注文住宅で家を建てた人の口コミでは、値引きの成果に満足する人の声を多く見られます。成功者の声を見たら「私も値引きを成功させたい!」と思うことでしょう。しかしがむしゃらに交渉をしても良い成果は得られません。
値引きを成功させたい人は、最初に値引きのからくりを理解しておきましょう。成果を求める時に必要になるのは情報です。ハウスメーカーの値引きのからくりを知っておくことで交渉がしやすくなります。値引きをスムーズに行うために必要な情報です。
そこで今回は「ハウスメーカー値引きのからくり|知らずに交渉しても成果なし?」を解説します。値引き交渉で成果を得るためのコツも紹介するので参考にしてください。
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ハウスメーカーの値引きのからくり
最初にハウスメーカーの値引きのからくりを解説します。廃棄処分のない注文住宅で大きな値引きができるのは不思議です。からくりを知ることで交渉がしやすくなります。ただ契約者にとってよくないからくりもあるので注意をしましょう。
歓迎できるハウスメーカーの値引きのからくり
まずは、契約者にとって良い値引きのからくりから解説します。依頼するときは、歓迎できる値引きのからくりを採用しているハウスメーカーがおすすめです。
利益率を下げてでも契約がほしい
請求額に含まれているのがハウスメーカーごとに決められた利益率です。契約をしたのに赤字を出すわけにはいきません。
ハウスメーカーは、最低限の利益を得るため交渉のできる値引き率の範囲を設けています。利益率を下げてでも契約がほしい場面があるのです。
- 本決算期が近い
- 今期の目標を達成していない
- お客様が競合他社と悩まれている
上記の状況は、ハウスメーカーが利益率を下げてでも契約がほしい場面です。赤字決算はデメリットが多くハウスメーカーはできるだけ回避します。目標戸数の未達もマイナスイメージです。最悪の場合は投資家が離れ株価が下がるかもしれません。万が一の際に銀行からの融資も受けられなくなります。
体裁を保つためにも目標の達成は必須です。会社全体の未達は営業マンの士気にも関わります。勢いがなくなれば競合他社が有利です。目標の未達は営業業界のタブー、一度未達になると転がり落ちます。ましてや理由のない赤字決算を計上するわけにはいきません。
一つの契約に大きな利益を求めるのは優先事項です。しかし優先順位が変わることもあります。消費者や投資家に与える良いイメージが、来季の売り上げに影響する業界です。利益率を下げてでも契約がほしいときがハウスメーカーにはあります。
業績が上がっている
ハウスメーカーの業績が良いと値引き率が高まることもあるようです。注文住宅を建てる際の請求には経費が上乗せされています。広告費や本社で働く人の人件費などを含め請求するのが一般的です。
業績が上がっているハウスメーカーは経費の回収先が増えています。100万円の経費を10人で支払ったら10万円が必要です。しかし100人で支払えば1万円で済みます。経費の回収は年度当初の見込み契約本数で割り振ります。
契約本数が増えることで、当初の経費の支払いとして見込んでいたお金が利益に変わるのです。また、業績が上がると資材をまとめて購入できます。まとめて購入することで経費が抑えられるのもポイントです。
業績の良いハウスメーカーは多くのお客様から経費を回収できます。予想以上の業績アップが値引きにつながるハウスメーカーもあるのです。
避けた方が良いハウスメーカーの値引きのからくり
避けるべき値引きのからくりを実践するハウスメーカーもあります。悪いからくりを実践するハウスメーカーの情報も確認しておきましょう。ただ実践しているのは、ごくわずかのハウスメーカーなので安心してください。悪いことを考える人もいる程度で知っておきましょう。
値引き額をあらかじめ上乗せしている
あらかじめ値引き額を上乗せして提示するハウスメーカーもあります。値引き交渉を想定して、あたかも値引きを実現させたように見せる手法です。
- 実際の見積もりに200万円上乗せする
- 値引き交渉を受ける
- 一生懸命に悩むふりをして「200万円の値引きならば受けられます」と伝える
- 値引きが成功したことで喜び契約をする
- ハウスメーカーの利益率は変わっていない
営業マンが頑張って得た値下げです。相談者は断りにくくなります。また、値引きが成功した喜びから契約を決める人もいることでしょう。営業マンの中には、「先ほど手すきの職人が確認できたので今日契約をしてくれたら200万円の値引きをします」と、信頼性のある内容で急かせる人もいます。値引きという武器を悪用するハウスメーカーです。
