「三世帯住宅を建てたいけど費用って高いのかな?」と悩んでいる人はいませんか?三世帯住宅の費用は建て方やタイプによって異なります。「予算」「プライバシーの確保度合い」「ライフスタイル」「三世帯の関係性」などで決めなければいけません。
費用を気にするあまり、プライバシーを度外視すれば後悔をします。間取りや建て方について詳しく知り、話し合いを十分に重ねることが大切です。
そこで今回は三世帯住宅の費用について解説をします。タイプや間取り、対応可能のハウスメーカーについても解説するので参考にしてください。
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三世帯住宅の費用は?
三世帯住宅の坪単価は「60万~140万円程度」です。費用は一概にいくらとは言えません。建て方によって異なります。
- 3階建てをフロア別の世帯で活用
- 2階建ての2階ワンフロアを二世帯が利用、1階を残りの世帯が利用
- 2階建ての戸建てを3棟連ねて建てる
上記はほんの一例です。一般的に注文住宅は38坪程度で建てられます。1か2で建てる場合は、38坪~40坪程度でも建てられますが、3は別格です。注文住宅を3棟建てると考えれば費用はだいぶかかります。
三世帯住宅の3つのタイプと費用
三世帯住宅に限らず多世代住宅は主に次の3つのタイプに分かれます。
- 完全同居型:費用が安い
- 一部共有型:費用は中間
- 完全分離型:費用が高い
「とにかく費用を抑えたい」と考えるのならば完全同居型がおすすめです。「多少費用が上がっても、ある程度のプライベートは守られるべき」と考える人は、一部共有型を選びましょう。「費用は度外視、プライベート重視の三世帯住宅を建てたい」と考える人は、完全分離型がおすすめです。
三世代の距離感や用意できる予算で建て方を決めます。タイプ別の費用や間取りを確認していきましょう。
三世帯住宅①完全同居型の費用と間取り
完全同居型の坪単価は60万~100万円程度です。完全同居型は、3世帯が近しい状況の場合のみ検討しましょう。理想は「自分」「親世帯」「子ども世帯」です。「自分」と「お互いの親世帯」のケースは、慎重に検討されることをおすすめします。
費用や特徴、間取りについて解説をします。
完全同居型の特徴
完全同居型は、寝室以外の部屋を共同で利用するタイプです。リビングやお風呂といった水回りも共同で利用します。主なプライベート空間は寝室だけなので、立場によっては息苦しくなる人がいるかもしれません。
完全同居型のメリット
- 建築費用が抑えられる
- 土地が有効活用できる
- 光熱費が抑えられる
完全同居型は建築費用が抑えられます。住まいを横に広げるのではなく階数を高くすれば、土地改良や基礎、屋根などにかかる費用は一般的な住まいと大差が出ません。玄関数や水回り設備にかかる費用も抑えられます。
家をそれぞれに建てるわけではありません。土地を最大限に利用できるので、広いフロアが確保しやすいです。三世代がそろってゆったりと暮らせるスペースを確保することで、つながりが深まります。水回りやリビングを共有するので、電気代や水道代も抑えられるタイプです。
完全同居型のデメリット
- プライバシーの確保が難しい
- 生活リズムの違いから生じるストレス
- 水回りの順番待ち
一番のデメリットはプライバシーの確保です。義父母との同居に慣れるまで、お互いが気を使います。「家で一人になれる空間がない」とぼやく人がでるかもしれません。仕事の都合上、夜中に帰宅する人がいれば浴室を使用する音でストレスがたまる可能性もあります。
