「建て替えたくても建築費に充てられるのは1000万円ぐらい」と悩んでいる人も安心してください。1000万円で家を建てる注文住宅メーカーが増えています!
ただ、注文住宅における平均費用は3000万円ほどです。半分以下の予算で建てるのですから、間取りプランに限界はあります。「1000万円で家を建てる!」と決めた人は、まず実現可能な注文住宅の間取りプランを知っておきましょう。
そこで今回は「土地あり1000万円で実現可能な注文住宅の間取りプラン」を紹介します。家を建てる際の参考にしてください。
土地あり1000万円で家を建てる方法
最初に土地あり1000万円で家を建てる方法を解説します。
工務店かローコストハウスメーカーを選ぶ
土地あり1000万円で家を建てるのならば、工務店かローコストハウスメーカーに依頼をしなければいけません。ただのローコストハウスメーカーではなく、「超」が付くぐらいローコストを全面的にアピールしているハウスメーカーです。
注文住宅の購入価格にはいろいろな経費がのっています。
- 広告宣伝費
- 非生産部署の人件費
- 中間マージン
上記の費用を抑えられる注文住宅メーカーを選ばなければ、土地あり1000万円で家を建てるのは難しいです。テレビCMで露出の高い大手ハウスメーカーは、広告宣伝費で除外されます。
ほかにも総務や人事、研究開発など非生産部門の社員が多い大手ハウスメーカーは、ローコストで建てるのが不可能です。少数精鋭で1人の社員がオールマイティに仕事をこなすことで、人件費は抑えられます。
いくつもの会社を経由することで発生する中間マージンも費用を高額にする理由のひとつです。携わる会社が増えるほど、利益を欲しがる人が増えます。もし建築に3社が携わったら、3社の利益が価格にプラスされるのです。一貫体制ならば、1社の利益だけで済みます。
地域密着の工務店は上記の費用がほとんど発生しません。超ローコストをウリにするハウスメーカーも、いろいろな工夫をして価格を抑えています。土地あり1000万円で家を建てるのならば、工務店やローコストハウスメーカーを選ぶしかありません。
規格住宅にする
土地あり1000万円で家を建てるのならば「規格住宅」以外の商品を選ぶのは控えましょう。規格住宅とは、あらかじめ注文住宅メーカーが用意した間取りプランで家を建てる方法です。すでに用意されたデザインや間取りプランを採用するので、人件費が抑えられます。
規格住宅の主なメリットは次のとおりです。
規格住宅のメリット
- コストパフォーマンスに優れている
- 家が早く建つ
- 完成後のイメージが付きやすい
規格住宅は、プロが設計した間取りプランやデザインを採用しています。優れた間取りやデザインの商品を格安で利用できる建て方です。家族の思いに沿ったテーマの商品を見つけることができれば、費用を抑えながら理想の住まいに近づきます。
家が早く建つのもメリットです。打ち合わせ回数もだいぶ減らせます。職人は、同じ工程の建築を何度も経験していることから作業もスムーズです。家が早く建てば、今住んでいるところの家賃など、建築費用以外の支出も抑えられます。
ただし、自由度が低いなどのデメリットがあるので注意をしましょう。何かしらの変更を依頼すると価格が上がります。土地あり1000万円で家を建てるのならば、できるだけ規格どおりの住まいで進めるのがおすすめです。
規格住宅、注文住宅、建売りの違いを解説!規格住宅のメリット・デメリット
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凹凸のない家を選ぶ
凹凸のないシンプルな形の家を選ぶと価格が抑えられます。キューブ型でかわいらしい住まいがおすすめです。できるだけ正方形に近づけることで、延べ床面積を広げながら価格を抑えます。
例えば100㎡の広さで比較をしてみましょう。
100㎡=10m×10m(正方形) | 壁の周囲のトータル40m |
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100㎡=12.5m×8m(長方形) | 壁の周囲のトータル41m |
100㎡=16m×6.25m(長方形) | 壁の周囲のトータル44.5m |
同じ100㎡の広さでも、正方形から外れるほど周囲のトータルが増えます。増えた分の素材費用が請求価格にのるのです。広さは変わらないのに、お金だけがかかります。1000万円で家を建てるのならば、細かい部分の確認が必要です。
長方形に凹凸が加わると、さらに周囲のトータルが増えます。しかも間取りに凹凸が増えるとデッドゾーンが増えるかもしれません。中途半端な凹凸の使用用途に困り、無駄が発生します。