一見値引きが成功しているようにも見えます。しかし実際はひどいからくりです。ハウスメーカーは努力をしないで契約を得ています。契約者の立場で営業をしないハウスメーカーには注意をしましょう。
内緒で住まいの質を落としている
利益ではなく、素材などの質を下げることで値引きを実現させるハウスメーカーもあります。自社の利益を求めるあまり、見えない箇所の質を下げて完成させるからくりです。主に次の質を説明せずに下げてきます。
- 人件費
- 素材
- 設備
ベテランの職人は人件費も高額です。若い職人に依頼をすることで人件費を抑えます。ベテラン職人が不在なので、うっかりミスが続出する可能性が高いです。性能が不十分な家が建ちます。
注文住宅はこれから家を建てるので、何とでもなるのが問題です。食品でも外国産を国内産と偽る業者が後を絶ちません。
食品ならば食べて終わりですが、注文住宅は住み続けます。質の悪い住まいに住むことでメンテナンス費用が高額になることでしょう。
断熱材などは壁で埋めてしまえば確認できません。確認できない箇所の質を落とすことで、値引きをします。悪いハウスメーカーは、自社の利益しか考えないからくりを採用するので注意が必要です。
値引きのできないハウスメーカーもある
値引きを受け付けていないハウスメーカーもあります。利益率を最低限にしているハウスメーカーです。ローコスト住宅を手掛けるハウスメーカーに多く見られ、値引き交渉を断っています。
値引きはお客様の差別と話すハウスメーカーもありました。同じハウスメーカーで依頼をしたにも関わらず、「5%の値引きを受けた人」と「8%の値引きを受けた人」が存在します。自分が他の人よりも優遇されていない事実を知ったらショックです。
また、値引きができる理由がわからないと話すハウスメーカーもありました。完成品を売る商売ならば型落ちや賞味期限で価格を落とすことも考えられます。しかし注文住宅は依頼を受けてから建てるのが一般的です。値引きありきの相談は不誠実ともいわれています。
値引き交渉を受け付けるハウスメーカーでそのまま依頼をしたら大損です。ハウスメーカーは大きな利益を得られます。営業マンは値引き交渉をしないお客様に対し工事の優先など、何かしらの優遇を考えるかもしれません。値引き交渉を受け付けないハウスメーカーは、同じサービス内容で対応をします。
最近は適正価格を掲げるハウスメーカーが増えてきました。交渉が苦手な人は値引き交渉を受けていないハウスメーカーがおすすめです。
建ててよかったハウスメーカーをまとめた記事はこちら
≫本当に建てて良かったハウスメーカーランキング
悪い値引きを見抜く方法
悪い値引きのからくりを採用するハウスメーカーとの契約は避けるべきです。良いからくりで値引きを提供するハウスメーカーの選び方を解説します。
注文住宅の見積もりや間取りプラン請求をご検討の方
≫注文住宅の相見積もりや比較サイトの正しい使い方を解説
相見積もりをとる
注文住宅で家を建てるときは必ず複数のハウスメーカーから見積もりをもらってください。相見積もりで詳細な内容を確認することで、請求に利益を載せているハウスメーカーに気づけます。
同じ条件で複数のハウスメーカーに依頼をすれば請求額に大差が出ません。得意不得意やハウスメーカーの規模があるので多少の差額は出ます。しかし大きく異なるのは何かしらの原因があるはずです。
見積もりで詳細を確認しても差額の要因が見つからない場合は、値下げ交渉を予測した見積もりの可能性が高まります。担当に質問をし、納得できる回答が得られない場合は、良くない値引きのからくりを利用していると受け取りましょう。
相見積もりにより見比べることが大切です。注文住宅は高額な買い物なので、疑う気持ちを頭の片隅に置いておきましょう。
最低でも3社以上と相談をする
最低でも3社以上と相談をしましょう。多くのハウスメーカーから意見を聞くことで知識が増えます。注文住宅に関する知識を増やすことで、値引きにより質の悪い注文住宅を建てるハウスメーカーを見破ってください。
悪い値引きのからくりを採用するハウスメーカーは、何も知らないお客様を大切にします。適当な内容でもそれらしく伝えれば信じるからです。営業マンの色に染めやすく、契約をすぐに結べます。
知識のあるお客様に適当な発言はできません。他のハウスメーカーで得た知識は邪魔だと思います。質を落とすハウスメーカーを見分けるためには、注文住宅の知識が必要です。
最低でも3社に相談をして注文住宅の知識を増やしてください。営業マンに違和感を抱いたら迷わず質問をします。納得のできない返答をするハウスメーカーは避けましょう。