また、洗面台やお風呂が混み合うと面倒です。朝は洗面所が混み合います。年頃の子どもが長時間利用することで、朝から怒鳴るといった光景が目に浮かぶ人は、簡易的な洗面台を増やすなどの工夫が必要です。
完全同居型の間取りと建て方
完全同居型は玄関がひとつです。距離感によっても異なりますが、次のような建て方が採用できます。
ココがポイント
- 平屋:広い土地のワンフロアを三世帯で利用する
- 2階建て:ご自身と親世代が1階ワンロア、子供世帯は2階
- 3階建て:各フロアをそれぞれの世帯で利用
土地が広く、世帯の距離感が近ければ平屋の間取りがおすすめです。中央に大きなリビングとキッチンを設置します。世帯数が多いので、人数によっては平屋であってもトイレを2カ所設置しましょう。洗面所も2カ所あると便利です。
2階建てや3階建ての間取りは、どのフロアに共有スペースを確保するかが課題です。とくに2階建ての場合、ワンフロアに2世帯が集まります。必然的に残りの世帯が使うフロアに水回りが集まりそうですが、安易に決めることができません。年配者が居れば、階段の負担が問題になります。組み合わせを十分に検討しましょう。
完全同居型は共有スペースの設置場所と、お互いの距離感を考えた間取りが必要です。すべての世帯が集まり十分に検討を重ねることで、ストレスを抱えない間取りを完成させましょう。
完全同居型の費用
完全同居型は土地の広さが費用に関わってきます。
ココがポイント
- 平屋:費用が高い
- 2階建て:費用は中間
- 3階建て:費用が安い
設備や部屋数など同じ条件で建てる場合は、平屋の費用が高額になりやすいです。予算が厳しく、最低限のプライバシーを確保したいのならば3階建てを検討しましょう。
三世帯住宅②一部共有型の費用と間取り
一部共有型の坪単価は75万~130万円程度です。一部共有型は、ある程度の設備だけを共有することで、プライベート空間を確保しながら世帯のつながりを保ちます。検討する際に必要なのは、何をどこまで共有するかです。暮らしを想像して慎重に決めましょう。
費用や特徴、間取りについて解説します。
一部共有型の特徴
一部共有型は、完全同居型と完全分離型の中間です。共有する空間は、世帯同士の関係性により選べます。共有する設備が増えるほど建築費用は安くなり、逆に共有する設備を減らせば費用が上がるので注意をしましょう。三世帯そろっての話し合いが一番必要になるタイプです。
一部共有型のメリット
- 完全分離型よりも費用が抑えられる
- 完全同居型よりもプライベートが保てる
- 共有する間取りや設備を自由に選べる
人によって価値観が違います。三世帯ともなれば大人数です。何をどのように共有するかは、価値観やライフスタイルを踏まえ、予算が許す範囲で変更できます。「玄関」「洗面」「浴室」など、どこまでを共有するかしっかりと話し合いましょう。
一部共有型のデメリット
- 完全同居型よりも費用が高い
- 完全分離型よりもプライベートが保てない
- 役割分担のルールなどが必要
一部共有型の費用は、3タイプの中で中間の建て方なので、費用とプライベートも中間です。話し合いの中で、「もう完全同居型でも大丈夫じゃない」や「ここまで別にするなら完全分離型にすれば」といった意見もでることでしょう。柔軟な間取り対応ができる分、住み始めてから後悔することもあります。それが共有設備の清掃や使い方などです。
費用が安くなる完全同居型を選ばなかった理由は、建てる人ごとに違います。間取りを決めるときは、共有スペースの使い方や清掃のルールをあらかじめ決めておきましょう。「私はぜんぜん利用しないのに清掃だけをしている」といった世帯ごとの不満が発生しないよう注意が必要です。近しい三世帯ならば不安はないですが、ある程度のルールは明確にしておくことをおすすめします。
