「適正価格で高性能な家」として注目され、売上高成長率No.1(※)を記録するなど、飛ぶ鳥を落とす勢いのアイ工務店。 しかし、ネット上には「安い!」「いや、意外と高い!」など様々な口コミが飛び交い、実態が掴みにくいという声もよく耳にします。
この記事では、実際にアイ工務店で見積もりを取った方のリアルな情報や、2025年最新の標準仕様、メリット・デメリットまで、どこよりも詳しく、そして正直に解説していきます。
私自身、2021年にマイホームを建てた経験から、「カタログスペックだけでは見えないお金の話」の重要性を痛感しています。 これから家づくりを始める方、アイ工務店を検討中の方は、ぜひ最後までご覧ください。失敗しない家づくりのヒントが必ず見つかるはずです!
この記事でわかること
- アイ工務店の最新坪単価(2025年実勢価格)
- 30坪・35坪・40坪で建てた場合の総額シミュレーション
- 主力商品「N-ees(ニーズ)」の特徴と価格差
- 標準仕様のグレード(キッチン・お風呂・トイレ)
- 実際に建てた人の評判と、値引き交渉のコツ
アイ工務店の坪単価はいくら?【2025年最新】
まず結論からお伝えします。2025年現在、アイ工務店の坪単価の目安は以下の通りです。
- 坪単価:65万円〜85万円
正直に申し上げますと、かつてアイ工務店が「ローコストメーカー」として認知されていた時代の価格設定(坪単価40〜50万円)は、現在はほぼ適用されません。
ウッドショック以降の木材価格の高騰、円安による資材費の値上げ、そして何より「標準仕様のグレードアップ(断熱性能の強化など)」により、価格帯は上昇しています。 現在は「ローコスト」ではなく、タマホームなどのローコストメーカーと、一条工務店などの大手メーカーの中間に位置する「ミドルコスト住宅」と考えるのが正解です。
ただし、大手ハウスメーカー(積水ハウスや住友林業など)が坪単価100万円〜120万円を超えてきている現状と比較すると、性能対比での「コストパフォーマンス」は依然として業界トップクラスであることは間違いありません。
商品ラインナップ別の坪単価目安
アイ工務店にはいくつかの商品ラインナップがあります。それぞれの坪単価目安を見てみましょう。
商品別坪単価
- N-ees(ニーズ):70万円〜85万円※現在の主力商品。高断熱・高気密が特徴。
- Wis(ウィズ):60万円〜75万円※従来の主力商品。自由設計が魅力だが最近はN-eesへの移行が進んでいる。
- AILITH(アイリス):55万円〜65万円※Web限定などの規格住宅に近い商品(取り扱いエリア限定)。
- HILLUS(ヒルズ):80万円〜100万円※高級邸宅仕様のプレミアム商品。
現在、展示場で提案される見積もりのほとんどは「N-ees(ニーズ)」です。 断熱性能が大幅に強化されており、標準仕様もグレードアップしています。そのため、坪単価も以前より高めに設定されています。
「坪単価」の計算の罠に注意!
