「玄関の幅ってどのくらい必要なのかな?」と悩んでいる人はいませんか。家の間取りは建ててしまうと簡単には変更できません。完全自由設計で家を建てた人の中には、玄関幅に後悔をする人もいます。広すぎて無駄、狭すぎて不便といった後悔です。
玄関の幅で後悔をしないためにも、目安や決め方を知っておきましょう。今回の記事では次の内容について解説をします。
ココがポイント
- 玄関の幅や大きさの目安
- 玄関の幅や大きさの決め方
- 玄関の広さに関する失敗談
- 玄関を広く見せる方法
玄関の幅で後悔はしたくありません。玄関の失敗談や広く見せる方法を参考に、より良い玄関を目指しましょう。
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玄関の幅はどのくらい必要?
玄関の幅には1.2m以上が必要です。玄関で二人が横に並ぶ姿を想像してみましょう。幅が狭いと夫婦そろっての見送りができません。人間の体の幅は50cm程度です。余裕を持たせて1.2m以上の幅を玄関に持たせましょう。
ココがポイント
- 最低限必要な幅:1.2m
- 標準的な幅:1.35m以上
- 玄関幅の平均:1.2m~1.65m程度
玄関の幅が1.2m以上(収納幅を除く)あれば、夫婦と子供が並んでも違和感がありません。お客様を見送るときによく見られる風景です。ワンルーム賃貸での玄関幅は80cm程度が平均なので、二人が横並びに立てません。1人暮らしのワンルームならば十分な幅ですが、家族で住むには最低でも1.2m以上が必要になります。
玄関の大きさの目安や平均
玄関の大きさの目安は1.5畳~4畳程度です。同居する人数や延べ床面積によって変わります。玄関広さの平均は3畳程度です。玄関は主に次の3つで構成されています。
- 玄関たたき(土間)
- 玄関ホール
- 収納
玄関たたきとは靴を脱いだり履いたりするスペースです。上がり框(境目の段差)を挟んで玄関ホールがあります。玄関脇に設置するのが収納です。奥行きは玄関たたきだけで1.2m程度が必要になります。
ただ、玄関の幅を広げれば奥行きが短くなるのが一般的です。そのため、広さは2.7畳~3畳程度で考え、幅を決めてから奥行を決めましょう。幅が狭くなると、奥行きがあっても玄関は狭く見えます。平均的なのは、「たたき」「ホール」「収納」に、それぞれ1畳程度ずつ分けるイメージです。
玄関の幅や大きさの決め方
玄関幅の幅や広さは、次の点を考慮して決めるのが一般的です。
ココがポイント
- 家全体の広さ
- 同居人数
- ライフスタイル
詳しく解説をします。
家全体の広さ
玄関はお客様が最初に家の中に入るため必ずとおる場所です。玄関を見ることで、家の中をイメージする人も少なくありません。家全体の広さとバランスが悪ければ、どんなにキレイな住まいでも「あれ?」と思われることでしょう。家全体の広さとのバランスは重要です。
ココがポイント
- 33坪以下:2畳~3畳
- 40坪未満:3畳~4畳
- 40坪以上:4畳以上
上記は家の広さに対する玄関の目安です。広い玄関に対しリビングが狭かったらどうでしょうか。「もうちょっとリビングを広くすればいいのに」と思われることでしょう。来客した人は、バランスの悪さばかりを気にします。家全体の広さを考慮して決めるのは大切です。
同居人数
同居人数で玄関の幅や広さを決めるのも大切です。人数が増えれば、玄関に置く靴の数も増えます。たたきや収納を広くしなければ、見栄えを損なう可能性が高いです。十分な玄関幅と広さを確保しましょう。目安は次のとおりです。
目安
- 2人:広さ1.5畳程度、横幅1.2m程度
- 3~5人:広さ3畳程度、横幅1.6m程度
- 6人以上:広さ4畳程度、横幅1.65m以上
玄関を共有するタイプの二世帯だと、大人の人数が増えます。外出の目的ごとに靴を替える場合は、それだけ保管場所が必要です。傘の本数も気にしなければいけません。子供も大きくなれば、多くの靴を購入します。玄関の幅や広さは、将来を見据えて決めることも大切です。
ライフスタイルや趣味
ライフスタイルによって、玄関の幅や大きさを変更しましょう。「たたき」「ホール」「収納」の割合を変更するのもおすすめです。ホールを小さくし、収納場所を増やすといった工夫をします。
工夫のポイント
- 保管する道具が多いスポーツをしている
- アウトドアの趣味が多い
- 靴を集めるのが好き
ライフスタイルや趣味により、玄関に置く靴の種類が多いと予想できる人は、収納を広くしましょう。玄関はお客様の目に触れやすい場所です。整理整頓ができるだけの幅や大きさを確保してください。
