リビングとダイニングを仕切るかどうかは、注文住宅の間取りで悩む項目のひとつです。理想のリビングを実現するためにもこだわらなければいけません。
しかし夫婦が違う希望を持つこともあります。理想も大切ですが、自分たち家族にとって住みやすい間取りが一番です。リビングとダイニングを分けるかどうかで悩まれている人は、メリットや注意点を踏まえたうえで決断をしましょう。
そこで今回は「リビングとダイニングを分ける|仕切るメリットと注意点」を解説します。よりよいリビングダイニングキッチンにするための参考にしてください。
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リビングとダイニングの役割と分ける意味
最初にリビングとダイニングの役割を再確認しておきましょう。
リビングの役割
リビングの主な役割は「くつろぎの場」です。「居間」や「お茶の間」がリビングにあたります。ダイニングよりも開放的なイメージが持てる場なので、来客時のお客様はリビングでもてなすのが一般的です。小さい子どもが遊びに来たときもリビングで遊ばせます。
一般的な用途は次のとおりです。
- 家族みんながある集まれる場所
- 家族がみんなで遊べる場所
- 読書やテレビ鑑賞など、各々がリフレッシュできる空間
忙しい毎日の中、リビングでゆったりとした時間を得られるのは理想です。子どもと会話の機会を持つなど、コミュニケーションの場としても活用ができます。リビングには主に次の家具家電を配置するのが一般的です。
- ソファ
- 大型テレビ
- テーブル
最近は自宅でカラオケをする機会が増えました。ゆったりとしたリビングで子どもたちとカラオケができたら最高です。家族が自然と集まり、くつろぎたいと思える場所にしたいといった理想を持つ人が多くいます。
ダイニングの役割
ダイニングの主な役割は「食事室」です。飲食店の名称でも「ダイニング」を利用するお店があります。家族がそろって食事をとるスペースをダイニングと呼ぶのが一般的です。リビングよりもプライベート感が強く、第三者を招きたいとは思いません。理由は次のとおりです。
理由
- キッチンが近いので見られるのが嫌
- 調味料が置いてあるなど生活感が見られるのは恥ずかしい
- 家族が食事をとる空間に第三者が入るのは嫌
家族が座る位置が決められていることから、第三者の利用に抵抗感を抱きます。リビングがない間取りならば仕方がありませんが、あるにも関わらず食事以外でダイニングに招く機会はなかなかありません。
リビングとダイニングを分けるとは?
リビングとダイニングを分けることで使用用途が明確になります。ポイントはテーブルです。壁のない同じ空間でも、「ダイニングテーブル(カウンターを含む)」と「リビングテーブル」が置かれていれば明確に仕切られています。
逆にテーブルがひとつしかなければ使用用途が統一された空間です。リビングとダイニング、両方の役割を担っています。子どもの友達が遊びにきたときも、家族が食事をする場所も同じです。
壁で仕切るから別というわけではありません。使用用途が明確に別れている状況が、リビングとダイニングを分ける状態です。明確に分かれている状況はテーブルの数で判断をします。
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リビングとダイニングを分ける|仕切るメリットとは?