一部共有型の間取りと建て方
何をどこまで共有するかで間取りや建て方が変わってきます。
- 2階建てと平屋
- 2階建てを2棟建てる
- 3階建て
一部共有型は完全同居型と違い、2棟建てるのも検討しましょう。壁や玄関で行き来できるドアを設置します。いずれは二世帯住宅にして、別の1棟を賃貸にするといった工夫も可能です。間取りはあらかじめ賃貸に変更できるよう、設備を充実させておきます。
3階建ては、ワンフロアを共有スペースにし、1階に2世帯、3階に1世帯といった間取りが可能です。人数が少なく「共有スペース+1世帯」が可能ならば、各フロアを他の2世帯が使います。
一部共有型の建て方や間取りは、将来を見据えて検討しましょう。また、共有スペース以外に世帯だけの小さいダイニングキッチンを設置するなど、プライベート空間を保つことも大切です。ただ意見を言い過ぎたことで、他の世帯に「ほんとは同居が嫌なの?」と思われないよう注意をしてください。
一部共有型の費用
共有する設備や間取りの数と、建て方によって費用は異なります。3階建てよりも2棟建てる方が費用は高額になりがちです。賃貸を意識すると、設備数も増えます。玄関の数を増やすなど、間取りにも工夫が必要なので建築費用に注意をしましょう。
三世帯住宅③完全分離型の費用と間取り
完全分離型の坪単価80万~140万円程度です。完全分離型はすべての間取りや設備がそれぞれに備わっています。お隣さんのイメージに近いです。世帯ごとのプライバシーが守られるので、ライフスタイルの違いなどの影響を受けません。
費用や特徴、間取りについて解説します。
完全分離型の特徴
完全分離型は、プライバシーを守りながら必要な時に助け合えるタイプです。毎日の生活は、戸建てやマンションのお隣さんぐらいの距離感を持たせることもできます。必要とあらば声を掛けられる距離感です。
完全分離型のメリット
- 住まいに対する各世帯の自由度が上昇
- プライベート空間の確保がしやすい
- 干渉される可能性が最も低い
各世帯の自由度が高いです。普通の戸建てとして相談ができます。お互いに干渉せず、頼りたいときにお互いが助け合えるのがメリットです。
完全分離型のデメリット
- 費用が一番高い
- 広い土地がないと難しい
- コミュニケーションがとりづらい
費用は当然高くなります。光熱費が抑えられるといったメリットもありません。完全な独立採算制で暮らします。「本当に三世帯住宅なの?」と思えるぐらいコミュニケーションが取れないかもしれません。
しかし、いざというときは助け合える距離です。「子どもの発熱」「親の介護」など、近いからこそ頼れる場面があります。程よい距離感が絶妙なので人気が高いタイプです。
完全分離型の間取りと建て方
完全分離型は広い土地が必要です。
ココがポイント
- 広い敷地内に3棟の戸建てを建てる
- 完全分離型の2世帯住宅の隣に戸建てを建てる
- それぞれの玄関からしか行き来できない3階建てを建てる
賃貸で需要の高いテラスハウス型も三世帯住宅におすすめです。隣の家どうしが壁を共有することで費用を抑えられます。広い土地があるのならば、中庭を中心に3棟の戸建てを建てるのもおすすめです。
完全分離型は一部共有型よりも賃貸に活用しやすいので、建てる位置などに注意をしましょう。テラスハウスの真ん中を賃貸にするのは微妙です。将来性も考えて間取りや建て方を考えましょう。
完全分離型の費用
費用は一番高額です。高額な中でも費用を抑えたいのならば、3階建てを検討しましょう。次にテラスハウスです。広い土地が必要になる3棟の戸建ては、普通に注文住宅を3棟建てるのと大差がありません。
三世帯住宅のメリットは?
