。
つまり、吹き出し口の中にある羽の動きで風量を調整したり、部屋の人数や使い方が変化した場合にセンサーが察知し、自動で調整してくれるということ。
■除湿機能付き
除湿機能は、いや~なじめじめから解放してさらっと快適にします。室内干しにも一役かってくれます。もちろんアレルギーや喘息など、家族の健康をおびやかすダニやカビの繁殖を防ぐ効果にも期待できそうですね。
空気清浄フィルターがオプションでつけれる
脱臭・高性能除塵など他4種類の空気清浄フィルターがオプションでつけれます。ペットがいる、PM2.5が心配………ライフスタイルによって「あったらいいな」と思うフィルターを選ぶといいですね。
■太陽光システム(2.0kw)標準で搭載
■HEMSが標準で搭載
専用アプリ、HEMSと連携させれば、外出先からでもスマホ経由で空調のON・OFFができます。自分や子どもの帰る時間に合わせてONしたり、急に冷え込んできたときにONするなど、外出先から操作ができるので、子どもやペットがいる家庭はとても便利で安心です。また、電気代の節約もできるのでうれしい機能ですね。
■長期保証付き
10年間の長期保証と10年間の無料点検が付いています。11年目~は有償で定期点検も受けることができます。また、専用の24時間体制のコールセンターがあるので、万が一の「困った」にもすぐに対応してくれます。
導入コストの目安
約300万
40坪(吹抜け・ロフト含む)

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パナソニックホームズ【エアロハス】
(参照元:パナソニックホームズHP)
エアロハスのメリット
■2019年省エネ大賞受賞
住宅用全館空調システムでは、パナソニックホームズが初の受賞。
■部屋毎で温度調整ができる
±2℃の範囲内で部屋ごとに温度調節が可能。これは、とても大きなメリットなのではないでしょうか。全館空調は、部屋ごとに温度調節できないのが大きなデメリット。このパナソニックホームズ【エアロハス】なら、そのデメリットを見事解消し、暑がりや冷え性の方でも、家族みんなが我慢することなく快適に過ごせますね。
■24時間以上必要ない場合に空調OFFが可能
24時間以上家を空ける場合に帰宅する日時を設定しておけば、その時間に自動運転をスタートしてくれます。長い時間誰もいない家に全館空調をつけっぱなし…の無駄を省きます。
■除湿機能
カビ、ダニの発生を抑え、家族の健康を守ります。室内干しにも便利ですね。また、冷房がOFFでも除湿すると十分涼しく感じられます。
■電気代が従来の全館空調の半分以下
メーカーホームページでは
ここがおすすめ
- 地熱利用
- 高効率専用のエアコン
- 個別制御
- セーブ運転
などを組み合わせていることにより、電気代が一般的な全館空調に比べて半分以下とのことです。
導入コストの目安
約200万(税抜)
40坪(吹抜け・ロフト含む)

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トヨタホーム【スマートエアーズ】
(参照元:トヨタホームHP)
トヨタホームオリジナルの全館空調システムです。
スマートエアーズのメリット
■1階と2階が独立したシステム(2㏌1システム)
ヒノキヤグループの「Z空調」と同様、1階と2階で別々の温度調整が可能
■外出先から操作できる
専用のアプリ、HEMSと連携させれば、外出先からでもスマホ経由で空調のON・OFFができます。自分や子どもの帰る時間に合わせてONしたり、急に冷え込んできたときにONするなど、外出先から操作ができるので、子どもやペットがいる家庭はとても便利で安心です。
また、電気代の節約もできるのでうれしい機能ですね。
※HEMS(へムズ)『ホーム エネルギー マネジメント システム』とは?
家庭で使うエネルギーを節約するための管理システム。モニター画面で使用量の確認や自動制御などができます。
■スケジュール運転ができる
平日・休日・起床・外出など、ライフスタイルによって冷暖房温度を設定できるので快適に過ごせます。
■床下や小屋裏の設置ができる
空調機器がコンパクトなので、床下や小屋裏の空間に設置が可能。お部屋のインテリアデザインを崩しません。
■2015年グッドデザイン賞受賞
導入コストの目安
約140万~160万(税抜)
40坪(吹抜け・ロフト含む)
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ヒノキヤグループ (桧家住宅・パパまるハウス・レスコハウス)Z 空調
(参照元:ヒノキヤグループHP)
1階と2階の天井にそれぞれに市販エアコンを設置して全館を空調します。
Z空調のメリット
■1階と2階で違った冷暖房の設定が可能。
■独立した系統のため、もしどちらかが壊れてももう一方で冷暖房ができる
■各フロア別々に風量設定ができる
特に子どもがいる家庭では、2階が子供部屋にしている方も多いと思います。暑がりの子どもがいる2階と普段主婦がいる1階を別の温度設定にできます。また、暑くなりがちな2階を低めに設定することも可能。これは、全館空調にとっては大きなメリットといえます。
■嬉しい長期保証
10年間の保証付き。注意書きにある正常な使用しにもかかわらず、故障してしまった場合は修理回数が無制限です。
導入コストの目安
111万円(税抜)~
一般的な4LDKの場合

