目的を明確にして設置した屋根なしバルコニーは毎日の生活に役立ちます。逆に、目的を考えず設置した屋根なしバルコニーは、汚れが目立ち最終的に放置する可能性が高いです。
枯葉だらけの屋根なしバルコニーを見たことはありませんか?排水口にたまった枯葉と泥はテンションを下げます。屋根なしバルコニーを採用するのならば、使用用途を考えてから設置をするべきです。まずはメリットを確認しておきましょう。
そこで今回は「屋根なしバルコニーってどう?」設置するメリットや注意点について解説します。屋根なしバルコニーの設置で悩まれている人は参考にしてください。
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屋根なしバルコニーとベランダの違い
バルコニーによく似た設備に、ベランダがあります。まずはベランダとバルコニーの違いを確認しておきましょう。
ベランダとバルコニーの違い
- バルコニー:2階以上に設置された屋根のない手すり付きのスペース
- ベランダ:建物の外側に設置された屋根のあるスペース
一番の違いは屋根があるかどうかです。屋根以外にも「歩行スペース」や「広さ」などで判断をします。
屋根なしバルコニーの種類
屋根なしバルコニーは、主に3種類の中から設置を検討するのが一般的です。バルコニーの種類を確認しておきましょう。
また、先ほど屋根なしバルコニーの特徴と説明をしましたが、「インナーバルコニー」といった屋根があるバルコニーもあります。インナーバルコニーは、建物の一部が屋外になっているバルコニーです。屋根なしバルコニーは嫌だなという人は、インナーバルコニーを検討しましょう。
ルーフバルコニー
ルーフバルコニーとは、下の階の屋根の上に設置されたバルコニーのことです。屋根なしがバルコニーの特徴なのに、ルーフ(屋根)が付いていることで勘違いをする人もいます。ルーフバルコニーのルーフは屋根の上に設置されたバルコニーという意味です。
ルーフバルコニーの主な特徴を紹介します。
特徴
- ゆったりとしたスペースが確保できる
- いろいろな使用用途がある
- 内と外のつながりを持たせることで居室が広く見える
ルーフバルコニーは、通常のバルコニーよりも広いのが特徴です。広々としたスペースがいろいろな場面で役立ちます。ゆったりとできる椅子や机を設置すれば、野外リビングとして活用できるのもポイントです。
上手に間取りを決めれば、室内のリビングとルーフバルコニーをつなげることで、視覚的な解放感が得られます。ルーフバルコニーの広さが、リビングの開放感にも影響を与えるのです。広々とした空間を求めている人には、リビングに隣接したルーフバルコニーをおすすめします。
スカイバルコニー
スカイバルコニーとは屋上のことです。屋根を水平につくり、周りを囲うことで利用をします。マンションやビルなどに設置される屋上を、戸建てに採用するのがポイントです。本来ならば使えないスペースを活用します。
特徴
- ゆったりとしたスペースが確保できる
- 敷地面積が狭い土地でも庭が設けられる
- 家にいながらアウトドア気分が味わえる
スカイバルコニーのメリットは、狭小地でも屋上に庭が設置できることです。狭小地では、ほとんどの人が庭にするのならば少しでも室内を広くしたいと考えます。庭の確保は難しいです。庭を屋上に求めることで、狭小地でも子どもの遊び場が確保できます。
また屋上は、建物の中で最も太陽に近い場所です。最近は在宅ワークをする人も増えてきました。在宅ワークの休憩で屋上にでると気分転換になります。広々とした場所でリフレッシュをしてから仕事をすれば、良いアイデアが生まれるかもしれません。
狭小地でスペースを確保したいのならばスカイバルコニーがおすすめです。
サービスバルコニー
サービスバルコニーは、サイズの小さいバルコニーのことを指します。バルコニーを利用して、外に出るのが目的ではありません。メインのバルコニーとは別に、サブのバルコニーとして設置をするケースがほとんどです。
ココがポイント
- 室内の採光や風通しがよくなる
- ゴミなどを一時的に出せる
- エアコンの室外機が置ける
