家族の理想を反映できる注文住宅。夢も大きく膨らみますね。ただ、ついたくさんの理想を詰め込んでしまい、予算オーバーになったというケースは非常に多いです。新築の注文住宅を購入した場合、建築費用の平均金額は約3,459万円といわれています。そして予算オーバー額の平均は250万円~650万円程度とのアンケート結果があり、高額なので多くの方は見直しが必要になるでしょう。
そこでこのブログでは、注文住宅で予算オーバーしてしまった場合の対策や予算オーバー平均金額についてご紹介します。
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注文住宅の予算オーバー平均金額
注文住宅で家を建てる際、9割近くの人が予算オーバーをすると言われています。口コミやいろいろなサイトを見ると予算オーバーの平均金額は250万円~650万円程度です。ずいぶん金額差があるように見えますが、何千万円という買い物なので仕方ありません。
予算オーバーの平均金額だけを見ても情報としては薄いです。そこで、注文住宅で家を建てる際の平均金額も確認しておきましょう。令和4年3月に国土交通省が公開した令和3年度住宅市場動向調査報告書では、次の平均金額を紹介しています。
ココがポイント
「住宅建築資金」
・全国平均金額:3,459 万円
・三大都市圏平均金額:3,843 万円。
「新築・建て替え別の住宅建築資金」
・新築平均金額:3,489万円
・建て替え平均金額:3,299万円
「土地購入資金」
・全国平均金額:1,769万円
・三大都市圏平均金額:2,541万
建築資金の平均金額を下回ると、予算オーバーする可能性が高まります。ただ、予算オーバーをするかしないかは、個人の考え方も重要です。予算オーバーをする可能性が高まるだけで、必ずしもするわけではありません。予算オーバーが嫌な人は、オーバーする原因の確認が必要です。
注文住宅で予算オーバーする原因
注文住宅は高額の買い物です。予算オーバーがあまりにひどいと「白紙に戻した方が早い」といった事態に陥ることもあります。スムーズに進めるためにも、注文住宅で予算オーバーする原因を確認しておきましょう。
元々そういう性格
元もこうもない原因ですが「元々そういう性格」な人は、予算オーバーを起こします。「結婚式」「新車の購入」など、注文住宅の購入以外にも高い買い物をする機会はあったはずです。そのたびに予算オーバーを起こしている人は、元々そういう性格かもしれません。
ココに注意
- 明日人生が終了したらお金をためても意味がない
- どうせ高いお金を払うならとことんこだわりたい
- ほしいものは我慢せず購入する
上記は一例です。普段は隠していますが、深層心理に予算オーバーありきの考え方を持つ人もいます。「結婚式も新車購入も予算をオーバーしたことはない」と言い切れる人は大丈夫かもしれません。ただし、「予算を決めてなかったからするわけがない」と続ける人は要注意です。
理想が高くなる
一生に一度になる人がほとんどのマイホーム購入です。理想が高くなるのは当然ですが、追い求めれば費用も高額になります。理想が高すぎる人は、先ほど紹介した平均金額よりも高くなることでしょう。あれもこれもと追加をしていけば、予算オーバーするのは当然です。
ココに注意
- 魅力的なオプションを見ると追加せずにはいられない
- 「人気」や「他の人はみんな採用しています」などの言葉に弱い
- 最近注文住宅を建てた友人や兄弟よりも良いものを建てたい
上記のような考えを自覚せずに抱く人は要注意です。ひとつでも当てはまる人は、高い確率で予算オーバーを起こします。何千万円もする高額な買い物なだけに、理想と現実のギャップに悩むかもしれません。
予算設定が曖昧
予算設定が曖昧な人も予算をオーバーする可能性が高いです。注文住宅を建てる際に必要なのは本体価格だけではありません。必要な費用を見落とすと予算オーバーを引き起こします。注文住宅を建てる際に必要となる主な経費は次のとおりです。
主な経費
- 本体工事費用
- その他の付帯工事費用(外構工事や水道管などの引き込み工事)
- 諸経費費用
