ホームエレベーターの価格で悩まれている人はいませんか?最近はホームエレベーターを設置する人が増えてきました。メーカーも新製品を開発するなど、対応が活発です。コロナの影響で抗菌仕様のホームエレベーターも販売が開始されました。利用者が増えていることの証明です。
ただし、やはり安い価格ではありません。設置には数百万円の費用が必要です。設置をする場合は価格差を比較しながら検討しましょう。ホームエレベーターは、生活の質を上げてくれる助かる設備ですが、やはり高額です。
そこで今回は「ホームエレベーターの価格を徹底比較」します。ホームエレベーターの維持費や、設置の際の注意点と合わせて参考にしてください。
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ホームエレベーター価格の相場
注文住宅にホームエレベーターを設置する費用は、おおよそ200万円~700万円前後です。価格差が大きいように見えますが、設置にはいろいろな要素が関係してきます。エレベーターの規模、設置する場所などです。
設置するタイミングや、購入するメーカーなどでも変わってきます。
ホームエレベーターの設置タイミングにおける価格を比較
ホームエレベーターの設置タイミングは主に2通りです。
- 注文住宅を建てるタイミング
- ホームエレベーターが必要となりリフォームをする
上記2つのタイミングで設置したときの価格を比較すると、リフォーム時の方が高くなります。価格が上がる理由は次のとおりです。
価格が上がる理由
- 補強工事
- 設置場所から出た不要物の撤去
- 建築士との相談
補強工事や、設置場所の空間をつくるために出た不要物の廃棄処分に費用がかかります。注文住宅を建てるタイミングならば、依頼する業者の建築士に相談をするので負担は小さいです。しかしリフォームで設置をする場合は、新たに相談をしなければいけません。
住んでいる家の構造が木造か鉄骨造かでも変わります。耐震性などの強度に、影響がでる場所へ設置をするわけにはいきません。リビングや廊下など、希望の場所に設置できない場合もあります。それでも希望の場所となれば大がかりなリフォーム工事となり、価格はさらに上がることでしょう。
口コミでは、ホームエレベーターを設置するリフォームで1,500万円かかった人もいるようです。注文住宅の場合は高額でも700万円前後、価格を比較すると倍以上の費用が必要となるケースもあります。
ホームエレベーターを製造する人気メーカーの価格相場を比較
ホームエレベーターを製造する主な人気メーカーは次の4社です。
人気メーカー
- パナソニックエレベーター株式会社:200万円~600万円程度
- 三菱日立ホームエレベーター:200万円~600万円程度
- SDエレメイク株式会社:見積もり提示
- 株式会社アイワ:見積もり提示
知名度の高いメーカーから初めて聞く名のメーカーまで、いろいろとあります。アイワは、ホームエレベーターの元祖と呼ばれているメーカーです。どこよりも早くマイホームエレベーターを発売しました。
見積もり提示は、実際に相談をしないと設置費用や輸送費が算出できないからです。依頼主の希望によっては、他社メーカーの設置も行っています。
ホームエレベーターの価格を比較するために必要な項目
ホームエレベーターの価格に関する主な項目は次の3つです。
- 本体価格(オプション含む)
- 設置工事費用
- 申請費用
本体価格は、オプションを追加すると上がっていきます。注文住宅の建て方と同じです。オプションではなく、必要な性能は標準仕様で備わっているものを選ぶ方がお得かもしれません。
それぞれの価格における比較を詳しく解説します。
ホームエレベーターの本体価格を比較
ホームエレベーターの本体価格は150万円~600万円前後です。規模が小さくなるほど価格は安くなります。本体価格に影響を与える項目は次のとおりです。
影響を与える項目
- サイズ
- 駆動方式
- 設置する家の構造
- 家の階層
- オプション追加
比較的安い価格のホームエレベーターを希望しても、家の構造によっては選べません。また、車いすで利用をする場合は広さが必要です。価格は上がってしまいます。それぞれを詳しく比較していきましょう。
ホームエレベーターのサイズで価格を比較
ホームエレベーターはサイズによって価格が異なります。パナソニックエレベーター株式会社が販売しているホームエレベーターの価格で比較をしてみましょう。
次の価格は、2階建て2カ所停止エレベーターにおける価格です。
- 3名(200㎏):343万円~481万円
- 2名(150㎏):335万円~391万円
