子育て世代の場合は、子どもの教育についても考えなければいけません。仕事や家事に追われる毎日だからと言って、子育てをおろそかにすれば後悔をします。子育てと仕事や家事の両立ができる間取りが理想です。
用意できる予算や土地の広さは個人によって異なります。まずは5人家族におすすめの間取りを確認してから、自分たち家族に採用すべきか検討をしましょう。
そこで今回は「5人家族におすすめの間取りは?」を解説します。子育て世代の工夫の仕方や注意点も紹介をするので参考にしてください。
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5人家族の間取りでおすすめは?
夫婦2人と子供3人の5人家族によく採用される間取りは4LDKです。土地の広さや予算に余裕がある人は、5LDKを検討しましょう。まずは5人家族に必要な土地の広さを紹介します。
5人家族に必要な土地の広さ
国土交通省が作成した「住生活基本計画における居住面積水準」では、次のような計算方法を紹介しています。
- 一般型誘導居住面積水準(郊外や都市部以外):25㎡×5人(世帯人数)+25㎡=150㎡(約45坪)
- 都市居住型誘導居住面積水準:2 0㎡×5人(世帯人数)+15㎡=115㎡(約35坪)
- 最低居住面積水準:10㎡×5人(世帯人数)+10㎡=60㎡(約18坪)
5人家族に必要な最低限の広さは60㎡以上です。豊かな住生活の実現を求めるのならば115㎡が必要になります。ただ子どもの年齢によって人さの求め方は異なるので注意をしましょう。
チェックポイント
- 3歳未満:0.25人
- 3歳以上6歳未満:0.5 人
- 6歳以上10歳未満:0.75 人
賃貸ならば子どもの成長に合わせて引っ越しができます。しかし家を建てるとなると、将来を見据えなければいけません。最低でも60㎡以上の確保が必要です。
土地の購入から検討をしている人は、115㎡以上の延べ床面積が確保できる土地を検討しましょう。広さの確保が難しい場合は3階建てをおすすめします。
5人家族の間取りでおすすめは4LDK
5人家族の間取りでおすすめなのが4LDKです。4つの個室とリビングダイニングキッチンを設置します。4LDKで一般的に必要な占有面積は80~100㎡です。4つの個室は「夫婦の寝室」と「3人の子供部屋」として利用します。
子どもが小学校に入学する前など、まだ部屋を与える年齢でない場合は次の活用がおすすめです。
- 書斎
- 物置
- 子どもの遊び部屋
子どもが一緒に寝るのをためらい始めてから子供部屋に変更をします。ただし、いずれは子供部屋になることを踏まえて利用しましょう。親が趣味などに部屋を活用した結果、「子供部屋にしたくない」とためらう人もいます。
後悔するポイント
- 漫画を購入し過ぎた
- フィギュアを購入し過ぎた
一番下の子が1歳だと、子供部屋が必要になるまで5年以上の月日があります。上記を親が購入したことで、部屋を手放したくなくなるのです。子どもが小さい世帯は、いずれは子供部屋になることを忘れてはいけません。
上記のことに注意をすれば、4LDKは5人家族に適した間取りです。
5人家族で3LDKは狭い?
