やばいハウスメーカーで建てたくないと思うのは当然です。しかしやばいハウスメーカーをどのように見分ければ良いのでしょうか。多くの人は「高い=安心」をイメージします。ならば「安い=不安」なのでしょうか。
必ずしも不安があるとは言い切れません。「安い=不安」が成り立つのならば、100円ショップが日本で飛躍することはなかったことでしょう。「住宅と一緒にできない」という声が聞こえてきそうですが、必ずしもローコストがやばいわけではない証明のひとつです。
ただ、残念ながら「やばいハウスメーカー」は存在します。しかもローコストを手掛けるハウスメーカーに多いのです。無理してでも建てたいと考えている人には、つけ入る隙があるのかもしれません。
そこで今回は「やばいハウスメーカーの見分け方?ローコストで建てるときの注意点」を解説します。ハウスメーカーを選ぶ際の参考にしてください。
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やばいハウスメーカーの見分け方
最初にやばいハウスメーカーの見分け方を解説します。ハウスメーカーを選ぶ時の参考にしてください。
ハウスメーカーの経営状況で見分ける
やばいハウスメーカーを見分けるには、経営状況の確認が必須です。経営状況が破綻寸前だと経営者は無理をします。
ココに注意
- 社員にお客様のためでなく会社の存続のため仕事をさせる
- 無理に利益を出そうとして管理体制が甘くなる
- 不正を働く隙が生まれる
家は建ってしまうと、なかなか不正に気が付けません。質の悪い素材を利用されても隠れてしまえば気が付けないのです。会社は利益率を上げるため、請求金額を変えないまま支出を抑えます。性能の悪い住まいが建つのです。
経営状況を見分けるには、「建築業情報管理センター」を活用してください。建築業情報管理センターは、建設業の健全な発達の促進を図ることを目的につくられた組織です。経営事項審査結果の公表により、経営状況の確認ができます。
建築業情報管理センターのホームページ(http://www.ciic.or.jp/)で「経審結果の公表」から「商号名称検索」を利用してください。企業名と大臣知事区分を選択し検索をすると「経営規模等評価結果通知書」が表示されます。
経営規模等評価結果通知書により経営状況を確認しましょう。
確認
- 自己資本比率:70%以上は理想企業、40%以上は倒産しにくい企業
- 総資本売上総利益率:一般的な水準は5%、10%以上は優良企業
- 営業キャッシュフロー:プラス数値ならば好調
上記の数値が納得できる数値であれば安心して任せられます。経営がやばいハウスメーカーは、自社の利益しか考えれません。経営状況を確認することで、コストパフォーマンスに優れたハウスメーカーを選出します。
ハウスメーカーの将来性で見分ける
ハウスメーカーとのお付き合いは「引き渡した後から始まる」ともいわれています。何十年も住み続ける家を建てるのですから、その後の付き合いも重要です。やばいハウスメーカーを見分けるには、将来性も関係してきます。
今後のハウスメーカー業界は「衰退する可能性が高い」と示唆する人が多いことを知っていますか。
理由
- 結婚をしない人が増えることで家を建てない
- 昔と比べ住まいの寿命が長いため建て直す人が少なくなる
- セキュリティ対策から分譲マンションの需要が高まる
上記の内容から、需要が年々減っていくと言われています。少ないお客様を多くのハウスメーカーが取り合うのです。注文住宅だけで運営をしている会社は厳しくなると予想されています。依頼をしたハウスメーカーが倒産をすれば、その後のメンテナンスに支障がでるかもしれません。
やばいハウスメーカーに依頼をしないためにも将来性を見分けましょう。
ココがポイント
- 事業規模が大きい(海外事業も手掛けている)
- 中古物件の販売も行っている
- 省エネ住宅への取り組みが積極的
- リフォーム事業にも取り組んでいる
上記に該当するハウスメーカーは将来性に期待が持てます。住み始めてから、長くお付き合いができるハウスメーカーを選びましょう。事業規模で確認するのがおすすめです。
ハウスメーカーが起こした不祥事後の対応で見分ける
ハウスメーカーが起こした不祥事後の対応で見分ける方法もおすすめです。不祥事の中には、仕方がない内容もあります。しかし不祥事を起こした後の対応から、企業の本質が見えるのです。対応に納得のできないハウスメーカーを選ぶべきではありません。
