- 「通勤時間を短縮するため都市部に家を建てたいけど土地が高い」
- 「憧れの土地に家を建てたいけど高い」
上記のような悩みを抱えている人には、土地を安く購入して建てる注文住宅の狭小住宅がおすすめです。「でも狭小住宅ってよく聞くけど不便じゃない」と不安を抱いている人はいませんか。狭小住宅は人気が高く、多くの人が実際に建てています。気になる人は狭小住宅(7坪8坪9坪)の家の特徴を確認しましょう。今回の記事では次の点について解説をします。
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- 建坪10坪以下の注文住宅でよく採用される工夫
- 建坪10坪以下の狭小住宅(7坪8坪9坪)の特徴
- 狭小住宅を建てるときの注意点
気になる土地があるけどちょっと狭いといった悩みを抱えている人は、参考にしてください。
クリック移動【目次】
狭小住宅とは?7坪8坪9坪10坪の広さ
狭小住宅に定義はありませんが、一般的に15坪以下の土地で建てる注文住宅を狭小住宅と呼んでいます。今回はさらに小さい建坪10坪以下の注文住宅です。まずは7坪8坪9坪の広さを確認しましょう。
7坪8坪9坪の広さ
- 10坪:33.06㎡:19.96畳
- 9坪:29.75㎡:17.97畳
- 8坪:26.45㎡:15.97畳
- 7坪:23.14㎡:13.97畳
畳数は平均的な中京間で表示しています。想像が難しい場合は、メジャーを利用して確認しましょう。6m×5mの広さが9坪程度です。
実際に見ると「本当にこの広さで建てられる?」と思われるかもしれません。しかしいろいろな工夫を凝らし、実際に狭小住宅で注文住宅を建てている人がいるので安心してください。
建坪10坪以下の注文住宅の工夫
建坪10坪以下の注文住宅でよく採用される工夫について解説をします。狭小住宅を検討されている人の参考になる工夫ばかりです。
壁をできるだけ減らす
建坪10坪以下の注文住宅は、解放感を重視します。できるだけ壁を減らすことで広さを確保するのが一般的です。もちろん最低限のプライベート空間は確保しておきます。プライベート空間以外はできるだけ壁をなくすのがおすすめです。
ココがポイント
- 壁ではなく可動式の間仕切りドアを採用
- 収納のドアも省く
- どうしても仕切りが欲しい場合は格子を検討
リビングの横に和室を設置する間取りが人気です。和室と洋室の区切りなので仕切りを作りたいところですが、閉鎖的になることを覚悟しなければいけません。しかし可動式の間仕切りドアを採用すれば、必要なときだけ仕切れます。昼間は開放し、部屋全体を明るくしましょう。
収納のドアも省くことを検討します。本当にドアが必要でしょうか。家族以外の人が入らない場所にある収納場にドアは不要です。オープン収納で、解放感と通気性を向上させましょう。どうしても壁が欲しい場合は、格子でいくらかの解放感を残すべきです。
吹き抜けを利用
建坪10坪以下の注文住宅に吹き抜けを採用する人は多くいます。吹き抜けは断熱性を損なうといったデメリットもありますが、狭小住宅においてはメリットが目立つ間取りです。
ココがポイント
- 吹き抜けが家の中に光を入れる
- 風通しがよくなる
- 縦に解放感を広げる
住宅に囲まれた場所の小さい土地を購入する人もいます。住宅に囲まれている土地で悩むのが採光です。1階の日当たりがほぼ望めない土地もあります。そのまま建てればカビだらけになるかもしれません。そこで活躍するのが吹き抜けです。上空から自然光と風を取り入れます。できるだけ広い範囲に自然光を取り入れる工夫です。
また、吹き抜けが縦の開放感をもたらします。解放感を得る方法は横だけではありません。高さに余裕が生じれば、間取りに解放感が生まれます。吹き抜けは狭小住宅におすすめの工夫です。
ロフトの活用
建坪10坪以下の注文住宅を建てるときはロフトを検討しましょう。デッドスペースである屋根裏をロフトとして有効活用すれば、収納場所が確保できます。子供のちょっとした遊び部屋としても有効です。
子供部屋を広くできない場合はロフトベッドを検討しましょう。ロフトベッドの下に勉強机を設置します。ベッドを置くスペースを、上部のデッドスペースに求める方法です。
おしゃれな狭小住宅では、ロフトを子供の遊び場所に決め、のぼり棒で行き来するといった工夫も見られました。ちょっとした工夫で空間を楽しく利用できます。
スキップフロアで間取りを工夫
スキップフロアとは、床の高さをずらすことで、1.5階や2.5階を設ける間取りです。スキップフロアはロフトと同様に上の空間へ床を求めます。建坪10坪以下の注文住宅におすすめの間取りです。
ココがポイント
- 吹き抜けとの相性が良い
- おしゃれが増す
- 解放感を維持できる
狭小住宅の間取りでおすすめの吹き抜けと相性が良い間取りです。吹き抜けから注ぐ自然光に照らされたスキップフロアがおしゃれ度を高めます。解放感を維持しながら床を増やせる工夫です。
地下室の検討
10坪以下の注文住宅で地下や半地下を採用する人が多くいます。地上だけで満足のいく間取りが確保できない場合におすすめです。
ココがおすすめ
- 趣味が行えるスペースを確保
- 収納スペース
- 子どもの遊び場
地下室の用途はいろいろです。趣味に利用する人も多くいます。まとめ買いをした商品を保存するスペースとしても有効です。キッチンが狭い場合は、地下室に保管します。万が一の防災グッズや非常食の保管場所としての活用も魅力です。
建坪10坪以下の狭小住宅(7坪8坪9坪)の特徴は?