2階をリビングに採用するケースでよく利用されます。リビングの風通しや採光を向上させるバルコニーです。キッチンででたゴミを一時的に保管できます。ちょっとしたものを保管するのに最適です。
また、エアコンの室外機を置く場所として採用されることもあります。戸建てなので、位置的に室外機がバルコニーに設置できなければ、長いホースで1階まで下ろすことも可能です。しかし、長いホースが外観のイメージを損ねます。イメージを大切にしたい場合は、サービスバルコニーを設置して対応するのがおすすめです。
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屋根なしバルコニーを設置するときのメリット
屋根なしバルコニーを設置するメリットを紹介します。
キャンプのような楽しみ方ができる
屋根なしバルコニーはキャンプのような楽しみ方ができます。仕事が忙しい人や、子どもが小さいとキャンプにでかけるのが難しいです。キャンプが趣味だった人は、スカイバルコニーにテントを張ることで気分が味わえます。
- バーベキュー
- 花火
- 星空の鑑賞
- ハンモック
広々とした屋根なしバルコニーならば、上記のような楽しみが味わえます。外でのバーベキューで面倒なのがトイレです。しかし屋上でバーベキューをするのですから、トイレも問題ありません。冷蔵庫で冷やした飲み物や食材を利用して、楽にバーベキューが楽しめます。
花火を楽しむことも可能です。子どもたちが花火で楽しんでいる姿を見ながらゆっくりとできます。簡易的にハンモックを設置できるスペースを確保すれば、癒しの効果も抜群です。ハンモックで寝ながらみる星空が、疲れた体を癒してくれます。
仕事が忙しい人は、土日くらい家でゆっくりしたいと思うはずです。しかしゆっくりするだけではリフレッシュができません。屋根なしバルコニーだからこそ、自宅で外にいる気分を味わえます。キャンプのような楽しみが得られるのは屋根なしバルコニーのメリットです。
リビングとは違う開放感が家にいながら得られる
屋根なしバルコニーは、室内のリビングとは違った開放感があります。広がる空を見ながら休むのは、室内のリビングではできません。使い分けることで、良質なリフレッシュが得られるのがメリットです。
ココがメリット
- リビングよりも季節感を感じられる
- 気分転換に最適
- 仕事や学校のつかれを忘れる
エアコンを利かしたリビングは快適です。しかし作られた快適さに、物足りなさを感じることもあります。夏に外へでれば暑いのは当然です。屋根なしバルコニーは、季節感を大切にした第二のリビングとして活用できます。
電化製品に囲まれた生活から開放されたいと思うことはありませんか。たまには外の屋根のない場所でゆったりと休みたくなることもあります。屋根なしバルコニーは、気分転換に最適なスペースです。
天気の良い日に屋根なしバルコニーで休むと、仕事や学校で疲れた体が癒せます。たとえ天気が悪い日でも、別な癒しが得られるのもポイントです。雨が降りそうな匂いを好む人もいます。自然を身近に感じられるのが屋根なしバルコニーのメリットです。
ガーデニングでバルコニーを華やかにできる
「戸建てを建てたらガーデニングを楽しみたい」と思っている人には、屋根なしバルコニーがおすすめです。狭小地で注文住宅を建てる場合でも、ガーデニングが楽しめます。緑に囲まれた生活が手に入るのはメリットです。
- 野菜
- ハーブ
- 盆栽
家庭菜園を楽しむのも楽しいです。スカイバルコニーで、いろいろな野菜を育ててみるのはいかがでしょうか。最近は自給自足の生活を楽しむ人も増えてきました。スカイバルコニーで野菜を栽培する人も多くいます。
2階リビングから緑を楽しみたい人は、ルーフバルコニーで育てるのがおすすめです。リビングでゆっくりしているときに、キレイな花が目に入れば癒しの効果が期待できます。盆栽が好きな人は、育てる場として最適です。
屋根なしバルコニーだからこそ、自然とのつながりができます。育てるのは子どもの教育にもちょうど良いです。子どもに水やりをお願いすることで、使命感や達成感を育てられます。狭小地でもガーデニングが楽しめるのは、屋根なしバルコニーのメリットです。
屋根なしバルコニーを設置するときの注意点