- 2名(130㎏):319万円~323万円
「3名(200㎏)乗りホームエレベーターの価格をサイズ別で比較(2階建て、2カ所停止、木造住宅、ロープ式)」
- 920mm×1,500mm:481万円
- 850mm×1,390mm:451万円
- 1,000mm×1,200mm:406万円
- 950mm×1,150mm:391万円~408万円
「2名(150㎏)乗りホームエレベーターの価格をサイズ別で比較(2階建て、2カ所停止、木造住宅、ロープ式)」
- 730mm×1,150mm:391万円
- 730mm×950mm:375万円
- 1,200mm×615mm:375万円
「2名(130㎏)乗りホームエレベーターの価格をサイズ別で比較(2階建て、2カ所停止、木造住宅、油圧式)」
- 770mm×570mm:323万円
- 650mm×650mm:323万円
サイズで比較をすると大きい方がより高いことがわかります。3名200㎏は、少々大きめの車いすと介護者の同乗が可能です。2名150㎏の場合は、小さめの車いすならば同乗ができます。2名130㎏の場合だと、車いすは難しいかもしれません。
ホームエレベーターの駆動方式で価格を比較
ホームエレベーターに採用されている駆動方式は次の2種類です。
- ロープ式:トラクション式、巻胴式
- 油圧式:直接式、間接式
乗り心地などに大差はありませんが、維持費に違いが生じます。油圧式を選んだ場合は、オイル交換費用が5年ごとに必要です。5年ごとに5万円程度の維持費がかかります。そのせいか、どちらかというと現在の主流はロープ式です。ただし価格を比較すると、油圧式の方が安く購入できます。
価格を比較
- 油圧式(木造):365万円~398万円
- ロープ式(木造):391万円~481万円
上記は2階建て2カ所停止、3名定員のホームエレベーターで比較をした価格です。主流になっていることから、商品はロープ式の方が多く用意されています。そのため大きな価格差が生じていますが、全体的に見ると油圧式の方が安いです。
しかし、オイル交換の手間なども含め検討しなければいけません。
ホームエレベーターを設置する家の構造で価格を比較
木造と鉄骨造でも価格に違いが生じます。パナソニックエレベーターが2018年に発売を開始した「1418フォレストUi」の2階建て2カ所停止タイプで比較をしてみましょう。
価格を比較
- 鉄骨/RC:470万円
- 木造:481万円
注文住宅の構造で比較をすると、どの商品でも10万円~20万円程度の価格差が生じています。ただホームエレベーターに合わせて構造を変更するのは間違いです。木造を選んでいる人は、価格差は仕方ないと思い受け入れるしかありません。
ホームエレベーターを設置する家の階層で価格を比較
注文住宅の階層や停止カ所でも価格は変わります。高くなればなるほど価格には注意をしましょう。先ほどと同様に「1418フォレストUi(木造)」で比較をします。
ココに注意
- 2階建て(昇降工程7m以下):481万円
- 3階建て(昇降工程7m以下):524万円
- 3階建て(昇降工程7m以上):541万円
- 4階建て(昇降工程7m以上):584万円
- 5階建て(昇降工程7m以上):650万円
上記はすべての階で停止するホームエレベーターの場合です。3階建てであっても、1階と2階にしか停止をしない場合の価格は安くなります。ドアの設置数などの関係です。比較をするとだいぶ違うことがわかります。
ホームエレベーターをオプション追加価格で比較
本体価格はオプションの追加で大きく変わります。人気のオプションは次のとおりです。
人気のオプション
- 車いすガード:5.5万円前後
- 二方向出入口:45万円前後
- 換気扇:3.5万円前後
- 地震管制運転装置:17万円前後
- 火災管制運転装置:11万円前後
メーカーや商品によってオプション価格は異なります。上記が標準仕様の商品があるかもしれません。詳細を確認しながら、できるだけオプションを少なくすることが大切です。
ホームエレベーターの設置費用を比較
ホームエレベーターの設置費用は、注文住宅を建てるメーカーによって異なります。交渉をすれば安くなるかもしれませんが利益率があるので注意をしましょう。
ココに注意
- ハウスメーカー:基本的に高額
- 工務店:基本的に低額
大手のハウスメーカーの利益率は、高額です。逆に柔軟な対応ができる工務店の方が安い傾向があります。ただ「ホームエレベーターの設置を考えているから工務店に依頼をしよう」とはなかなかなりません。ホームエレベーターの設置を検討している場合は、同条件でハウスメーカーと工務店に相談することが大切です。