過去にあったハウスメーカーの不祥事内容を紹介します。
ハウスメーカーの不祥事
- 耐震偽装
- 耐火性能の偽りで許可を取得
- 建築確認申請と異なる仕様で建築
- 型式適合認定と異なる仕様で建築
テレビで「欠陥住宅と見抜けないだけで、結構出回っている」という解説を聞いたことがあります。火災により焼失したことで発覚する偽装もありました。
信頼を最も損なう不祥事は、会社ぐるみで意図的に偽装を行うハウスメーカーです。会社の利益を求めるため、意図的に消費者を騙します。しかし中には、意図的でない不祥事もありました。意図的でないケースは、ハウスメーカーの対応が真摯です。
大手企業でも不祥事は発覚します。食品業界でも偽装が発覚しました。しかし真摯に謝罪したことで、今も運営を続けている会社があります。一度間違えた会社なので、二度目はありません。消費者に、二度目がない会社だからこそ信頼ができると思われる会社は強いです。
不祥事を起こしていない会社が良いですが、その後の対応で生まれ変わる会社もあります。
気になるハウスメーカーを見つけたときは過去の不祥事を確認し、その後の運営に活かしているかを確かめましょう。不祥事がない会社、もしくはあったとしても事後処理の上手な会社を選ぶべきです。
ハウスメーカーの坪単価で見分ける
やばいハウスメーカーは極端に坪単価が安いです。家を建てるには費用がかかります。あまりにも金額が安いハウスメーカーはやばいです。
- ローコスト住宅:30万円~50万円程度
- ミドルコスト住宅:50万円~70万円程度
- ハイコスト住宅:70万円以上
ローコスト住宅やハイコスト住宅に定義はありません。ただコスト別に分けると、上記の坪単価が一般的と言われています。最低でも30万円以上の坪単価が必要です。ローコスト住宅よりもさらにローコストで建てられる住まいは、何かしらの偽装があるかもしれません。
ローコスト住宅をウリにするハウスメーカーが増えてきました。しかし、ローコスト過ぎるのはやばいです。ローコストで探している人は、依頼をする際に注意をしましょう。
各ハウスメーカーの坪単価を知りたい方はこちら
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ローコストで建てる際の注意点
ローコストで家を建てる際は、十分に注意をしましょう。ミドルコスト住宅よりも、やばいハウスメーカーの可能性が高いです。しかしローコスト住宅を手掛けるハウスメーカーの中には、コストパフォーマンスに優れたハウスメーカーもあります。
ローコスト住宅で建てる際の注意点を確認することで、やばいハウスメーカーを見分けてください。
ローコストすぎるハウスメーカーに注意
ローコストすぎるハウスメーカーには注意をしてください。
しかし注意をし過ぎるあまり優秀なローコストハウスメーカーを見落とすのは残念です。そこでそれぞれの特徴を解説します。ローコストで建てられる理由に納得ができるかで判断をしましょう。
やばいローコストハウスメーカーの特徴とは?
やばいローコストハウスメーカーは、住まいの質を最低限にして家を建てるのが特徴です。建築基準法で定められた性能のギリギリで家を建てることにより、建築費を安くします。また、人件費もとことん安くするのも特徴です。必要経費を下げることで利益を上げます。
人件費を削ると、どのような状況が起きるか考えてみましょう。
人件費を削ると...
- 最低限の人数で営業をするので満足な対応が受けられない
- 社員1人の負担が高いのでミスが目立つ
- 売り上げを求めるため、契約をした後の連絡が極端に少なくなる
- 若い職人を採用することで人件費を抑える
- まだ現場に慣れていない職人が手掛けるのでミスが増える
上記のことから、見た目だけが良い住まいが出来上がります。住み始めると想像と違う住まいに驚くことでしょう。結露がひどく、1年程度でカビが発生します。ハウスメーカーに問い合わせても、社員が少ないので相手にしてくれません。
坪単価が安いと言っても1,000万円以上は必要です。決して安いお金ではありません。安くないお金を支払ったにも関わらず、性能が低いのでメンテナンスコストが予想以上にかかります。住み心地の悪さと無駄なメンテナンスコストに後悔をするのです。
良いローコストハウスメーカーの特徴とは?