最後に、屋根なしバルコニーを設置するときの注意点を紹介します。
防犯に考慮して設置する
ベランダを利用して侵入窃盗をたくらむ犯人もいます。広々とした屋根なしバルコニーが、侵入経路として利用される事態を防がなければいけません。防犯に考慮した設置に注意が必要です。
ココに注意
- 建てる場所と間取りを見ながら侵入経路がないか想像する
- 窓ガラスを工夫する
- センサーライトを設置する
駐車中の車の屋根を利用してバルコニーに侵入する犯人もいます。バルコニーの位置から侵入しやすい経路がないかを確認しましょう。近所の物置から侵入できるなど、建ったときを想像しながら考えることが必要です。
また、ベランダのある窓ガラスの強化もしておきましょう。防犯ガラスやフィルムを貼るなどの工夫が必要です。補助錠をつけておくことで犯人が諦めるかもしれません。人感センサーライトをベランダに設置しておくのもおすすめです。
屋根なしバルコニーは侵入経路として使われる可能性があります。設置をする際は、防犯対策を講じてください。
使用用途を考えてから設置する
屋根なしバルコニーは、使用用途を考えてから設置をするべきです。使用をしないと屋根がないことから、どんどん汚れます。先ほど解説したメリットから、大きな魅力を感じなかった人は設置を避けるべきです。
狭い屋根なしバルコニーは、掃除が楽になります。しかしキャンプなどのメリットは得られません。逆に、キャンプなどができるだけの広さを求めると掃除が大変です。放置をすると、すぐに汚れます。
ルーフバルコニーだと目が届くので掃除を頻繁にすることでしょう。問題はスカイバルコニーです。掃除を怠ったスカイバルコニーは数カ月で汚れます。汚れているスカイバルコニーを見て、どんどん足を運ばなくなることでしょう。
使用用途を考えずに設置した屋根なしバルコニーは、将来的に「面倒な場所」として扱われる可能性が高いです。使わないのならば設置をしない方が家事を楽にします。「とりあえず設置しておこう」という考え方はおすすめできません。
位置や方角を考える
屋根なしバルコニーの魅力を活かすためにも、位置や方角をしっかりと検討しましょう。屋根なしバルコニーの設置を事前に担当者へ話しておきます。後付けをすると、魅力が薄れるかもしれません。
ココがポイント
- できれば南側がおすすめ
- 家事動線との兼ね合いを考える
屋根なしバルコニーを、布団や洗濯物を干す場所として活用するのならば南側がおすすめです。リビングに隣接された屋根なしバルコニーが、室内を長時間にわたり明るくしてくれます。昼間の照明を消せるのはメリットです。
また、家事動線との兼ね合いに注意をしましょう。洗濯物で利用する屋根なしバルコニーは、頻繁に出入りをします。家事動線を意識した場所への設置が必要です。
容積率の対象に注意
容積率とは、延床面積の敷地面積に対する割合のことです。注文住宅は、建築基準法で定められた容積率の範囲内で建てなければいけません。バルコニーが対象になると、建てる注文住宅の間取りに影響がでます。
屋根なしバルコニーは基本的に床面積へ算入されません。しかし次の内容に該当すると、含まれることもあるので注意をしましょう。
ココに注意
- 外壁から屋根なしバルコニーが2m以上突出している(2mを超えて部分を算入)
- インナーバルコニーは屋根があるので算入される
- バルコニーに格子を設置すると算入されるケースもある
屋根なしバルコニーでも、上記に該当すると容積率に含まれる可能性があります。事前に、注文住宅を建てる地方公共団体に確認をしておきましょう。担当が若いと見落とす可能性もあるので注意をしてください。
屋根なしバルコニーはメリットが共感できる人におすすめ
「屋根なしバルコニーってどう?」設置するメリットや注意点について解説をしました。屋根なしバルコニーの魅力の感じ方は個人差があります。用途が決まっており、頻繫に活用する人にはおすすめです。
頻繁に利用をしなければ、すぐに汚れがたまります。リビングに来客した友人が汚れた屋根なしバルコニーを見たときにどう思うでしょうか。良い印象は与えません。「掃除が面倒そう」と思える人は、一般的な広さのバルコニーをおすすめします。