それでは、リビングとダイニングを分けるメリットを紹介します。
家事動線が向上する
ダイニングのみの場合、テーブルをキッチンのすぐそばに設置したいとは思いません。リビングの役割も担うので、騒がしさを抑えるためにも離れたいと考えます。くつろぎの場としても活用するためには、騒がしいキッチンから少し離れたいと考えるのが一般的です。
ダイニングがキッチンの近くになることで次のメリットが生まれます。
ココがメリット
- 動線が短いので準備と片付けが楽になる
- 調理中でもダイニングテーブルで勉強をしている子どもの様子がわかる
- キッチンが狭い場合は調理中にダイニングテーブルを活用できる
カウンターを採用している場合は、準備と片付けが楽です。朝の忙しい時間帯もスムーズに家事が進みます。使い終わった食器をすぐに運べる間取りです。学校での出来事を聞きながら調理をすれば、子どもの様子がわかります。
リビングとダイニングを分ける場合、キッチンのそばに設置するのはダイニングテーブルです。近くなるほど家事動線が向上します。家族全員でゆっくり食事をしたいときは、家事動線を気にせずリビングを利用しましょう。使い分けも大きなメリットです。
調理中の音や匂いがリビングに届きにくい
リビングとダイニングを分けると、キッチンから生じる音や匂いが届きにくくなります。リビングがより快適な空間になるのがメリットです。ただ広さによってはリビングもキッチンに近くなります。
近くなると、大きなメリットを感じません。広い土地で、ダイニングの奥にリビングを設置できるのならば距離ができます。キッチンとリビングに距離ができるほど、調理中の音や匂いがリビングに届きません。
食事に集中できる
リビングとダイニングが一緒だと、子どもにとっては遊びの場でもあります。分けることで、遊びの場という認識がなくなるのがポイントです。食事に集中することで、行動にメリハリが生まれます。
テレビをつけながらの食事を禁止している人はいませんか。もし禁止されているのならば、リビングとダイニングを分けるのはメリットです。ダイニングテーブルから見える位置にテレビを設置しなければ、見ながらの食事はできません。
家族との会話を楽しみたいと考えている人は、食事をしながら学校の出来事が聴けます。食事中の会話は子どもの異変に気が付きやすい場面です。異変に気が付くことで、子どもの成長を見守れます。
食事の風景は親次第です。ただ、遊び場の認識が子どもの落ち着きを失くします。食べている時も、そばにあるおもちゃで早く遊びたいと考えるのです。食事中の会話よりも遊びたいと思い始めます。食事に集中できるのはメリットです。
リビングがくつろげる場になりやすい
リビングとダイニングを分けると、くつろげる空間がつくりやすいです。メリハリをつけることで、食事とくつろぎをハッキリと分けられます。
ココがメリット
- ダイニングテーブルを片づければリビングでゆっくりできる
- キッチンからリビングを離すことで家事を忘れられる
- 食事の延長にならない
「ダイニングテーブルを片づけたら今日の家事は終了」と思えれば、リビングがくつろぎの場になりやすいと思いませんか。食事をしながら会話を続けることで、いつまでも片付きません。リビングに移ることで、家事にメリハリができます。
キッチンとリビングを離すことで、家事をしている人が気になりません。夕飯の片づけを順番制にすれば、日替わりでゆっくりと休める場が生まれます。片づけは一緒にやるというルールも理想です。早く片付けを終わらせることで、リビングでゆっくりとできます。
一定の条件を満たすことで優遇などが受けられます
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リビングとダイニングを分ける|仕切る際の注意点
最後にリビングとダイニングを仕切る際の注意点を解説します。
広さが十分でないと狭くなる
リビングとダイニングを一緒にするメリットはスペースの節約です。分ける場合は広さが必要になります。リビングダイニングキッチンに十分な広さが確保できなければ、開放感が得られません。仕切ることで狭くなります。
ココに注意
- ダイニングテーブルとリビングテーブルの2つを設置するスペース
- 椅子とソファを設置するスペース
- 人が動けるだけでのスペース
賃貸の広告表示にはルールがあります。居室が2部屋以上ある場合で2LDKと紹介できる条件は、リビングダイニングキッチンに10帖以上が必要です。6帖~10帖未満は2DKと紹介をします。
