- 「注文住宅で大きな値引き額を勝ち取りたい!」
- 「注文住宅で600万円の値引きに成功!という口コミが気になって仕方ない」
上記のように、注文住宅の値引きに強い興味を抱いている人はいませんか?注文住宅の値引きに強い関心を持っている人は、注意をしてください。高額値引きの成功で願ったり叶ったりと浮かれる前に、危険が迫っている可能性にも注視しましょう。そこで今回は次の内容について解説をします。
- 注文住宅の値引きに潜む危険
- 値引きの失敗事例10選
- 文住宅の値引きで危険を回避するコツ
注文住宅においては、値引きの成功が住み始めてからの最終的な後悔につながることがあります。口コミで見つけた失敗事例を参考にしてください。
注文住宅の値引きに潜む危険
最初に、注文住宅の値引きに潜む危険を確認しておきましょう。
注文住宅はこれから建てる住まいだから危険
「注文住宅に値引きは存在しない」という言葉を聞いたことはありませんか。「値引きがない」と断定できる理由は、これから建てるという事実があるからです。安く建てようと思えばいくらでも安くできる手段が、施工主には残されています。つまり値引きではなく経費節減です。
ココに注意
- 人件費を抑える
- 素材の質を下げる
- 建築基準法で必要最低限の柱で建てる
賃貸を借りるとき、仲介手数料の値引きに成功したことがある人はいますか。総合仲介業者の仲介手数料は、見えないサービスに対し支払っているのと同じです。賃貸契約が無事結ばれれば、成功報酬として仲介手数料を支払います。値引きが成功した場合でも、借りる賃貸マンションに影響はでません。真なる値引きの成功です。
しかしこれから建てる注文住宅は違います。上記の経費を抑えることで利益率を維持したまま建てることも可能です。注文住宅における本当の値引きとは、ハウスメーカーの利益率から値引きを受けたときではないでしょうか。
しかし施工主は実際に何から値引きされたかがわかりません。つまり本当の意味での値引きが存在しないのです。
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注文住宅の品質が落ちる
利益率から値引きされなければ注文住宅の品質は確実に落ちます。
ココに注意
- 下請けの職人に人件費の安い新人だけを雇う
- 施工主に工期期間を無理やり短くされた結果の手抜き工事
- 他では使用できない安い建築材料で建てる
上記のような状況でも、見た目の良い家は建ちます。しかし住んでいるうちに気付くのです。「震度の小さい地震でも揺れがひどい」「エアコンを消した途端寒い」「大きな台風で雨漏り」などが起こります。
過度な値引きが危険なのは、埋め合わせがどこに生じるかの問題です。無理な工事を依頼された下請けの職人でしょうか。違います。値引きの埋め合わせは住む人に生じるのです。値引きの埋め合わせが自分自身に及ぶような過度な値引きの危険性を知っておきましょう。
注文住宅の値引き失敗事例10選
注文住宅での値引きによる失敗事例はさまざまです。同じような状況に陥らないよう注意をしましょう。
失敗事例①値引きありきで考えていた
値引きありきで考えた結果、予算をオーバーし設備を断念したといった失敗談です。
失敗談
仮契約時に見積もりを提示され「ちょっと予算オーバーしている」と思いましたが、「値引き交渉できるだろう」と思いそのまま仮契約をしました。しかし間取りの詳細な打ち合わせが始まると、どんどん価格が上がっていきます。気が付けば予算を500万円オーバーしていました。ミサワホームは値引き率が高いと口コミで見ていたので、交渉をしてみたのですが、値引きをしても予算に収まりません。結局気に入っていた設備を断念しました。
口コミで言われている値引き率は絶対ではありません。タイミングや契約する時期も関係してきます。大きな値引きを期待するのは危険です。
失敗事例②担当者の態度が変わった
値引き交渉後に担当者の態度が変わったといった失敗談です。
失敗談
最初から担当の方に「値引きは無理です」と確かに言われていました。しかし心のどこかで「建前でしょ」と思い込んでいたのです。見積もりを提示され「これができる限りの価格です」と言われたとき「とは言っても値引きできるんでしょ」と話したら担当者の態度が一変しました。「値引きはできませんと当初から申し上げていました」と強い口調です。今までの和やかなムードがなくなり妻にも叱られ、発言に後悔しました。