三世帯住宅のメリットは以下の通りです。
- 建築費用や生活費など金銭的な負担を分担できる
- 育児や家事について家族の協力を得やすい
- 高齢になった親の介護や生活のサポートがしやすい
これは、二世帯住宅にも言えることですが、念のために細かく解説をしていきますね。
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金銭的なメリット
金銭的なメリットとしては、三世帯がそれぞれ分かれている場合であれば、それぞれの家庭で土地代や建設費用、各種税金等の支払いが必要となりますが、三世帯住宅にすることによって各種費用の分担をすることが可能となり、金銭的な負担を減らすことができます。
また、生活費の折半や帰省に費用が掛からなくなるという点も大きなメリットとなるでしょう。
家事や育児の分担ができるメリット
育児や家事について家族の協力が得やすい環境となりますので、子育てが初めての場合でも人生の先輩である親や祖父母世代からの協力を得ながら、一人で抱え込むことなく行うことができるといった点も、メリットとして挙げることができると思います。
また、三世帯住宅であれば家に誰かがいることが多く、両親が共働きをしていたとしても子供を家に一人で残さなくてすむようになり、両親は安心して働くことができ、収入の安定に繋がるでしょう。
子供の成長過程においても小さな頃から日常的に各世代の人と触れ合うことができ、様々な角度から色んな話を聞くことができるため、子供にとっても大変恵まれた環境となるでしょう。
親の介護や生活のサポート
三世帯住宅でのメリットとして、高齢になった親の介護や生活のサポートがしやすいという点も挙げることができます。
同じ住宅で生活しているので、その都度通う必要もなく、下に記していますが完全分離や一部共有の三世帯住宅の場合であれば訪問介護を利用したとしてもサポートする家族がヘルパーの方に気を遣うこともなく、生活のペースを乱さずに利用できます。
三世帯住宅に対応可能なハウスメーカーを紹介
実を言うと、三世帯住宅に対応可能なハウスメーカーは、ほぼすべてです。規格住宅やセミオーダーしか扱っていないハウスメーカーは確認が必要ですが、自由設計を掲げるハウスメーカーのほとんどが対応できます。
多世帯住宅は同じ屋根の下が基本でしたが、完全分離型の発想からイメージがだいぶ変わってきました。完全分離型で3棟建てるのならば規格住宅でも対応可能です。もっと言えば、お隣同士の建売分譲住宅も検討できます。
また、二世帯住宅を商品化するハウスメーカーが増えていますが、三世帯住宅をホームページで提案するハウスメーカーも増えてきました。
ハウスメーカー
とくにセキスイハイムは、三世帯住宅商品として「デシオ」を紹介しています。鉄骨造の多世帯住宅が気になる人はセキスイハイムに相談をしてみましょう。
セキスイハイムのデシオ
参照元:https://www.sekisuiheim.com/index.html
まずはセキスイハイムのデシオという注文住宅です。このデシオは3階建住宅の商品となっており、注文住宅なので細かな要望を取り入れて新築することができる商品です。基本的には2世帯住宅向けのプランが充実していますが、3階建と2階建住宅を組み合わせた三世帯住宅の建築実績があるように、柔軟な対応が可能な商品となっているようです。
三世帯全員を合わせると大人数になる場合にはこのような融通の利く商品はありがたいですね。
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セキスイハイムの評判は?実際に家を建てた人の口コミと感想
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リンクハウスのグラディーレ
参照元:http://www.interstation.co.jp/
次にリンクハウスのグラディーレという商品ですが、こちらは三世帯、四世帯等の多世帯住宅に特化した商品となっております。また、上記セキスイハイムのデシオとは異なり敷地を塀で囲み、その中で各世帯の一戸建て住宅を配置するという形が特徴となります。
各世帯の人数に応じて敷地の形や大きさを自由に設計できるため、こちらはより柔軟な対応が期待できます。さらに、敷地内の共有スペースに菜園や公園、露天風呂等を設置するといったことも可能になっており、同じ建物内での三世帯住宅では実現できないような家族の憩いの場を設けることも可能となっています。
三世帯住宅の費用まとめ
三世帯住宅の費用や、間取りについて解説をしました。最後にまとめます。
ココがポイント
- 三世帯住宅の坪単価は60万~140万円程度
- 三世帯住宅の費用はタイプなど、共有数に影響を受ける
- 三世帯住宅はほぼすべてのハウスメーカーで対応が可能
多世帯住宅が建てられるのは幸せです。家族のつながりは、求めても得られない現実を抱える人がいます。検討できるだけでも幸せです。
だからこそ三世帯住宅で家を建てるのならば、後悔をしてはいけません。タイプや建て方を知り相談を何度も重ねることで、自分たちにあった三世帯住宅を実現させましょう。