3LDKでも大丈夫ですが、子ども1人につき1部屋を与えられないのが問題です。子どもは、大人以上にプライベート空間が必要と言われる時代になりました。オンライン学習やスマホ所持の低年齢化が理由です。プライベート空間がないと、学校生活に支障をきたすかもしれません。
年齢が離れている5人家族ならば大丈夫です。上の子が独立したあとに下の子へ部屋を与えます。上の子が中学生のときに3人目が生まれたぐらいの開きがあるのならば、3LDKでも問題はありません。
5LDKならば余裕がもてる
5人家族で5LDKならば生活に余裕がもてます。5LDKに必要とされる一般的な土地の広さは100㎡以上です。土地と費用に余裕があるのならば5LDKを検討しましょう。5つ目の個室は魅力です。
- リビング横の和室
- 趣味の部屋
- 夫婦別室
子どもが小さい子育て世代には、リビング横の和室がおすすめです。子どものオムツを替える場所や遊び場として活用ができます。趣味や書斎に活用するのもおすすめです。毎日の疲れを癒せるプライベート空間として活用ができます。
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子育て世代の間取りの工夫
3人の子供を育てるのは大変です。朝は3人の子どもを一斉に送り出さなければいけません。間取りに工夫を加えることも大切です。
屋根裏収納を採用して子供部屋を必要最低限にする
土地の広さや費用が心細い場合は屋根裏収納がおすすめです。屋根と天井の間に生まれる空間を収納に活用します。「普段は利用をしない物がたくさんある」と悩まれている人はいませんか。5人家族だと思い出の品などで物が溢れます。収納の充実が必要です。
屋根裏収納は容積率や固定資産税に含まれません。費用を抑えながら大収納が手に入る間取りです。普段は利用をしないものを屋根裏収納にしまうことで、子供部屋の収納を小さくできます。
子どもに必要なのは部屋の広さではなくプライベート空間です。広さを充実させると、子供部屋から出なくなります。子供部屋を居心地の良い場所にする必要はないのです。おすすめの子供部屋を紹介します。
- 広さは4.5帖
- 小さめの収納
- 勉強机とベッドを置くスペース
テレビやゲームを置くと子どもは部屋から出てきません。食事後にすぐ自分の部屋へ引きこもります。家族との時間を大切にできないのは問題です。
普段は利用しない物を屋根裏収納にしまうことで子供部屋を必要最低限の広さにします。狭い空間を、有効に活用する工夫を子どもに芽生えさせる広さです。子どもが独立したとき、すべてがそろった部屋に住めるとは限りません。必要最低限の部屋に慣れておくのも必要です。
オープンキッチンで調理中も子どもを見守る
オープンキッチンは、リビングやダイニングを壁で遮らないキッチンです。調理中でも周りが見渡せます。壁を減らすことから、開放感が得られるなどのメリットがあるキッチンです。子育て世代には次のメリットがあります。
メリット
- 遊んでいる子どもを見守りながら調理ができる
- ダイニングで勉強をする子とコミュニケーションが取れる
- 開放的なキッチンなので家事動線が向上しやすい
子育てに必要なのは子どもとの時間です。子どもと時間を共有することで異変を感じ取ります。子どもは親に迷惑をかけたくない一心から隠し事をするかもしれません。普段から忙しい姿を見せ続けている家族にありがちな問題です。
子どもが3人いると、誰かしらが何かしらの問題を抱えます。大切なのは、子どもの悩みに寄り添うことです。悩みを打ち明けやすい場の提供は必要不可欠と言えます。「調理中は話ができる」と、子どもに思わせることで安心が生じるのです。
オープンキッチンの間取りが、子どもの声に耳を傾ける時間をつくります。3人の子どもに分け隔てのない愛情を注ぐためにも必要な工夫です。
玄関の収納を充実させる
5人家族の玄関はもので溢れます。玄関収納を充実させることで、キレイな玄関を心がけましょう。
年齢や個人差もありますが、1人あたりの靴の所持数は6足~10足です。6足としても5人家族になると30足の靴が玄関に置かれます。収納を充実させなければ足の踏み場がなくなる数です。他にも玄関にはいろいろなものを置きます。
- ベビーカー
- 傘
- 外での遊び道具
- 野外での趣味に利用する道具
5人家族だと最低でも傘は5本必要です。下の子はサッカー、上の子は野球など異なるスポーツを始めるかもしれません。汚れた道具を家の中に持ち込ませないためにも、玄関収納は広さが必要です。
広さに余裕があるのならばウォークスルータイプのシューズクロークをおすすめします。子どもが大きくなると重宝する収納です。3帖程度の広さを確保できると将来も安心できます。
子育てに合わせた可変性のある間取り