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三井ホーム【スマートブリーズ】
(参照元:三井ホームHP)
三井ホームは、3種類の製品から選べます。
- スマートブリーズエース
- スマートブリーズプラス
- スマートブリーズ・ワン
1台で7役タイプ(冷房・暖房・加湿・除湿・換気・空気清浄・脱臭)
①【スマートブリーズエース】
②【スマートブリーズプラス】
40坪以下の住宅で採用できるタイプで2019年より新発売
③【スマートブリーズ・ワン】
それぞれのメリットを見ていきましょう。
①スマートブリーズエースのメリット
■加湿機能が標準装備
■オプションでプラズマクラスターイオンの脱臭機能を付けることができる
全館空調で脱臭機能が付けられるのは珍しいです。全館空調だと、なかなか窓を開けれないのが現実。ですから、とくにペットがいるご家庭は、脱臭機能の有無を見当するといいですね。
②スマートブリーズプラスメリット
■加湿機能は上記と同じ
■脱臭機能は「光再生脱臭フィルター」となる
③スマートブリーズ・ワンメリット
■加湿機能・脱臭機能なしのため大幅コストダウン
■メンテナスが楽
月に1回のフィルター清掃と2年に1回のフィルター交換のみ
※吹抜けやロフトを含む40坪以下の住宅で採用できるタイプなので注意してください。
導入コストの目安
【スマートブリーズエース】【スマートブリーズプラス】ともに、
約230万~250万(税抜)
40坪(吹抜け・ロフト含む)
【スマートブリーズ・ワン】
132万円(税抜)
三井ホームで40坪以下の住宅を建てるなら、このタイプを選ぶと圧倒的に安いですね。
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セキスイハイム【快適エアリー】
(参照元:セキスイハイムHP)
快適エアリーのメリット
■床下に設置
基礎から床全体を暖めてくれるので、冷え性にはとてもうれしいですね。逆にデメリットにもなります。しっかりと設置場所を考えておかないと、家具で吹き出し口を塞いでしまうなんてことにならないように注意しましょう。
■除湿機能付き
なんと1日に40リットルもの大容量を除湿。梅雨時期や夏のジメジメした時期にカビの発生をしっかりと防いでくれることでしょう。
■オプションで加湿・脱臭機能付けることができる
■外出先から簡単操作ができる
パソコン・タブレット・スマホから、全館空調の操作ができます。
■長期保証
10年間の長期保証がついています。
導入コストの目安
1階のみなら約80万~100万
40坪(吹抜け・ロフト含む)
2階も導入する場合は、+約40万~60万
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住友林業【エアドリームハイブリッド】
(参照元:住友林業HP)
エアドリームハイブリッドのメリット
■三相電源(単価の安い電源)を使用するので電気代がお得
■外気を利用して空調するので省エネ
1年中電気の力で全館空調をするのではなく、外気が心地良い時には、外気を利用して空調します。外の爽やかさを取り入れながら、エネルギー消費を減らし地球にも、お財布にも優しいですね。
■保証
住宅引き渡し日より2年間の保証。7万円で10年に延長可能。
導入コストの目安
195万円(税抜)
35坪2階建て・床置きの場合
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積水ハウス【エアシーズン】
(参照元:積水ハイムHP)
エアシーズンのメリット
■自動給水の加湿機能付き
加湿器をお使いの方も多いと思いますが、いちいち給水するのは本当に面倒ですね。【エアシーズン】は、水を入れなくても自動給水してくれるのでとても楽なんです。
全館空調していると、特に冬場の乾燥が気になるという声も聞かれるのですが、加湿機能が付いていると、お肌や喉を乾燥から守ってくれます。
■除湿機能付き
湿気が多い時期は湿度を調節して、いや~なじめじめから解放してくれます。もちろんアレルギーや喘息など、家族の健康をおびやかすダニやカビの繁殖を防ぐ効果にも期待できそうですね。
導入コストの目安
約200万~300万(税抜)
40坪(吹抜け・ロフト含む)