1LDKの場合は8帖以上がルールです。想定される住む人の人数によって賃貸でも表記が変わります。注文住宅も同じです。広さが確保できない土地でリビングを無理やり設置したら、動線の確保ができなくなります。たとえリビングを設置できたとしても、メリットは得られません。
「土地は狭いがどうしてもリビングの設置をしたい」と思われる人は、「居室を減らす」「3階建てにする」などの工夫が必要です。そこまでして本当にリビングとダイニングを分けるべきなのかを考えなければ後悔します。広さが十分でない場合は注意をしましょう。
本当に分けるべきかを考える
本当に分けるべきかを最初に考えておきましょう。リビングとダイニングを分けるのが主流になっています。しかし、必ずしも分ける必要はありません。住む人によっては、一緒のメリットが勝ります。
例えば子育てが終了し、子どもたちが独立した夫婦です。テーブルを2つ設けることで掃除も大変、移動の手間も発生します。仕切ることに大きなメリットを感じないことでしょう。無理に分ける必要はありません。
仕切り方によっては開放感が損なわれます。分けずに居室を増やした方が便利な間取りになるかもしれません。分けるのが主流だからではなく、本当に意味があるかを考えるのがおすすめです。
分ける目的を考えてから仕切る方法を決める
主に、4種類の仕切る方法があります。分ける目的を考えてから仕切る方法を決めましょう。仕切る方法とメリットを紹介します。
リビングとダイニングの仕切り方1:段差
リビングとダイニングの間に段差を付けて仕切ります。メリットは次のとおりです。
ココがメリット
- おしゃれな雰囲気が演出しやすい
- 開放感が維持できる
- もともとある土地の段差を利用できる
段差を変えるだけなので、空間の開放感は変わりません。少しの段差が住まいをおしゃれにします。ただ「掃除が面倒」「子どもやお年寄りの転倒に注意」など、デメリットもある仕切り方なので注意をしてください。
リビングとダイニングの仕切り方2:デザイン
リビングとダイニングの床材を変更し、デザインの違いで仕切る方法もあります。メリットは次のとおりです。
ココがメリット
- おしゃれな雰囲気が演出しやすい
- 開放感が維持できる
- 素材を変えることで用途に合わせられる
ダイニングとキッチンの床は同じ素材にします。拭き掃除のしやすいタイルにすることで、調理中の汚れを落とすのも簡単です。リビングの床は優しいフローリングを採用します。小さい子どもが転んでも大きなケガをしません。
視覚で仕切る方法です。おしゃれな雰囲気を出しながらも、開放感が維持できます。ただ素材をふやすので、費用があがることに注意をしましょう。費用面が気になる人は、リビングにラグを引くだけでも仕切りができます。
リビングとダイニングの仕切り方3:家具
大きな家具を利用してリビングとダイニングを仕切ります。メリットは次のとおりです。
ココがメリット
- レイアウトの変更がしやすい
- 家族構成の変更に合わせることができる
- 仕切りに利用する家具によってデザインが変わる
レイアウトの変更がしやすいのがメリットです。子どもが成長しリビングを広げたいと思えば、家具を移動させるだけで変更ができます。デザイン性の高い家具を仕切りに利用すれば、部屋のイメージが変わるのもポイントです。
ただ、家具を置くことで圧迫感が生まれます。大きなソファを仕切りに利用すると、間取りが狭くなることでしょう。高さのある収納だと、地震発生時の転倒が気になります。自由度の高い方法ですが対策も必要です。
リビングとダイニングの仕切り方4:扉
引き戸の扉を採用することで、リビングとダイニングを仕切ります。メリットは次のとおりです。
ココがメリット
- 来客時は扉を閉めることでキッチンが隠せる
- キッチンで生じる匂いや音を防げる
- 普段は開けておくことで解放感が維持できる
見た目だけでなく実際に仕切る方法です。来客が多くキッチンやダイニングなど、生活感のある場を見せたくない人にメリットがあります。扉を閉めることで、匂いが充満しないのもメリットです。
リビングが不要になれば、居室としての利用ができます。扉が、使用用途を増やす方法です。ただ扉を設置するための壁が必要になるので、開放感は損なわれます。追加工事なので、費用面も問題です。
リビングとダイニングを分ける|仕切るメリットと注意点:まとめ
「リビングとダイニングを分ける|仕切るメリットと注意点」について解説をしました。子育て中の世帯で広さが十分にある土地ならば、リビングとダイニングを分けるのにメリットがあります。
まずは、新しい家でどのような生活を望んでいるかを検討しましょう。分ける方のメリットが高いと判断できれば、仕切る方法を考えます。決めかねている人は、後から変更のできる仕切り方を採用しましょう。