土地あり1000万円で家を建てるのならば、できるだけ正方形に近いキューブ型がおすすめです。土地の形にもよりますが、できるだけ正方形に近づけることで価格を抑えながら広い家を建てるようにしましょう。
和室を諦める
和室は洋室よりも高額になる間取りプランです。土地あり1000万円で家を建てるのならば、和室を避ける間取りプランを検討しましょう。ただ素材の質を落とせば和室を選べます。しかし無理して抑えた和室のデメリットに注意が必要です。
デメリット
- 素材の質を落として設置した和室は安っぽい
- 無理して和室を組み入れた感がでる
和室の良さが失われる可能性が高いです。洋室だけにすれば、仕入れる素材を統一できます。和室をつくると、注文住宅メーカーが用意する素材の種類が増えることでコストが高くなるのです。
高額になるのを抑えようとすると上記のようなデメリットが生じます。無理に和室を取り入れるよりも、フローリングの上にカーペットを敷くといった工夫がおすすめです。
平屋を検討する
土地あり1000万円で家を建てるのならば平屋がおすすめです。子どもたちが独立して建て替えたい場合は、平屋の1LDKなどが安く建てられます。本体価格を500万円代で販売する注文住宅メーカーもあるので、建てるエリア内で探してみてください。
平屋が安くなる理由は次のとおりです。
平屋が安くなる理由
- トイレなど水回りが1カ所で済む
- 建築に足場の設置が不要
- 建築素材の量が抑えられる
水回りなどの配管設置が最小限で済みます。建築に足場を組み立てる必要もなくなることから工期も短く、費用が抑えられるのがポイントです。2階建てよりもだいぶ早く家が建ちます。
ただし、4LDK以上など平屋で広さを求めると高くなるので注意をしてください。屋根や基礎が広くなることから、2階建て以上に高くなります。1000万円で平屋を建てる場合は、2階建ての2階部分を排除したイメージです。1LDK~2LDK程度の広さで十分な人は平屋を検討しましょう。
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実現可能な注文住宅の間取りプラン
それでは、土地あり1000万円で実現可能な注文住宅の間取りプランを紹介します。
土地あり1000万円の間取りプラン1:コンパクトな平屋の注文住宅
Mさんは、2LDKの平屋を地元の工務店に依頼して800万円で建てました。子どもが独立した後に建てた暮らしやすさ重視の住まいです。
特徴
- 間取り:2LDK
- 延床面積:約55㎡
- 入居人数:2人(夫婦)
- 工法:木造軸組
リビングは対面キッチンではありませんが、コンパクトで暮らしやすさが追及されています。明るく開放感のあるリビングです。リビングの横には6帖の和室があります。間地切りを全開にするとリビングとのつながりが生まれる間取りです。
6帖の洋室は寝室として活用します。昼間は日当たりの良い和室とリビングでゆっくり過ごす生活です。リビングと和室の横にはウッドデッキも設置されています。段差の少ないユニバーサルデザインが特徴です。
洗面所の左右に浴室とトイレを設置しました。水回りをまとめることで、価格を抑えています。収納は大小合わせて6つです。夫婦2人なので収納には困りません。動線も考えられていることから、老後でも安心して暮らせます。
平屋の2LDKで形も正方形に近いシンプルなことから、だいぶ予算が抑えられているのがポイントです。その結果、間取りは住む人の希望に寄り添うことができました。地元の工務店に依頼したからこそ実現した間取りプランです。
土地あり1000万円の間取りプラン2:狭小地の2階建て注文住宅
Kさんは地元の工務店に依頼し、狭小地に自然素材にこだわった3LDKの注文住宅を建てました。本体価格は980万円です。
特徴
- 間取り:3LDK
- 延床面積:約89㎡
- 入居人数:4人(夫婦と子ども2人)
- 工法:木造軸組
狭小地に建てた2階建てなので、1階はリビングダイニングキッチンと水回りです。2階に洋室が3部屋あります。夫婦の寝室と、子どもたちにそれぞれの部屋を用意しました。子どもたちの部屋は6帖にクローゼットが付いています。夫婦の寝室は8帖で、大きめのクローゼットが設置された間取りです。
カウンターキッチンを採用し、ダイニングテーブルに付けています。狭小地なので、スペースを有効活用する工夫です。トイレは1階と2階に設置しています。位置を同じにすることで配管の費用を抑えました。
上記の間取りプランに加え自然素材にこだわりをもったそうです。天井や床などに国産杉を採用しました。家全体が「ほんわかする空間だ」と喜んでいます。