建坪10坪以下の狭小住宅の特徴を解説します。
1階がカーポート
狭小住宅の外観を見ると、1階をカースペースに確保する注文住宅が多いです。1階をカーポートやガレージにし、2階と3階を居室にします。1階にはカーポートの他に、玄関や収納などが設置可能です。また、自転車置き場で苦労する人もよくいます。原付などのバイクも所有している場合は、ガレージを選択するのがおすすめです。
廊下を減らす間取り
狭小地は無駄なスペースをできるだけ作りません。移動するだけにしか利用しない廊下を省く特徴があります。リビング階段を設置し、居室にできる限りの広さを振り分けるのが一般的です。
廊下がない分、家事動線の短縮にもつながります。ただし家具の位置を検討しないと、移動時の邪魔になるかもしれません。間取りを決めるときは十分に検討をしましょう。家事動線や生活動線の確保が重要です。
3階建て
狭小地の特徴と言えば3階建てです。広さを上空に求めるため高さを増やします。10坪以下の土地に注文住宅を建てるのならば3階建てを検討しましょう。
3階建てならば二世帯住宅も夢ではありません。実際に10坪以下の土地で二世帯住宅を建てた例もあります。同居する人が多い場合は、3階建てを選ぶべきです。
また、3階建てではなく屋上を庭のように活用する例もありました。狭小地は庭が取れない可能性が高いです。「どうしてもガーデニングを楽しみたい」と考えている人はいませんか。屋上庭園を設置する例も少なくありません。
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リビングは2階以上
狭小住宅の場合、リビングは2階以上に設置するのが一般的です。1階には日が届かない土地が多いことから、より多くの採光を求められる2階以上を選択します。1階は寝室です。風通しが良ければカビは発生しません。風通しを工夫し、採光があまり必要とならない寝室に利用します。
3階建ての場合は2階をリビングにして吹き抜けを設置するのが人気です。水回りはリビングのある2階に集中させます。家事動線も意識できる間取りです。1階に壁が多く必要となる寝室を設置することで、耐震性も向上します。
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階段にも解放感
狭小住宅は階段を工夫するのも特徴です。一般的には「スケルトン階段(ストリップ階段)」が採用されます。デザインによっては螺旋階段もおすすめです。スケルトン階段は骨組みと段板のみで作られます。スケルトン階段のメリットは次のとおりです。
ココがおすすめ
- 解放感が生まれる
- 採光が取りやすい
- デザイン性が向上する
通常の階段は影を作りやすく閉鎖的になりやすいです。四方を囲まれないスケルトン階段ならば解放感が生まれます。採光も取りやすいです。なんといってもスケルトン階段はおしゃれを演出できます。住まいの雰囲気がガラッと変わる階段です。
狭小住宅を建てるときの注意点
最後に、狭小住宅を建てるときの注意点を解説します。参考にしてください。
建築費が上がりやすい
狭小住宅で一番注意が必要なのが建築費です。土地を安く購入したにも関わらず建築費が高額になったら目も当てられません。狭小住宅は建築費が上がりやすいので注意をしましょう。
ココに注意
- 道が狭く大型車両が進入できない
- 周囲が家に囲まれているので防音対策が必要
- 工夫をたくさん採用すると建築費が上がる
狭小地でよくある問題が大型車両の進入ができない土地です。注文住宅を建てるには、多くの素材を運ばなければいけません。土地までの道が狭く大型車両が入れない場合は、人が運びます。工期も延び、人件費が増すかもしれません。
周囲が家に囲まれている場合は、防音対策が必要です。引っ越したばかりなのに近隣住人ともめるわけにはいきません。近隣との距離が近い場合は、音が外に漏れない工夫が必要です。
また先ほど紹介した工夫が建築費用を高めます。ロフトやスキップフロアを採用する場合は材料が必要です。地下室を採用すれば、さらに建築費が上がります。工夫を盛り込み過ぎると高額になるので注意をしましょう。