「地鎮祭費用」など、細かい費用が含まれた金額を提示するハウスメーカーもあります。大切なのは、注文住宅を建てる際にどのような費用が必要なのかを事前に知っておくことです。後から「こんな費用も必要なの?」となれば予算オーバーを起こします。
注文住宅に必要な費用を確認したら、自分が用意できる予算を考えましょう。
自分が用意できる予算
- 蓄え
- 住宅ローン
- 親からの援助
注文住宅資金を確認する場合は、一般的に上記の項目別に算出し合計します。このとき、希望的観測を含めてはいけません。「親から500万円ぐらいもらえるだろう」といった考え方は危険です。予算設定を曖昧にせず、確かな金額を算出してください。
注文住宅の購入で重要になる予算の決め方
注文住宅を購入する際は、予算がとても重要になります。これから何年も返済することになる住宅ローンの借入金額も、この予算がもとになるからです。では、どのようにして予算を決めるとよいのでしょうか。
ポイント
注文住宅の購入予算は「年収×年収倍率+自己資金−諸費用」が基準になります。
年収倍率とは買った住宅が年収の何倍かを表す数値で、約6.1倍が全国平均です(「2015年度フラット35利用者調査」)。また諸費用とは住宅購入にかかる経費のことで、仲介料や登記費用などにおよそ200万円かかるといわれています。これらの数字を当てはめて計算すると、おおよその予算金額が算出できます。
ただしこの金額はあくまで目安です。家族構成などにより月々に返済可能な金額は変わりますので、算出した金額を参考に、ご自身にとって無理のない借入金額を考えましょう。
注文住宅で予算オーバーしないために注意すること
注文住宅で予算オーバーしないためにも、注意点を確認しておきましょう。
金銭感覚のマヒに注意
金銭感覚がマヒをすると、とんでもない予算オーバーを起こします。先ほど、予算オーバーの平均金額は250万円~650万円程度と説明しました。金銭感覚マヒがひどいと、高額平均金額の650万円すらオーバーするかもしれません。
ココに注意
- 高額過ぎてわけがわからなくなる
- 項目が多すぎて見失う
- 気が大きくなる
注文住宅は何千万円もするので、説明を聞いているうちにだんだん金銭感覚がなくなります。いろいろなオプションを追加していくうちに、「20万円」が安く見えてくるのです。項目が多いので適当になり、20万円のオプションを5つ追加したら100万円もアップします。細かい項目をすべてOKしていたら、予算オーバーの道まっしぐらです。
中には気が大きくなる人もいるので注意をしましょう。調子が良すぎる人は、「もう何でも来い」と、すぐに大きくでます。最終的な金額を見て後悔することがほとんどです。金額のキャパオーバーに注意をしましょう。
営業マンに乗せられない
営業マンに乗せられて予算がオーバーする人もいます。営業マンがする提案にすべて乗っていては、いくら予算があっても足りません。営業マンが「おすすめです」と言っても本当に自分に必要なのかをよく考えましょう。家に帰って落ち着いてから答えを出すべきです。
営業マンには、あらかじめ予算を伝えておきます。ただ予算をあらかじめ伝えていても予算以上の提案をする営業マンがほとんどです。営業マンは、お客様の限界を確認しようと考えています。予算を低く提示するお客様がほとんどだからです。
「予算オーバーしないためにも低めの予算を伝えよう」と説明するサイトを見たことはありませんか?ひとつの手段として良い方法ですが、営業マンは見抜いています。だからこそ、少し高めの提案をし、お客様の本音を引き出そうとするのです。予算を低く伝えるのが悪いわけではありません。ただその結果、営業マンに乗せられると予算オーバーを起こします。乗せられないように注意をすることが大切です。
予算に見合うハウスメーカー以外に相談しない
予算オーバーを絶対に起こしたくない人は、予算が見合うハウスメーカーと相談をしましょう。「試しに聞いてみよう」といった考え方も危険です。高性能の住まいを見ると欲がでます。オプション追加が止まらなくなるかもしれません。