形はシンプルな四角形です。狭小地なので、間取りプランにこだわっても1000万円で家を建てることができました。ハウスメーカーとも相談をしたそうですが、1000万円で提示したのは地元の工務店だけだったそうです。
土地あり1000万円の間取りプラン3:アイフルホームのネット限定住宅
アイフルホームのネット限定商品「i-Prime7」ならば、建てる場所とプランによってことなりますが1000万円前後で家を建てられます。完全規格住宅ですが、用意されたプランは豊富です。中でも特に人気の高い間取りプランを紹介します。
パーティーを楽しむプラン
- 間取り:1LDK
- 延床面積:約62㎡
- 工法:剛床工法
1階はリビングと水回りです。2階に14.5帖の洋室とロフトを設置します。広々とした洋室ではなく、間地切りで洋室とファミリースペースを設けられる間取りプランもあるのがポイントです。好みの間取りを選べます。
「価格が上がっても2部屋ほしい」という人には、2LDKの間取りプランも用意されているので確認をしてみてください。
「パーティーを楽しむプラン」以外にも「収納が充実プラン」や「ゆったりコンパクトプラン」などが用意されています。知名度の高いハウスメーカーへ依頼するので安心です。家事動線なども計算された間取りプランが用意されています。
土地あり1000万円で家を建てる際の注意点
最後に土地あり1000万円で家を建てる際の注意点を確認しておきましょう。
オプションの追加に注意
先ほど間取りプランが決まっている規格住宅ならば安く建てられると解説しました。しかし規格住宅でもオプションは追加できます。オプションをむやみに追加すると、高額になるので注意をしてください。
- 外壁にタイルを利用したい
- フローリングに無垢材を利用したい
- アイランドキッチンを採用したい
上記の希望を持っている人はいませんか。規格住宅に上記を加えると一気に価格が上がります。工務店で依頼をしても1000万円では難しいかもしれません。上記の規格住宅を用意しているハウスメーカーもありますが、おそらく1000万円は超えてしまいます。
他にも細かいオプションを複数追加すると簡単に価格が上がっていくので注意をしましょう。オプションの魅力に負けると1000万円で家を建てるのは難しくなります。
住まいのメンテナンスを必ず行う
土地あり1000万円で家を建てたあとの話ですが、メンテナンスは必ず行うようにしましょう。メンテナンスを怠ると不具合が広がります。不具合が広がると、メンテナンス費用が高額になるかもしれません。
メンテナンスを怠ったことで火災保険がおりなかったケースもあります。台風により瓦がとび、雨漏りが発生しました。雨漏りによる建物と家財の補償は火災保険で賄えます。しかし、メンテナンスが施されていないと経年劣化による損害と判断されるかもしれません。
「1000万円で建てた家だから」と言わず、定期的なメンテナンスはしっかりと行うことをおすすめします。
安い理由を追及する
安さだけで即決すると痛い目にあいます。土地あり1000万円で家を建てるときは、注文住宅メーカーがなぜその価格で提示できるのかを追及しましょう。最初に土地あり1000万円で家を建てる方法を解説しました。内容に該当しない方法で1000万円に抑えるのは不可能に近いです。次の良くない理由を含んでいるかもしれません。
ココに注意
- 柱や梁の太さを減らしている
- 断熱材の質や量を落としている
- 建てる職人を若手だけにして人件費を抑えている
少しずつ不正をされても、建ててしまえばなかなか気づけません。気が付くのは住み始めてからです。残念ながら注文住宅メーカーの中には、ごくわずかですが悪いことをたくらむ人もいます。安く建てられる理由を追及することで、悪い注文住宅メーカーに騙されないようにしてください。
建ててよかったハウスメーカーをまとめた記事はこちら
≫本当に建てて良かったハウスメーカーランキング
土地あり1000万円で家を建てることはできる!
「土地あり1000万円で実現可能な注文住宅の間取りプラン」の紹介をしました。要点をまとめます。
- 1000万円で家を建てる場合は工務店かローコストハウスメーカーに依頼をする
- 間取りやデザインは規格住宅なので限定的になるケースが多い
- 住み始めたあとのメンテナンスは怠らない
1000万円で家を建てる場合は、狭小地や平屋など間取りプランが限られてきます。「なかなか希望どおりに進まない」と思ったところに、悪いことをたくらむ注文住宅メーカーが魅力的な言葉で近づいてくるのです。
1000万円で家を建てることはできます。ただし、建てるには安くなる理由があることも忘れてはいけません。安くなる理由を参考にして、後悔のない家づくりを目指しましょう。