2階をリビングにする間取りが定着してきました。以前は、狭小住宅の日当たり問題の解消目的で採用をする人が多くいましたが、最近は広い土地でも2階リビングを採用します。「もっとリビングを明るくしたい」「リビングからの景色を楽しみたい」など、2階リビングを採用する理由はさまざまです。
しかし失敗を口にする人もいます。「2階リビングで失敗した」などの口コミが多く、「理想だけで2階リビングにしていいのかな」と悩まれている人もいることでしょう。景観を気にしたことで住み心地が低下するのは残念です。失敗した意見が気になる人は、間取りを決断する前にポイントを検証しておきましょう。
そこで今回は「2階リビングは失敗する?住み心地を左右する5つのポイント」を解説します。失敗を避けるための工夫も紹介をするので参考にしてください。
間取り図作成フリーソフト7選!無料シミュレーションできるおすすめアプリ
続きを見る
クリック移動【目次】
2階リビングは失敗する?
2階リビングが失敗するかどうかは、建てた家や個人の考え方、家族構成によって異なります。2階リビングはメリットが多い間取りです。ただいくつかのデメリットにより、「失敗した」と判断する人がいます。
良い点は当然のことと思い、悪い点ばかり気になるのです。住み心地を左右するポイントは失敗の声から見つかります。そこで2階リビングの住み心地でよく見られる失敗を集めてみました。
よくある失敗例
- 夏の暑さがきつい
- 大型の家具家電を搬入するときが大変
- 来客時が面倒
- 買い物したあと荷物を運ぶのが大変
- 2階リビングの音が響く
上記は住み心地を左右するポイントです。2階リビングのメリットは「日当たり」「洗濯の動線が良い」「耐震性が向上する」などがあげられます。上記のデメリットがメリットを上回ると「失敗だった」と思うことでしょう。
上記の5つを検証し、失敗をしないための対策が必要です。
2階リビングの住み心地を左右する5つのポイントを検証
先ほど紹介をした5つのよくある失敗を検証します。失敗を避けるための工夫も紹介をするので参考にしてください。
ポイント1:夏の暑さがきつい
真夏の厳しい日差しが照り続ける時間帯に、屋根に近いリビングを利用します。暑さに住み心地が悪いと音を上げる人もいるようです。
夏の暑さで失敗した人のリアルな声
3階建てで2階がリビングならば暑さも和らぐことでしょう。2階建ての場合は、太陽によって熱しられた空気が屋根と天井の間に滞留します。エアコンを消すと、滞留した熱い空気がすぐに部屋を暖めてしまうのです。
夜ならば太陽が隠れるのでそこまで厳しい暑さになりません。しかしリビングは昼間に利用をします。2階リビングの厳しい暑さが和らぐ頃、1階の寝室に移動をするのです。効率の悪さから「失敗」を思う気持ちも理解ができます。
2階リビングの失敗を避けるための工夫
2階リビングの暑さを和らげる対策は次のとおりです。
失敗を避けるための工夫
- 断熱材を厚くする
- 直射日光を防ぐため窓の庇や窓上のバルコニーを長くする
- 天井にシーリングファンを設置する
断熱材を厚くすることで、空気の温まりを防ぎましょう。また、天井にも断熱材を厚く張ることで、熱伝導率を低くします。暖まった空気の熱が天井に伝わることで、リビングが暑くなるのです。天井にも断熱材を施すことでリビングの住み心地を守ります。
直射日光も暑さの原因です。庇やバルコニーを長くすることでリビングへの厳しい日差しを遮ります。西日対策にはカーテンやブラインド、すだれなどを活用しましょう。天井にシーリングファンを設置するのも有効です。
ポイント2:大型の家具家電を搬入するときが大変
リビングには大型の家具家電が必要です。1階がリビングならば搬入が楽ですが2階になると一苦労、男手がたりなければ業者に依頼をしなければいけません。
家具家電の搬入で失敗した人のリアルな声
大きな家具家電に困る人が多くいます。ただ頻繁に起きる問題ではありません。買い換えなので、10年に一度くらいでしょうか。しかしリビングやキッチンにはいろいろな家具家電があります。
- 冷蔵庫
- テレビ
- ソファ
- 洗濯機
- ダイニングテーブル
寝室に置く大型家具と言えば「机」や「ベッド」です。両方とも組み立てができる家具なので、搬入に苦労をすることはありません。家具家電の搬入は、2階をリビングにしたことで発生する苦労のひとつです。
建ててよかったハウスメーカーをまとめた記事はこちら
≫本当に建てて良かったハウスメーカーランキング
2階リビングの失敗を避けるための工夫
大型家具家電の搬入に関する対策は次のとおりです。
失敗を避けるための工夫
- 階段をゆるく広くする
- できれば直線階段を採用する
- 搬入するときは業者に依頼をする