ここで注意が必要なのが、ハウスメーカーや営業担当者によって異なる「坪単価」の定義です。 アイ工務店の場合、見積もり説明時に「施工面積」で割った単価を提示されることがあります。
- 延床面積:各階の床面積の合計(ベランダや吹き抜け、小屋裏収納は含まない)。
- 施工面積:実際に工事を行う面積(ベランダ、ポーチ、吹き抜け、小屋裏収納なども含む)。
施工面積の方が面積が大きくなる(分母が大きくなる)ため、坪単価は安く見えます。 しかし、私たちが支払う「総額」が変わるわけではありません。
【総額シミュレーション】30坪・35坪・40坪の価格イメージ
坪単価だけでは、実際にいくらかかるのかイメージしにくいですよね。 そこで、主力商品「N-ees」を想定し、延床面積ごとの「建物本体価格」と「建築総額」をシミュレーションしてみました。
家づくりで重要なのは、建物本体価格だけでなく、付帯工事費や諸費用を含めた「総額」を把握することです。
※以下のシミュレーションは、坪単価75万円(本体価格)で計算しています。 ※土地代は含んでいません。 ※地域や敷地条件、オプション内容により変動します。
30坪の場合(3LDK想定)

- 建物本体価格:約2,250万円
- 付帯工事費:約250万円
- 諸費用・申請費:約100万円
- オプション費用:約150万円
- 消費税(10%):約275万円
建築総額目安:約3,025万円
35坪の場合(4LDK・収納充実)

- 建物本体価格:約2,625万円
- 付帯工事費:約250万円
- 諸費用・申請費:約100万円
- オプション費用:約200万円
- 消費税(10%):約317万円
建築総額目安:約3,492万円
40坪の場合(二世帯・ゆったり4LDK)

- 建物本体価格:約3,000万円
- 付帯工事費:約300万円
- 諸費用・申請費:約100万円
- オプション費用:約250万円
- 消費税(10%):約365万円
建築総額目安:約4,015万円
建物本体以外にかかる費用の内訳
「えっ、本体価格以外にこんなにかかるの?」と驚かれた方もいるかもしれません。 この「見えないお金」こそが、注文住宅の落とし穴です。内訳を詳しく見てみましょう。
付帯工事費・諸費用の例
- 屋外給排水工事:100万円〜(敷地の広さや道路までの距離による)
- 地盤改良工事:0円〜150万円(地盤調査の結果次第)
- 電気工事・ガス工事:50万円〜
- 設計料・確認申請費:50万円〜
- 登記費用・火災保険・ローン手数料:100万円〜
これらは基本的にどのハウスメーカーで建ててもかかる費用です。 予算計画を立てる際は、本体価格の1.2倍〜1.3倍を総額として見ておくのが鉄則です。
アイ工務店が選ばれる理由!3つの大きな特徴

なぜ今、アイ工務店がこれほどまでに支持されているのでしょうか? その理由は、単に「安いから」だけではありません。
1. 圧倒的な「空間提案力」!スキップフロアの魔術師
アイ工務店の代名詞とも言えるのが、「スキップフロア」や「ハーフ収納」を駆使した間取り提案です。 この提案力に関しては、正直大手ハウスメーカーよりも優れていると感じる場面が多々あります。
- ハーフ収納(1.5階など):天井高1.4m以下の収納スペース。
- 小屋裏収納:屋根裏を活用した大容量収納。
- スキップフロア:床の高さを変えて空間を緩やかに区切る。
これらの空間は、一定の条件(天井高1.4m以下など)を満たせば「延床面積」に含まれません(=固定資産税の対象外!)。 つまり、限られた坪数の中で、税金を抑えながら実質的な生活空間を最大化できるのです。
2. 大手並みの「高性能」!断熱・気密へのこだわり
「ローコスト=性能が低い」「夏暑くて冬寒い」という常識を覆したのがアイ工務店です。 主力商品「N-ees」の断熱性能は、業界トップクラスの性能を誇る「一条工務店」にも迫る勢いです。
アイ工務店の標準性能
- 発泡ウレタン断熱:現場発泡で隙間なく充填。気密性が高い(C値も測定すればかなり良い数値が出ます)。
- トリプルガラス樹脂サッシ:窓からの熱損失を大幅カット。これが標準なのは凄いです。
- 屋根遮熱:ダブル遮熱で夏の暑さを軽減。
- 耐震等級3相当:最高等級の耐震性(※構造計算はオプションの場合があるので要確認)。
UA値(断熱性能を表す数値)は0.4以下を標準でクリアできるレベル。これは、ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)基準を余裕で超え、HEAT20 G2グレードにも対応可能な性能です。
3. 1mm単位の「自由設計」