家具や設備を自由に選べない
狭小住宅は家具や設備を自由に選べない点に注意をしましょう。 7坪8坪9坪で建てる場合は、動線の確保が重要です。大きなソファやダイニングテーブルを置くのではなく、キッチンの前に設置されたカウンターで食事をするなどの工夫を検討しましょう。
リビングをより広く利用したい場合は「壁付けキッチン」がおすすめです。キッチンの後ろにダイニングテーブルが置けます。家事動線にも有効な間取りです。ただオープンキッチンに強いあこがれを持つ人も少なくありません。広さを取るか、あこがれを取るかで迷います。
浴室に広さを確保できなければ「0.75坪~1坪」が妥当です。1人で入浴するには十分な広さですが、子供と一緒にとなると狭いと感じるかもしれません。浴槽のサイズは、浴室の広さで決まります。
狭小住宅で家を建てるときは、家具をあらかじめ検討しておきましょう。どうしても購入したい家具がある場合は、設備を狭くする必要があります。
間取りは十分に検討する
間取りは十分に検討しましょう。今だけではありません。将来を見据えた間取りが必要です。広さに余裕があれば、レイアウト変更もある程度自由にできます。しかし狭小住宅だとレイアウト変更も大変です。
ココがポイント
- 子どもが増える予定
- 両親との同居予定
- ペットの飼育予定
将来設計は人によってそれぞれです。何歳までに子供を何人ほしいといった設計をたてる人もいます。もし家族が増える予定があるのならば、対応できる間取りが必要です。狭小住宅は、一般的な広さ(30坪~40坪程度)を持つ注文住宅の半分以下で建てます。将来を見据えて間取りを決めなければいけません。
例えば「もう一部屋ほしいからトイレは一ケ所でいいよ」という判断が本当に正しいのでしょうか。今は良いかもしれません。しかし将来や生活動線を考えたら正しい判断でしょうか。細かい点まで注力し間取りを決めるのが大切です。
保管場所が少ないことを覚悟する
狭小住宅は収納が足りなくなる可能性に注意をしましょう。何かしらのコレクターを趣味に持つ人はいませんか。例えば靴のコレクター人口は増えています。コレクターとして保管する場所の確保に注意をしましょう。
コレクターは家族に理解されないケースが多いです。「家族の思い出の品」と「コレクション」、価値は夫婦によって変わってきます。価値観の違いが喧嘩に発展することも少なくありません。
最初は理解をしていても、住むうちに物が増え、だんだんと言い争う機会が増えてきます。お互いにイライラするかもしれません。そのような事態が起きないよう、収納についても十分に話し合いをしておきましょう。
建坪10坪以下の間取り実例集
10坪以下の間取り実例集をご紹介していきます。建坪10坪以下で家づくりを検討されている方は、間取りづくりの参考にしてくださいね!
建坪7坪:狭小3階建て住宅
限られた土地でも3階建てにすれば上記の様に部屋数を確保することができます。狭小住宅でも3階まであれば単純計算で延べ床面積は3倍近く確保できます。
2階にキッチンがあるので、2階をリビング、1階を寝室、3階を子ども部屋やプライベート部屋にするなど、ライフスタイルに合わせた使い方も可能です。夫婦+子ども2人いても十分生活できそうですね。
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建坪10坪以下の注文住宅まとめ
建坪10坪以下の注文住宅について解説をしました。最後にまとめます。
ココがポイント
- 10坪以下でも十分に注文住宅は建てられる
- 狭小住宅を建てるときは優秀な設計士に相談する
- 建築費が高くなる状況に注意が必要
一般的な注文住宅よりもかなり狭い土地に建てるのですから、自由度は下がります。しかし、優秀な建築士に依頼をすれば多くの希望を叶えてくれる可能性が高いです。ただ当然ながら建築費が上がることも考えなければいけません。
狭小地を購入したあと、建ててくれるハウスメーカー探しに時間を費やしたらもったいないです。10坪以下の注文住宅を建てるときは最初に良いハウスメーカーの目星を付け、相談をしながら進める方法をおすすめします。