ハウスメーカーとの値引き交渉で成果を得るコツ
最後に値引き交渉で成果を得るコツを解説します。ハウスメーカーの値引き率は平均で5~10%程度です。口コミでは15%の値引きに成功したと語るつわものもいました。
3,000万円の注文住宅の場合1%で30万円の値引きです。額が大きいことから1%で大きな値引きが期待できます。
決算期に契約をする
大きな買い物をするときは決算期に購入するのが鉄則です。自動車や電化製品も決算セールを開催します。注文住宅の購入も例外ではありません。決算期に大きなキャンペーンを打ち出すハウスメーカーが多いです。
大手ハウスメーカーは常に何かしらのキャンペーンを行っています。しかし決算キャンペーンは別ものです。業績を良くするために最後の駆け込み依頼を求めます。今年度の勢いが来年度の営業に影響を及ぼすからです。
決算期はハウスメーカーごとに違います。ホームページなどであらかじめ確認をしておきましょう。
ただし、決算期にばかり気を取られ慌てて契約をするのも問題です。同じ値引きを考える人が多くいます。受注が増えることでミスが起きるかもしれません。内容を慎重に確認してから契約をしてください。
他社と競合をさせる
契約を締結するまでは複数のハウスメーカーで悩んでいる素振りを見せておきましょう。他社と競合することで値引きを引き出します。競合がいなければ、「値引きをする必要がない」と思われるかもしれません。
ハウスメーカーは顧客を獲得するために多額の広告宣伝費を支払っています。相談にきたお客様は、高い広告宣伝費の成果で来客されました。
見込みのあるお客様を安易に逃すことはできません。営業マンの決定率が下がります。より一生懸命さを引き出すためにもライバルの存在が必要です。
ココがポイント
- 似たようなハウスメーカーに相談をする
- ライバルのハウスメーカーに相談をする
上記のハウスメーカーに相談していることを知らせておきましょう。詳細の見積もりで内容を比較し競争心をあおります。他社との競い合いで値引きを引き出す方法です。
愛想を良くする
営業マンも人です。不愛想で上から目線のお客様とは良い関係を築きたいと思いません。営業マンと相談するときは、「お客様だぞ」と偉そうにするのではなく、「良い家を建てるために力を貸してください」という姿勢が必要です。
例えば・・・
- 上から目線のお客様はトラブルメーカーの可能性が高い
- 無理難題を押し付け、他のお客様に迷惑がかかる
- 多くの時間をとられる可能性が高い
大手ハウスメーカーはお客様を選びます。トラブルが予想できるお客様は、他社に任せたいとまで考えることでしょう。1人の面倒なお客様に5件分の時間を費やすわけにはいきません。余計に費やした時間が、他の良いお客様の相談機会を減らします。
「来店したすべてのお客様と契約をしろ」と指示するハウスメーカーは二流です。良いハウスメーカーでより高い値引きを受けるためにも、営業マンに「値引きしたい」と思わせましょう。愛想を良くするのは値引き交渉に必要です。
値引き交渉は契約前の一度のみ
値引きの交渉を何度もしてはいけません。営業マンに面倒なお客と思われます。営業マンの立場になってみましょう。しつこく値引き交渉をしてきたらイライラしませんか。値引き交渉の鉄則は契約前の一度のみです。しつこい値引きは営業マンに不安感を抱かせます。
営業マンが抱く不安
- 資金に不安があるのでは?
- グレードの低い家を紹介するべき?
- 住宅ローン審査は通る?
上記の不安が、希望の住まいの実現を難しくします。何度も値引き交渉をするのはマイナス効果です。
値引き交渉は契約前の一度で終わらせます。営業マンは、契約をするために何時間もの時間を費やしました。契約ができなければ時間の無駄です。
費やした時間を無駄にしないためにも値引きに前向きになります。値引きは、最後の一撃で勝ち取るのが有効です。
ハウスメーカーの値引きのからくりを知って交渉を成功させよう
「ハウスメーカー値引きのからくり|知らずに交渉しても成果なし?」を解説しました。最後に要点をまとめます。
- 値引きのからくりには良いものと悪いものがある
- 値引き交渉を受け付けないハウスメーカーもある
- 注文住宅を建てるときは複数のハウスメーカーと相談をする
- 営業マンに「値引きしたい」と思わせることが大切
悪い値引きのからくりを採用しているハウスメーカーとの契約は後悔をします。良い値引きをしてくれるハウスメーカーを見抜きましょう。良い値引きをするハウスメーカーの営業マンを味方に付けることが大切です。