2階リビングの階段は広くゆったりさせるのがおすすめです。長年住み続けると階段の上り下りもきつくなります。緩い階段ならば安心です。また、布団を干すのが大変という声もありました。階段が広ければ持ち運びに便利です。
搬入時に邪魔になるのが回り階段の壁です。大型の家具が壁にぶつかることで進めなくなります。直線階段の方が運びやすいです。ただ万が一転ぶと1階まで一気に落ちます。階段は家族構成などを踏まえて判断をしましょう。
ポイント3:来客時が面倒
来客の多い家は2階にリビングがあると不便です。夫の仕事で書留の配達が頻繁など、手渡しの郵便をよく受け取る家は、1階まで受け取りに降りなければいけません。他にもテレビインターホンで断り切れない営業などいろいろあります。
来客で失敗した人のリアルな声
テレビインターホンで断れればよいのですが、会っての対応を要するなど降りる必要もでてきます。急な来客が続くと面倒です。来客した人が悪いわけではありません。しかし思わず「忙しいので」とよくない態度で接してしまうこともあります。「あの家は態度が悪い」と噂をたてられたら面倒です。
2階リビングの失敗を避けるための工夫
昼間はほとんど2階にいます。来客時に降りることを避けるのは難しいです。テレビインターホンで断れれば良いですが、引かない人もいます。できる工夫は限られてきますが、できることはやっておきましょう。
失敗を避けるための工夫
- 階段下を玄関の近くにする
- 宅配ボックスを設置する
- テレビインターホンは録画機能付きを設置する
階段下と玄関の距離を縮めておきましょう。少しのことですが、距離が短縮されます。また、玄関横に宅配ボックスを設置しておくことで、小包などの受け取りは外出時に合わせて回収ができます。
「これで解決」といった工夫はありません。仕事や友人関係など、来客が多い人は注意をしましょう。
ポイント4:買い物したあと荷物を運ぶのが大変
買い物したあとの荷物は2階まで運ばなければいけません。家族が多く、食べ盛りの子どもがいると荷物が増え大変です。1階がリビングならば階段の上り下りが必要ありません。買い物頻度にもよりますが、上り下りの回数は増えます。
買い物したあとの荷物で失敗した人のリアルな声
お米やお水など、重たい荷物の持ち運びに対し「失敗」を口にする人が多くいます。一度に運べない場合は往復しなければいけません。。買い物に行くのが億劫になります。
家族がケガをするとさらに大変です。1階がリビングならば、2階へ行く回数を減らせます。リビングで寝ることはできても、寝室で一人で食事をとるのは寂しいです。ケガをした時に苦労を感じます。
2階リビングのリビングの失敗を避けるための工夫
2階で食事をするので荷物運びを避けることはできません。できるとしたら回数を減らす工夫です。
失敗を避けるための工夫
- まとめて買い物ができるよう大きなパントリーを用意する
- 階段上付近にパントリーを設置する
- 荷物運びを手伝うようあらかじめ相談をしておく
買い物は1週間に2回程度とし、家族に協力をしてもらいます。お米などは玄関に置いておき、夫が帰宅し上がってくるときに持ってきてもらいましょう。水も同様です。多くの食材を保管できるようパントリーを大きめにしておきます。
腰を痛めたら大変です。2階リビングを決めるときに、話し合っておきましょう。家族で協力できる体制を事前に構築しておくことが大切です。
ポイント5:2階リビングの音が響く
寝室で寝ていると2階の音が気になるといった失敗が多くみられました。夜勤や泊まりが中心の仕事をしていると、お風呂の音が気になります。
音で失敗した人のリアルな声
上から下に流れる排水の音は気になるようです。1階で寝ている時に、2階のトイレやお風呂を利用すると音で目が覚めます。音の問題でイライラし、家族がギクシャクすることもあるようです。
2階リビングの失敗を避けるための工夫
失敗を避けるための工夫
- 2階の浴室やトイレの下に寝室をつくらずトイレや廊下にする
- 床や排水管が通る壁には防音対策をしておく
2階をリビングにする場合は、排水音の対策が必要です。できるだけ水回りと寝室を離すようにしましょう。真下は排水の音が気になります。昼夜逆転する家族がいる場合は、特に注意が必要です。
2階リビングのデメリットを知り失敗を避ける工夫をする
「2階リビングは失敗する?住み心地を左右する5つのポイント」を解説しました。口コミを確認すると2階リビングに失敗をしたという口コミが多く見られます。しかし快適という口コミもあるので安心してください。
「急なケガ」「在宅ワーク」など、普段と生活が変わることで失敗を口にする人もいます。ただすべてを2階リビングの責任にするのはかわいそうです。事前に対策を講じておくことで、住み心地は良くなります。5つの検証を参考に、家族にとってより良い2階リビングを実現させてください。