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ミサワホーム【エアテリア】
(参照元:ミサワホームHP)
エアテリアのメリット
■天井植え込み型のプラズマクラスターイオン発生機が付けられている
ダニのフン・ダニの死骸・浮遊カビ菌など、家じゅうお掃除をしていても浮遊しているアレルギーの原因を除菌してくれる機能があり、小さなお子様がいる家庭でも安心です。
■脱臭機能付き
除菌だけではなく、たばこ・ペット・生活臭などの臭いも脱臭してくれる優れもの。
エアテリアのデメリット
■お風呂やトイレには吹き出し口は付けられない
お風呂やトイレの温度差をなくすことは、ヒートショック予防にも重要ですので、(可能ならドアを開けておく、他の暖房を取り入れるなどの)対策を考える必要がありそうです。
導入コストの目安
約250万(税抜)
40坪(吹抜け・ロフト含む)
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ヤマト住建【YUCACO(ユカコ)システム】
(参照元:ヤマト住建HP)
空調室に設置して、ルームエアコン1台で家じゅうの温度管理をします。空調室で冷暖房をし、その空気をダクトやエアチャンバーで各部屋へ運ぶというカラクリ。
YUCACO(ユカコ)システムのメリット
■電気代が安い
冷暖房と換気のランニングコストは、年間7万円とのことです。
■ダクトレス
基本的に給気側はダクトレスなので、ダクト内が汚れて「知らず知らずのうちに汚れた空気が家じゅうにばら撒かれている」なんてことにならず安心ですね。
導入コストの目安
約100万
40坪(延べ床に算入されない吹抜け・ロフト含む)
ルームエアコン1台で済むので、導入コスト・ランニングコストともに安いですね。ヤマト住建は、高断熱・高気密住宅だからこそ、この金額が実現するのでしょう。

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住友不動産 【J・AIR】商品名:パラディア
(参照元:デンソーHP)
J・AIRのメリット
■一般的機能の冷暖房・24時間換気・空気清浄
■加湿・除湿機能付き
■設置場所を選べる
小屋裏にするか、床置きにするかをハウスメーカーとよく相談して決めるといいでしょう。
■法律で義務付けられれいる24時間換気のタイプを選べる
全熱交換型か顕熱交換型かを選べます。
もっと詳しく
※全熱交換型とは?
熱交換の際、湿気も同時に交換します。顕熱交換型に比べ室内の湿度が安定します。
顕熱交換型とは?
熱交換の際、湿気の交換をしません。家全体の換気を1台でまかなえます。
導入コストの目安
約250万(税抜)
40坪(吹抜け・ロフト含む)

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アイフルホーム【全館空調システム】
(参照元:アイフルホームHP)
全館空調システムのメリット
■小屋裏に設置して、エアコン1台で家じゅうの冷暖房が可能
■長期保証付き
エアコン本体と送風機に10年間の保証が付いています。
導入コストの目安
約240万(税抜)
内訳:空調設備に約140万と屋根裏断熱に約100万
40坪(吹抜け・ロフト含む)
ココに注意
ここで記載した価格は、あくまでも目安です。地域、家の性能、機器の機種などでも変わりますので、導入検討の際はしっかりと各ハウスメーカーにご確認ください。
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注文住宅の全館空調システムまとめ
注文住宅を建てる際に、重要な空調選び。部屋ごとの冷暖房にするのか、全館空調を取り入れるのか。また、ハウスメーカーの全館空調システムの特徴をしっかりと把握して、どの製品を導入するのかを決めましょう。
より良い全館空調システムを選ぶためには、
- 導入コスト
- ランニングコスト
- 近年騒がれているヒートショック問題
- アレルギーや喘息を引き起こし、私達の健康を脅かす原因となるPM2.5や花粉、ダニ、カビの抑制
- 脱臭機能・除湿機能の有無
- 外出先からの遠隔操作などの利便性
全てを考えるのが望ましいです。今回は、それらをまるっと分かりやすく解説しました。快適な住まい作りのお手伝いができれば幸いです。