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広い玄関のメリットとデメリット
玄関の幅の決め方を紹介しましたが、必ずしもそのとおりにする必要はありません。「どうしても幅が広く大きい玄関がいい!」とこだわりを持つ人もいることでしょう。こだわりが強い人は、広い玄関のメリットとデメリットを確認しておくことが大切です。
広い玄関のメリット
広い玄関のメリットは次のとおりです。
広い玄関のメリット
- 解放感
- 玄関での身支度に余裕ができる
- 小さい子供がいる家庭は重宝される
- 外で利用するものの保管
- 年老いたときに楽
玄関が広いと初めて見た人は思わず「わぁ〜」と言いながらあたりを見渡すことでしょう。入ったとたんの解放感に、自然と声が出てしまう状況です。家主としては嬉しい瞬間ではないでしょうか。
解放感のある大きさは、身支度にも余裕ができます。急に雨が降り、びしょ濡れで帰宅をしても室内を汚すことなく玄関で処理が可能です。小さい子供は靴を履くのも大変、しかし大きな玄関なら手助けするスペースがあります。ベビーカーが置けるのもメリットです。
また、傘やアウトドア用具の保管も十分にできます。年をとったらバリアフリーにするのも簡単です。車いすが必要になった場合でも、広い玄関ならば安全にゆっくりと作業ができます。
広い玄関のデメリット
広い玄関のデメリットは次のとおりです。
デメリット
- 施工費が高い
- 冬場は寒くなりやすい
- 玄関にスペースがとられる
広い玄関にすれば施工費が高くなります。広い玄関をさっぷうけいにしたら、来客した人に与えるイメージが良くありません。広くて暗い玄関を想像してみましょう。運気が下がるような印象を受けます。お金をかけ、広い玄関にあった装飾を施すべきです。施工費も高額になります。
広くすることで暖まりにくいのもデメリットです。玄関ホールに区切りがあると、玄関が独立します。全館床暖房など家中を暖める器具を備えてなければ、玄関の寒さは耐えられません。玄関ドアも断熱性能の高いものを採用するので、さらに費用が上がります。
また、玄関にスペースがとられることで、他の部屋が狭くなるのもデメリットです。土地に余裕があれば問題ありませんが、延べ床面積にあった広さ以上の玄関にすると別の場所にしわ寄せがいき、リビングなどが狭くなります。
玄関の幅や大きさに関する失敗談
実際に注文住宅を建てた人で、玄関の幅や大きさに後悔している人のリアルな口コミを集めました。玄関に、平均や目安からかけ離れた大きさを求めている人にとって参考になる話しばかりです。
広すぎる玄関に後悔
実家の広い玄関が好きで、家を建てるなら玄関はケチりたくないと考えていました。玄関は来客時に見られる場所です。実家にくるお客さんが褒める「立派な玄関」という言葉が大好きでした。しかし見えを張っただけなのかもしれません。玄関を広げるために、リビングを狭くしたのですが、住み始めてから普段いるスペースを狭くすることの無意味さに気がつきます。玄関でゆったりするわけではありません。玄関の広さを間違えたのが最大の後悔です。
広すぎる玄関に後悔をする人のリアルな声です。広いと何でもできそうに感じますが、他を圧迫したら意味がありません。幅や広さを求めている人は、「なんでその大きさが良いのか」をもう一度考えてみましょう。
狭い玄関で収納が足りず後悔
広い浴室を確保するため玄関を狭くしたのですが失敗でした。子供が増えベビーカーが置けません。「3人家族ならこれくらいでいいでしょ」と思っていたら、家族が増え玄関の狭さに困っています。上の子は少年野球を始めました。野球道具は室内に運ばせていたのですが、泥をはたかないので室内が汚れます。でも玄関に置くスペースがありません。玄関に置くと、下の子の準備をするときに邪魔です。玄関ホールに板を置き野球道具はそこに置かせるようにしましたが、見るたびに「なんで収納を増やさなかったんだろう」と思ってしまいます。
玄関の収納が足りず後悔をする人の声は多く見られます。平均や目安よりも狭くすると、ライフスタイルの変化に対応できません。玄関幅に余裕を持たせる必要はありませんが、最低限の広さは確保しておくべきです。
玄関を広く見せる方法
実際よりも玄関を広く見せる工夫をするのもおすすめです。広く見せる工夫で、気分良く玄関を利用しましょう。
奥行よりも幅を広くする
玄関の幅を広くすると、同じ面積の縦長より広く見えます。たたきは正方形ではなく横長の長方形にしましょう。ただし、幅を広くし過ぎて奥行きが無くなるのも不便です。割合も考え、違和感のない大きさを検討しましょう。