良いローコストハウスメーカーは、口コミなどの評判も良く、実際に建てた人が満足をしています。ローコストで建てられる理由をホームページ上で公表しており、その内容にも納得ができるのです。
特徴
- 無駄な中間マージンを排除することで費用を抑えている
- しつこい営業をしないことで人件費を抑えている
- 一貫体制なので優れた職人がそろっている
- 無駄な宣伝や豪華なカタログを作らないことで経費を抑えている
- 資材や設備を一括購入することで経費を抑えている
良いローコストハウスメーカーは、楽に安くすることを考えません。企業が努力することで経費を抑えます。経費を抑えることでコストパフォーマンスの高い住まいが建てられるのです。
良いローコストハウスメーカーで建てると後悔をする人が少ないので、良い評判が目立ちます。ハイコスト住宅を手掛けるハウスメーカーでも、口コミを確認すると残念な内容が見つかることでしょう。すべての人に受け入れられるハウスメーカーはありません。良い口コミの方が目立つかどうかが判断の基準です。
まずは、ローコストで建てられる理由に納得できるかを確認しましょう。そのあと口コミを確認します。良い口コミの方が多いハウスメーカーは安全性が高いです。相談をして、内容に納得ができたら契約をしましょう。
住宅性能に注意
ローコストで建てる場合は、住宅の性能に注意をしましょう。すべての性能を高めることはできません。ただ商品にはテーマがあります。「心地よい家」や「地震に強い」など、何かしら突出している性能がある住まいを選びましょう。
「ローコスト」だけが魅力の住まいは避けてください。ローコスト住宅の特徴は企画住宅です。自由度は低くなりますが、内容を固定することで経費を安くします。そして建てる人に興味を持ってもらうため、何かしらのテーマを掲げるのです。
「ローコスト」だけをウリにするハウスメーカーは、性能の魅力がひとつもありません。性能にこだわりのない住まいは相談するときはもちろんのこと、住み始めてからも満足ができません。
耐震性や断熱性など、興味のあるポイントをひとつもち、それがかなえられるローコストハウスメーカーを選びましょう。安いしか特徴がない家には注意をしてください。
営業マンの対応に注意
ローコストで建てる際は営業マンの対応に注意をしましょう。やばいハウスメーカーは、契約をしたあとの対応が適当になります。新しい顧客の営業に移り、そちらを専念するからです。相談をするときの対応が次のような営業マンには注意をしてください。
ココに注意
- 他社の悪い点を強調して説明をする
- 他のハウスメーカーに行くのを阻止しようとする
- 打ち合わせ中に何度も席を立ち上司に確認を取る
- 質問をしても納得できる回答がなくその場しのぎに見える
- 約束を忘れる
上記のような営業マンがいるハウスメーカーは、建てたあとに後悔をします。
満足できるサポートが受けられずストレスがたまることでしょう。営業マンはハウスメーカーの顔です。営業マンの対応でハウスメーカーの考え方が伝わってきます。少しでも違和感を覚えたら契約をするべきではありません。
やばい値引きに注意
やばい値引きをするローコストハウスメーカーには注意をしましょう。ローコストをウリにするハウスメーカーは値引きに消極的です。値引きができないほど価格を抑えています。「適正価格」を掲げるハウスメーカーがほとんどです。
値引きは、悪いことではありません。ただ、ローコストにも関わらず値引きできることに不安を覚えます。注文住宅は出来上がった商品を購入するわけではありません。これから建てる家を契約します。
手抜きにより安く仕上げることも可能です。値引きをすることで、何かしらのサービスを下げようとしているかもしれません。過度な値引きをするローコストハウスメーカーには注意が必要です。
やばいハウスメーカーで建てるのは避けよう
「やばいハウスメーカーの見分け方?ローコストで建てるときの注意点」について解説をしました。やばいハウスメーカーで契約をすると、住み始めてから後悔をします。高額な金額を支払っているので、簡単に建て直すことはできません。
住みながら嫌な点が目につくたびに後悔をします。特にローコストで建てる際は注意が必要です。ローコストで建てられる理由を確認し、納得をしてから相談をしましょう。相談をするときは営業マンの対応にも注意が必要です。
ローコストで建てた住まいに満足をしている人もいます。「ローコスト=やばい」というわけではありません。見分け方と注意点を参考に、自分に最適なハウスメーカーと契約をしましょう。