値引きを一切しないことにプライドを持つハウスメーカーや営業マンがいます。最初に「値引きはできない」と言われた場合の交渉には注意するべきです。
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失敗事例③上から目線の交渉で失敗
値引き交渉に上から目線の対応で雰囲気が悪くなったといった失敗談です。
失敗談
主人の態度が悪く終始ドキドキでした。担当してくれた方は非常に話しやすく、こちらの希望にそった提案をいただき私も主人も大満足です。しかしいざ契約をするときに見積もりをみて主人が「で、最終的にどこまで値引きできるの、交渉とか面倒だから最大の値引きを最初から提示して」と偉そうに言うではありませんか。まるでこちらは客だぞと言わんばかりの態度です。良い関係だったのに一瞬で崩れ、本当に恥ずかしい思いをしました。
「俺はお客様」といった態度をとる人もいますが、良い結果が生まれることがありません。謙虚さも大切にするべきです。
失敗事例④値引き額で決めて失敗
値引き額の高さだけで決めたことに後悔するといった失敗談です。
失敗談
ダイワハウスとセキスイハイムで最後まで悩んでいたのですが、最終的に値引き額の高かったダイワハウスで決めました。「値引き額=誠意」と思ったのが理由です。しかしセキスイハイムの家を見るともやもやします。なぜもっと検討しなかったのかと。もちろんダイワハウスの家にも満足していますが、何かあると「やっぱりセキスイハイムにしておけば」と思ってしまいます。
値引き額は判断材料のひとつです。値引き額だけで決めると後悔するかもしれません。トータルで考えないのは危険です。
失敗事例⑤値引きで契約を急かされ失敗
値引き額をエサに契約を急かされたといった失敗談もありました。
失敗談
契約時に「今日契約していただければ220万円の値引きをします。」と言われ即決をしましたが、何だかフワフワしています。条件に「もう別のハウスメーカーと相談しないでください」と言われその場は「もちろんです」と答えました。念を押される気持ちもわかりますが、かえって裏がありそうで、家に帰ってから不安で仕方がありません。今からやめるべきか迷っています。
値引きを契約締結の手段として用いるハウスメーカーもあります。手玉に取られたような不安を抱くと、これから建てる住まいにも不安が及ぶかもしれません。契約時に冷静を保てない人は危険です。
失敗事例⑥職人の態度が悪いのは値引きが原因と思えて仕方ない
職人の態度の悪さは、すべて値引きのせいと思い込んでしまうといった失敗談です。
失敗談
300万円の値引きに大喜びでしたが、ネットで「値引きのし過ぎは危険」という話を見て以来、何かあるとすべて値引きのせいとするようになりました。とにかく職人の態度が悪いのです。私が見学に行ってもたばこをやめず挨拶も返しません。「値引きで人件費が削られた?」と聞きたくなります。こんなことなら値引きで決めず、別のハウスメーカーにすればよかったです。
職人の態度は値引きが原因とは言い切れません。しかし値引き額の大きさに不安を抱く危険もあります。
失敗事例⑦多額の値引きを受けたからで許してしまう
多額の値引きを受けたので文句が言えなくなったといった失敗談です。
失敗談
上棟してからもとにかくミスが多くてまいります。担当に連絡をしようとすると妻が「値引きで頑張ってもらったからちょっとは我慢しよう」と言ってきて、余計に腹が立ちます。確かに値引きしてもらいましたが、だからといって何も言わないのはおかしいです。住み始めてからも、断熱性能が弱い気がしてなりません。「もしかしたら手抜きされたのでは」という思いです。
値引きで指摘できなくなるのはいけません。ミスを指摘しないと住み始めてから後悔をします。値引きを後ろめたく思うのは危険です。
失敗事例⑧どこからも相手にされなくなった
値引きの話を何度もしたので、どこからも相手にされなくなったといった失敗談です。
失敗談
本当に最悪です。最初に注意をしていたのですが夫の悪い癖がでました。夫は大きな買い物をするとき必ず値引き交渉をする人です。私はそれが嫌いでたまりません。「やめて」と言っても「損はしたくない、値引きなんて誰もがしている」と聞きません。せっかくの家づくりもいつもどおり、相談をするごとに値引きを口にします。おそらく家を建てる気がないと思われたのでしょうか、ハウスメーカーからの連絡が遅く後回しにされているようです。
