「家にエレベーターをつける」
注文住宅では、このようなステキな要望も叶えられてしまいます。家の中にホームエレベーターがあれば、階段の上り下りをする必要がないので、3階建てを建てても階段の使わない暮らしが実現可能です。
しかし、まだまだ一般的な住宅では採用されていないホームエレベーターですが、採用することで生活の質がぐっと上がります。今回はホームエレベーターに関する費用とおすすめする家庭をお伝えします。
この機会に、家にエレベーターのある暮らしを検討してみてはいかがでしょうか。
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ホームエレベーターとは?


商業用のエレベーターとの違いは昇降スピードとエレベーター内の広さです。ホームエレベーターは、商業用エレベーターに比べて昇降スピードが遅く、4階建て程度の建物に対応できるよう作られています。また、2~3人用の大きさの小型エレベーターが家庭用として販売されています。
ホームエレベーターの価格を項目ごとに徹底比較
ではホームエレベーターはいくらでしょうか。
ホームエレベーターをつけるためには、本体価格の他に施工費+申請費の3つがかかります。施工費は各住宅会社で違いがあるので確認してみてください。申請費は10~15万円ほどかかります。
それでは、ホームエレベーターの本体価格について解説していきます。今回はパナソニックのホームエレベーターの金額を参考にしました。また、記載されている金額はカタログ上の定価の金額です。各住宅会社で仕入れ値が変わりますので、採用するときは事前に確認してください。
ホームエレベーターのサイズ
まずはホームエレベーターのサイズの違いによる価格を調べます。パナソニックのホームエレベーターは、最小で120㎝×80㎝サイズ、最大で140㎝×180㎝のサイズがあります。一覧で価格をまとめました。
エレベーターサイズ | 価格 |
---|---|
120㎝×80㎝サイズ | 270~306万円 |
160㎝×80㎝サイズ | 285~463万円 |
120㎝×120㎝サイズ | 292~468万円 |
120㎝×140㎝サイズ | 302~312万円 |
140㎝×140㎝サイズ | 313~500万円 |
140㎝×160㎝サイズ | 336~433万円 |
140㎝×180㎝サイズ | 398~568万円 |
もちろんサイズが大きくなるにつれて金額が高くなります。
ホームエレベーターの外寸法ですので、エレベーター内はもう少し狭くなります。サイズが大きい方がゆとりがありますが、居住空間が狭くなりますので慎重に考えましょう。
定員人数による違い
次にエレベーターに乗ることができる人数で検討します。パナソニックのホームエレベーターは、定員人数を3段階に分けて設定しています。
定員 | 価格 |
---|---|
ゆとり1人乗りまたは2人乗り用(積載130㎏) | 270~306万円 |
2人乗り用(積載150㎏) | 285~468万円 |
3人乗り用(積載200㎏) | 292~568万円 |
すべての定員で200万円台から購入可能です。エレベーターのグレードや、昇降の高さによって大きく金額が変わります。
設置する家の階数
最後に設置する家の高さや階数による価格の違いを見比べていきます。パナソニックのホームエレベーターでは、最大で5階建てまでの昇降に対応しています。
階数 | 価格 |
---|---|
2階建て(昇降7m以下) | 270~439万円 |
3階建て(昇降7m以下) | 300~474万円 |
3階建て(昇降7m超) | 338~478万円 |
4階建て(昇降7m超) | 408~513万円 |
5階建て(昇降7m超) | 438~568万円 |
4階建て以上になると一気に金額が上がります。また、3階建てでも昇降が7mを超えると、プラスに費用が掛かるので注意しましょう。
ホームエレベーターは住んでからどのくらいコストがかかる?
ホームエレベーターは住んでからも費用がかかります。
- 電気代
- メンテナンス契約費用
- 固定資産税
その他に、故障をすれば修理費などが随時かかってきます。それでは項目ごとに費用を確認していきましょう。
電気代
エレベーターを稼働させるためには電気が必要ですので、電気代がかかります。
パナソニックのホームエレベーターの電気代を参考にします。1日20回(10往復)利用したときの月々の電気代は440~700円でした。1日あたり14~23円、1回に換算すると0.7~1.15円です。また、年間でも5,280~8,400円しかかかりません。
家計を圧迫するほどの電気代はかからないので、安心して利用できます。
法定点検・メンテナンス契約費用
次にメンテナンスや点検にかかる費用です。一般的に採用したホームエレベーターのメーカーと契約を結ぶことが一般的です。もちろんパナソニックでもメンテナンス契約をすることが可能です。エレベーターの利用回数によって契約金額が2つに分かれます。
- 1日30回未満の利用・年1回点検:年間43,000~48,000円(税抜)
- 1日30回~50回の利用・年2回点検:年間59,000~64,000円(税抜)
支払いは月ごとの分割払いも選択可能です。契約は内容は以下の通りです。
- 定期点検(機器の性能チェック・調整・給油・清掃・検査)
- 故障出動、緊急救出(24時間365日)
- 停電時自動着床装置用バッテリー交換
- 交換部品代特別割引
※定期点検の中に、法定点検の金額も含まれています。
年間のメンテナンス費は、かなり費用がかかります。ホームエレベーターの耐用年数は25~30年です。毎年メンテナンス契約を更新すると考えると、25年間で107.5万円~160万円、30年間で129万円~192万円かかります。計画的に貯蓄しておく必要があります。
固定資産税
ホームエレベーターがある家は、建物の評価額が上がります。建物の評価額が上がると、固定資産税の額も上がってしまうのです。評価内容によって金額が変わりますが、ホームエレベーターをつけることで固定資産税が2万円前後上がる家庭が多いと言われています。
ホームエレベーターがおすすめな家庭
ホームエレベーターを搭載すべき家庭をお伝えします。
車いす利用者がいる
家族の中に車いす利用者がいる家庭はホームエレベーターの採用をおすすめします。車いすの方は自力で階段の上り下りができないので、1階で生活するしかなくなってしまいます。しかし、エレベーターであれば自力で上の階への移動が可能です。介護者にとっても負担軽減につながりますので、高いお金を出してでも採用する価値はあります。
3階建て以上の家に住んでいる
3階建て以上の建物を建てようと考えている方にもホームエレベーターはおすすめです。3階まで買い物した荷物を運ぶときに、ホームエレベーターがあると負担が大きく軽減されます。また、重い洗濯物を持って上がるときや、布団を移動させるときなどもエレベーターを使えば移動が楽になり、家事の負担軽減にもつながります。
LDKが2階以上にある家
LDKを2階以上に配置しようと思っている家庭も、ホームエレベーターがあると生活の質が大きく変わります。水や米などの重さがあるものを階段で2階に運ぶのは一苦労です。また、犬の散歩に連れていくときにも、犬を抱っこして階段を上り下りするとかなり疲れますよね。
ホームエレベーターがあれば、このような思いをすることなく体に負担をかけずに生活ができます。
おわりに
ホームエレベーターは採用するグレードによって大きく金額が変わります。自分の家に取り入れるときは次の4点をこだわって考えてみてください。
- 1日に何回乗るか
- 1回につき何人乗るか(車いす利用者はいるか)
- 何階建てか(昇降の長さも考える)
- デザイン性を重要視するか
今すぐはホームエレベーターが必要ない家庭は、リフォームで施工することもできます。しかし、構造を変更するなどの余計なお金がかかりますので、新築設計時から意識してプランニングすることが大切です。
マイホームにホームエレベーターを採用し、ストレスフリーの暮らしを送りましょう。