広さの都合上3LDKが限界の場合は、可変性の間取りがおすすめです。可変性が子どもの年齢に合わせた間取りを実現します。受験などを考えると1人1部屋が必要です。難しい場合は、広い部屋を区切る方法でプライベート空間をつくりましょう。区切るときは次のものが採用できます。
- 可動式収納
- パーティション
- カーテン
子どもの年齢が近いと常に誰かが受験勉強をします。高校受験と大学受験が重なるかもしれません。勉強のできる環境を提供するのは親の務めです。しかし3LDKでは部屋の数に限界があります。そのため一部屋を広くすることで、分けることもできる状態にしておくのが理想です。
子どもが小学生の頃は同じ部屋で時間を共有します。プライベート空間が必要な年齢になったときは部屋を区切りましょう。簡易的に3LDKを4LDKへ変更します。可変性のある間取りを、注文住宅メーカーの担当者に相談するのがおすすめです。
トイレは2つ備える
5人家族で住む場合は、間取りにトイレを2つ設置しましょう。平屋で建てる場合も、トイレが2つあると便利です。朝の忙しい時間にトイレ渋滞が起きるとイライラします。朝からイライラしないための工夫です。
2階建ての場合は、各階ごとにトイレを設置します。2階が寝室で1階にトイレがある場合は不便です。5人がそれぞれ夜中に1回トイレを利用したと考えてみましょう。階段を上り下りする音が気になると思いませんか。静かな夜を確保するためにも各階のトイレは必要です。
洗面所と脱衣所を分ける
5人家族は住む人数が多いことから、脱衣所と洗面所を分ける工夫がおすすめです。入浴中に洗面所が利用できないのは混雑につながります。夫が朝のシャワーを浴びているときに娘が洗面所を利用できないなど、住む人数が増えることで不便が生じるかもしれません。
子どもがお年頃になると洗面所を頻繁に利用します。脱衣所が一緒だと、洗面所が混雑することでしょう。子どもの年齢差が狭く、全員が中学生以上になると、洗面所を長時間利用するようになります。少しでも混雑を緩和するためにも、脱衣所と洗面所を壁で区切るなどの工夫が必要です。
5人家族の間取りを考える時の注意点
最後に5人家族の間取りを考えるときの注意点を紹介します。
自分の住んでいた間取りを中心に考えない
自分が子どもの頃の常識を当てはめようとすると失敗をします。昔と今の状況はだいぶ変わってきました。「自分の頃はこうだった」という思いを強く抱く人は注意しましょう。子どもが大きいのならば意見を聞くことも大切です。
子どもの環境は20年前とだいぶ変わっています。
考慮する点
- オンライン学習の増加
- 小学生でもスマホを持つ時代になった
自分が子どもの頃には考えられません。電話を子どもが持ち歩いている時代です。昔の考え方が大切なこともありますが、通用しない場面も増えてきました。「同性なら同じ部屋でもいいでしょ」と安易に考える人もいますが嫌がる子どもが増えています。
「親が我慢をするのか」といった声も聞こえてきそうですが、子どもの負担を減らした考え方が必要です。親のプライベートも充実させたいかもしれませんが、4LDKならば3人の子どもの部屋を優先しましょう。
どうしてもプライベート空間がほしい人は、寝室に大きなウォークインクローゼットを2つ設置するなどの工夫はいかがでしょうか。子どもに我慢させるのではなく、親の妥協が必要な時代です。
柔軟に対応できる間取りにする
5人家族の間取りは柔軟な対応が必要です。子育てに正解はありません。プロセスよりも結果が問われる時代になりました。子どもの性格や学校での状況に合わせた柔軟な対応が必要です。
子どもたちが小さいと、小学校低学年ぐらいまでは一緒の部屋を希望する可能性があります。年齢が上がる、もしくは友達の状況により1人1部屋の希望を求めるかもしれません。求められたときに応えられる間取りの対応力が必要です。
まとめ
「5人家族の間取りでおすすめは?子育て世代の工夫の仕方も紹介!」を解説しました。要点をまとめます。
- 115㎡(約35坪)が確保できると余裕の持てる間取りが実現する
- 5人家族におすすめの間取りは4LDK
- 土地の広さや費用に余裕があるのならば5LDKを検討
- 子どもを見守る、朝は混雑を緩和させるといった間取りの工夫が必要
- 自分の子ども時代の経験を活かすのではなく柔軟な間取りが有効
都心部で狭小住宅を建てるのならば3階建てがおすすめです。延べ床面積を増やすことで4LDKの住まいをかなえます。
オンライン学習が増えたのと同時に在宅ワークも増えてきました。今後も在宅ワークが増える可能性があります。在宅ワークが増えると4LDKでは足りないかもしれません。在宅ワークが主流になりそうな仕事をしている人は5LDKの検討が必要です。