営業マンの立場になってみましょう。値引きを何度も言われると嫌になる気持ちもわかります。値引きは何度もするのではなく、最高のタイミングに一度だけ交渉をしましょう。
失敗事例⑨契約ができなくなった
値引き交渉をしつこく行った結果、契約を断られたといった失敗談です。
失敗談
契約をする前にハウスメーカーから断られた人っていますか?うちは値引きで断られました。夫が「もうちょっとお願いします」や「おたくで建てたいからもうちょっと安くして」と言っていた時です。奥から上司の方が来て、「当店では理想のお住まいを建てるのは無理です」と言われました。最初に伝えていた予算内なのに値引きをしつこくしたこちらにも非はありますが、断るのはあんまりだと思います。
値引きがしつこいと、建て始めてからも何かしら問題を起こすと判断されるかもしれません。必要以上の値引き交渉は危険です。
失敗事例⑩グレードの低い設備を紹介される
過度の値引き交渉がグレードの低い設備の紹介につながったといった失敗談です。
失敗談
仮契約後、営業マンの対応があきらかに変わりました。複数回の値引き交渉が原因かもしれません。紹介してくる設備は、いままでよりも性能が低いです。グレードの高い設備を聞くと、「オプションなのでお勧めできません」と言われます。結局お断りをしました。契約金から5万円程度引かれ損した気分です。
営業マンにもよりますが、「お客様のため」と思われたかもしれません。過度な値引き交渉は、性能よりも価格重視と勘違いされる危険もあります。
注文住宅の値引きで危険を回避するコツ
最後に、注文住宅の値引きによる危険を回避するコツを紹介します。
相見積もりの使い方を間違えない
相見積もりは注文住宅の値引きに欠かせません。しかし値引き競争を煽る手段として利用するのは危険です。過度な値引き競争が、これから建てる注文住宅の質を落とします。相見積もりを取る理由は値引きのためだけではありません。
ココがポイント
- 希望する家の適正価格が見定める
- いろいろなハウスメーカーからの提案を参考に理想の住まいにたどり着く
- 値引きだけではなくアイデアで競争してもらう
自分が求める住まいの適正価格を見定めましょう。相見積もりを、過度な値引き交渉に発展するような使い方で利用するのは危険です。
営業マンと良い関係を築く
営業マンと良い関係を築くのは基本中の基本です。お互いにウインウインの関係が築けるように接しましょう。頼れる営業マンを好きになることが大切です。こちらが好意を抱けば営業マンも鏡のように返してくれます。
もしよい関係が築けそうにない営業マンが担当に付いた場合は、ハウスメーカーを変えるか担当替えを依頼しましょう。相性の良い営業マンとのやり取りが、無理な値引き交渉の抑止になります。
総合判断で決める
最終決断を値引き額で決めるのは危険です。住まいの性能などを含めた総合判断で決定しましょう。
ココがポイント
- そもそも利益率がハウスメーカーごとに違う
- 建てる住まいの性能が全く同じではない
- 提示した見積もりに値引き額を上乗せしている可能性
営業マンはお客様を観察しています。「この人は値引き重視」と判断されれば、提示額に値引き予定の額を上乗せするかもしれません。値引き額を上乗せすれば、2段階の値引きができます。最初の値引きで契約できなければ、「誠意を見せます」と言って、本来の値引き額を提示するだけです。
何が値引きされているかわからない以上、値引き額だけで決めるのはいけません。総合的な判断で決めることが大切です。
注文住宅の値引きは危険まとめ
注文住宅の値引きの危険性について解説をしました。最後にまとめます。
ココがポイント
- 注文住宅で過度な値引きをすると埋め合わせで痛い目をみる
- 注文住宅の値引きで失敗した事例がたくさんある
- 相見積もりで値引き競争を起こさせない
値引き交渉がダメというわけではありません。ただ注文住宅に本当の意味での値引きはないといった事実を知っておきましょう。完成品を購入するわけではありません。これから建てる注文住宅の値引きをします。危険が伴うのは当然かもしれません。