ホームエレベーターの申請費用
ホームエレベーターを設置する場合は、建築基準法にのっとった建物・設備であるかの確認をするため申請が必要です。おおよそ数万円~10万円程度の費用がかかります。申請する都道府県によって費用は異なるので、行政への確認が必要です。
ホームエレベーターの維持費
ホームエレベーター設置して終わりではありません。維持費がかかります。ホームエレベーターを設置する場合は、維持費も詳しく確認をしておきましょう。ホームエレベーターに必要な主な維持費は次の通りです。
維持費
- 電気代:1カ月で500円~1,000円前後
- オイル交換(油圧式):5年ごとに5万円前後
- メンテナンス及び法定点検費用:1年間で50,000円~90,000円前後
- 故障時の部品交換など
- 固定資産税:2万円前後
電気代は年に1万円前後必要です。使う頻度や製品によって異なります。また、ホームエレベーターを設置するにあたってアンペアを高くする場合は、電気基本料も上がるので注意をしましょう。
メンテナンス及び法定点検は、メーカーと契約するのが一般的です。契約内容にどこまでの作業が含まれるかを事前に確認しておきましょう。急な故障による部品の交換費用や作業料、消耗品の交換費用などが含まれているかを確認しておくべきです。エレベーターの所有者は建築基準法で定期点検の義務が生じます。必ず必要となる費用です。
またエレベーターは固定資産税に該当します。本体価格の50%~60%が目安です。2万円程度ですが、設置価格によって大きく異なるので注意してください。
ホームエレベーターを設置するときの注意点
最後にホームエレベーターを設置するときの注意点を紹介します。検討材料に活用してください。
本当に今必要かを検討する
ホームエレベーターが本当に今必要なのかを検討しましょう。生活するにあたってホームエレベーターを必要とする人もいます。しかし必要としない人が念のため設置する場合は、贅沢品にとられかねません。
例えば、老後を見越して設置を検討している場合で考えてみましょう。ホームエレベーターの耐用年数は25年~30年です。40代前半で注文住宅を建てた人の場合、ホームエレベーターが日頃の生活で絶対必要になるのは随分と先になります。必要となったころに耐用年数が経過するのは無駄です。
もし、先を見越して設置を考えているのならば設置するスペースを確保しておき、必要に応じてリフォームを検討しましょう。リフォームだと高くなると説明をしましたが、事前に準備をしておけば価格は比較的抑えられます。
ココがポイント
- ホームエレベーター設置場所の確保
- エレベーターユニット設置スペースを床下に確保
注文住宅の間取りを検討するとき、「いずれホームエレベーターの設置を考えている」と建築士に伝えておきます。必要になったとき設置する方法は、スペースや耐用年数の無駄が省けるのがポイントです。
機能を省いて本体価格を抑えようとするのは危険
価格を安く済ませようと考え安全な装置を省くのは危険です。万が一に備えた機能は価格と相談をしながら検討をしましょう。自然災害や停電時の対策に必要な機能は備えておくべきです。
必要な機能
- 停電時バッテリー運転
- はさまれ防止センサー
- 遠隔監視システム
最新のホームエレベーターは停電時に停電灯が作動したり、自動で近くの階に到着しドアを開けてくれるシステムが搭載されています。しかし古い型だとオプション仕様のものが多いので注意が必要です。
自然災害でホームエレベーターに閉じ込められると救助が来るまでに時間がかかります。価格ばかりに気が取られないよう注意しましょう。
騒音対策をしておく
ホームエレベーターの後悔でよく見かけるのが騒音問題です。稼働音が気になるといった声が多く見られます。ホームエレベーターを設置するときは、周囲の間取りに注意をしましょう。ホームエレベーターを利用しない人の寝室の近くにホームエレベーターを設置するのはトラブルの原因です。離すといった措置を、事前に検討しましょう。
ホームエレベーターの価格を徹底比較のまとめ
ホームエレベーターの価格を徹底比較しました。ホームエレベーターは生活の質を向上させます。しかし質が向上する分、費用は高額です。設置の検討時は、次の点について考えましょう。
ココがポイント
- ホームエレベーターを必要としているのか
- ホームエレベーターの設置が間取りを圧迫しないか
- すぐに必要ないのならば設置しやすい間取りを検討
上記を踏まえながら価格を項目ごとに比較しましょう。使わないホームエレベーターの設置は無駄です。老後を考えての設置ならば、リフォーム対策を建築士に相談しながら間取りを検討されることをおすすめします。