先ほど紹介した平均金額を参考にしましょう。平均金額よりも低いと思う人は、ローコストをウリにするハウスメーカーのみで相談してください。最近はローコスト住宅の需要が高まっているので、満足できる注文住宅が手に入ります。
まずはお手軽に資料請求から始めたい人
絶対に予算オーバーさせない強い意志を持つ
「絶対に予算オーバーをさせない!」という強い意志を、最後まで貫き通しましょう。「この程度なら仕方ないか」といった気持ちを一度でも持つと、歯止めが利かなくなります。どこまでも予算オーバーする危険が伴うのです。
注文住宅の費用を把握し、的確に予算を算出した人に必要なのは「絶対に予算オーバーをさせない!」という意思だけです。
もし注文住宅が予算オーバーしてしまった場合の対処方法とは
では実際に予算オーバーしてしまった場合、どうしたらよいのでしょうか。まず項目ごとに、削減できるものをピックアップします。見直す主な対象は、大きく分けて以下の4点があります。
- 建物本体
- 設備機器
- 仕上げ材
- 外構
それぞれについて、ご説明しましょう。
建物本体を見直す
大きな効果があるのは、坪数を減らすことです。仮にハウスメーカーの坪単価が50万円だとすると、2坪減らせば100万円のコストカットができます。間取り全体を見直して、広い玄関や大きな子供部屋など坪数減少につながるところはないか考えてみましょう。
また和室は洋室に比べてコストがかかります。ですからご自分で畳スペースを作ることにするなど、別の方法で代用するのもひとつの手段です。
設備機器を見直す
太陽光発電システムや床暖房など高額な設備に関しては、本当に必要なのかもう一度考えてみましょう。
また設備機器の大きさや機能が、生活スタイルに適しているかを考えながら見直すことも有効です。大は小を兼ねると思って食器洗い乾燥機を大きいタイプにしたけれど、スペースがあまるともったいなくて結局使いづらかったという声もあります。お風呂のテレビも憧れますが、家族が多い場合は長風呂しにくいのであまり見る機会がないとも考えられます。
ですから設備を見直す際は、家族にとってちょうどよいものを選ぶようにすると、コストダウンにも使いやすさにもつながるでしょう。
仕上げ材を見直す
壁は面積が大きいので、漆喰より安いクロスにするとコストカットできます。一部だけ変更すると人件費がかかって費用が増える可能性もあるので、全体を変更するほうがおすすめです。
また床材も種類が豊富で、お値段高めの無垢材からクッションフロアまで幅広くあります。金額を抑えたいときは、似たようなイメージでより安いものを探してみましょう。
外構を見直す
ウッドデッキや屋根付きカーポートなど、外から見える部分なのでこだわりたくなるのが外構です。けれども工事費用が数十万円ほどかかるものも多いので、必要度が低いものをひとつ削るだけでも大幅なコストダウンができます。
庭の整備など自分でできそうな部分を削る、フェンスを少し安い種類に変更するなど、調整がしやすい部分ともいえるでしょう。
9割以上の人が予算オーバーを起こす事実を考えると、いかに注意をしても予算内に収めるのは難しいです。
「上記を見直したぐらいでは難しい」と思える人は、ハウスメーカーの見直しも視野に入れておきましょう。予算オーバーという経験を一度得ました。次のハウスメーカーで、同じような失敗を繰り返さなければいいのです。
「予算を上げる」と考えるのはおすすめできません。「ムリすれば出せる」といった考えを持つと、住み始めてから後悔する可能性が高いです。お金で夫婦関係が悪化するケースもあります。親が援助してくれるなど、よほどのことがない限り最初にたてた予算を変更するのは避けるべきです。
まとめ
注文住宅を購入することになると、すてきなマイホームにしたい思いが強くなり、設備の充実や資材のグレードアップをしたくなります。けれども今後の返済を無理してまで予算オーバーの家を建てるのは、あまりおすすめではありません。
もし予算オーバーしてしまったら、予算内で希望通りの家が建てられるように見直しを考えましょう。このブログを参考にしていただき、金額面でも設備面でも納得できる家づくりができるといいですね。