収納をつかって整理整頓
整理整頓できている玄関は広く見えます。収納を設置して、玄関が靴で溢れないようにしておきましょう。1人が4〜5足の靴を所有していたとします。4人家族なら玄関に最低でも16足の靴が保管されるのです。
女性は男性よりも靴の所有数が多い傾向があり、10足程度所有する人もいます。暮らす人数が増えれば増えるほど広い収納が必要です。また玄関に置くのは靴だけではありません。
玄関に置くもの
- 雨具
- 日傘
- 頻繁に外で利用するもの
上記を上手に収納すれば、たたきにスペースが生まれます。想像してみてください。物でたたきが半分以上見えない玄関と4分の3以上が見える玄関、同じ広さであってもたたきの床が見えるほうが広く感じます。
収納を設置すると玄関が狭くなると考える人もいますが、物を隠すことで見た目の広さが得られるのです。立体的に靴を収納できる下駄箱は、住む人の人数で判断しましょう。ちょっとだけ余裕を持たせておくのがおすすめです。
採光と風を取り入れる
広く見せるために玄関へ採光と風を取り入れましょう。明るい場所は広く見えます。採光を取り入れることで、広く見せる工夫です。また風を取り入れることで、モヤっとした玄関になるのを防ぎます。モヤっとした雰囲気が玄関を狭いイメージにするのです。
ポイント
- 吹き抜け
- 窓
- ガラスブロック
玄関に十分なスペースが確保できない場合は、上記のいずれかを採用しましょう。窓やガラスブロックがあると採光が入りやすいです。吹き抜けと窓の組み合わせで玄関を明るくすると印象がかわります。
また、風のとおりを考えて窓を設置することで、湿気や結露の発生を抑えましょう。カビを防ぐことも大切です。汚れは玄関を狭いイメージにかえます。カビのニオイと汚れが目立つ玄関にしてはいけません。明るく風通しを良くすることで、実際の広さ以上の玄関にします。
照明を2つ設置する
広い玄関に照明がひとつだと、見た目が狭くなります。せっかくの大きい玄関が台無しです。広い玄関を採用した場合は、中央にひとつの照明を設置するのではなく、たたきと玄関ホールにそれぞれ設置をしましょう。
照明を2つ設置すると、足元の影も防げます。影ができると足元が暗くなり靴が履きにくいです。玄関でかがんだ時、足元が暗くて見にくいとイライラします。若いうちは感じないかもしれませんが、年を取ると気になることでしょう。
両方に立派な照明を設置する必要はありません。ダウンライトなど、簡単な照明でも2つ設置すれば玄関が十分に明るくなります。明るくすることで、広い玄関にする方法です。
玄関ホールを広くする
玄関に十分な広さを確保できない人は、奥行きのある玄関ホールにして広いイメージを与えましょう。幅の狭い玄関の場合、目の前に壁やドアがあるとさらに狭く見えてしまいます。目の前を抜かすことで広い玄関にする方法です。
玄関の前に廊下や階段を設置します。廊下の奥には窓も設置しましょう。採光が入り、風が通り抜ければ玄関の印象が良くなります。玄関に十分な大きさがあれば閉鎖的な場所にしても問題はありません。確保できない場合は、区切りを少なくすることで見た目の広さを手に入れましょう。
玄関ドアの幅はどのくらい必要?
玄関ドアの幅の平均は78cm~87cm程度です。玄関ドア幅に余裕が欲しい場合は、90cm程度まで広げましょう。広げる場合は親子ドアや袖付きタイプを採用します。親子ドアを採用すれば、最大で120cm近くまでの確保が可能です。
ただし、玄関スペースに合わない玄関ドアを選ぶと違和感がでるので注意をしましょう。玄関ドアの幅は広い方が便利ですが、入ったとたん玄関が狭いと期待外れ感がでます。逆に広い玄関に幅が狭い玄関ドアを選ぶと解放感が減り魅力が台無しです。
玄関幅と玄関ドアの幅は、違和感を与えないものを選ぶようにしましょう。玄関ドアの幅も玄関の印象を左右します。
幅や大きさに注意して後悔しない玄関にしよう
「玄関の幅はどのくらい必要?平均や玄関の大きさの目安や決め方」について解説をしました。玄関の幅や大きさは目安から離れないことが大切です。狭すぎても広すぎても後悔をします。
また、玄関収納の確保も重要です。急に来客した人を玄関で相手するとき、たたきが靴で溢れていたらどうでしょうか。相手に良いイメージを与えません。玄関収納の確保は気持ちの良い玄関を維持するためにも重要です。
採光と風を取り入れることで、気持ちの良い玄関にしましょう。もちろん玄関の幅や大きさにも注意が必要です。