アイ工務店は、「尺モジュール(910mm)」と「メーターモジュール(1000mm)」の両方に対応できるだけでなく、詳細な寸法調整が可能な「1mm単位の自由設計」を謳っています。
実際には構造上の制約はありますが、一般的なハウスメーカーよりも間取りの自由度は高いです。
- 変形地や狭小地でも敷地を有効活用できる。
- 既製品の家具に合わせて壁の位置を調整できる。
- 窓の位置やサイズも細かく指定できる。
アイ工務店の標準仕様は?【キッチン・お風呂・トイレ】
注文住宅で気になるのが、標準仕様(標準で選べる設備)のグレードですよね。 アイ工務店は、水回り設備のグレードが比較的高いことでも知られています。
キッチン:タカラスタンダード・リクシルなど
- タカラスタンダード「オフェリア」:ビルダー向け商品。ホーロー底板、レンジフードなどが魅力。
- リクシル「ノクト(旧AS)」:デザイン性が高く、収納力も抜群。
- トクラス「Bb」:人造大理石のカウンターが強み。
特に人気なのがタカラスタンダードです。ホーロー素材はお手入れが簡単で、マグネットがつくので使い勝手が良いと評判です。 また、アイ工務店限定の仕様(フィオレストーン天板への変更など)が選べるキャンペーンを行っていることもあります。
お風呂:TOTO・リクシル・パナソニック
- TOTO「サザナ」:「ほっカラリ床」が大人気。
- リクシル「リデア(旧アライズ)」:キレイサーモフロアなど掃除のしやすさが特徴。
- パナソニック「オフローラ」:美泡湯(オプション)などが選べる。
標準で1616サイズ(1坪タイプ)ですが、1620(1.25坪)へのサイズアップなどもオプションで可能です。 TOTOの「サザナ」は断熱浴槽(魔法びん浴槽)が標準なのが嬉しいポイント。
トイレ:TOTO・リクシル
- TOTO:タンクレストイレ(1F)、タンクあり(2F)が標準のケースが多い。
- リクシル:ベーシア(ビルダー向け)などが標準。
1階のトイレが標準で「タンクレス(手洗い器別)」になっていることが多いのは、アイ工務店の大きなメリットです! (※商品や契約時期によって異なる場合があります。最新情報は必ず営業担当にご確認ください)
外壁・屋根・床材
その他の標準仕様
- 外壁:ニチハ「フュージェ」などの高耐久サイディング(シーリングレスに近い仕様も選べる)。
- 屋根:三州瓦やガルバリウム鋼板など。耐久性の高い瓦が選べるのは強み。
- 床材:永大産業、ダイケンなどのフローリング。シートフローリングが標準だが、キャンペーンで突板に変更できることも。
アイ工務店のメリット・デメリットまとめ
ここで一度、アイ工務店のメリットとデメリットを整理しておきましょう。 どんなに良いメーカーでも、完璧ではありません。自分たちの価値観に合うかどうかを見極めることが大切です。
メリット(良い口コミ)
- コスパが良い:大手メーカーより総額で1,000万円近く安く、性能は同等レベル。
- 収納力が抜群:ハーフ収納やスキップフロアで、荷物が多くても安心。
- 断熱性能が高い:標準で高性能なので、光熱費を抑えられる。
- 標準設備が良い:水回りのグレードが高く、追加費用を抑えられる。
- 成長企業:勢いがあり、新しい技術や提案を取り入れている。
デメリット(悪い口コミ・注意点)
- 担当者の当たり外れがある:急成長企業ゆえに、営業マンの経験値にバラつきがある(通称:営業ガチャ)。
- 提案力に差がある:設計士が直接出てこないケースもあり、営業マンのセンスに依存しがち。
- アフターサービスへの不安:設立からまだ若いため、30年後、40年後の長期的な保証体制の実績が大手より少ない。
- 施工品質のバラつき:下請けの大工さんによって品質が変わるという口コミも(これはどのメーカーでもあり得ますが)。
アイ工務店で値引きはできる?交渉のコツを伝授
家づくりにおいて、少しでも費用を抑えたいのは当然のこと。 アイ工務店では値引き交渉は可能なのでしょうか?
ただし、無茶な要求は逆効果。「あなたから買いたい」という姿勢を見せつつ、賢く交渉するためのポイントを3つご紹介します。
1. 決算時期(3月・6月・9月・12月)を狙う
ハウスメーカーの営業マンにはノルマがあります。特に四半期ごとの決算月は、1件でも多く契約を取りたい時期。 そのため、通常よりも好条件を引き出せる可能性が高まります。
「今月中に契約してくれるなら、ここまで頑張ります!」という言葉が出やすいタイミングです。
2. ライバル他社と相見積もりを取る
これが最も効果的かつ重要なテクニックです。 アイ工務店1社だけで進めるのではなく、価格帯や性能が近いライバル他社とも並行して検討しましょう。
比較におすすめのハウスメーカー
- 一条工務店:性能重視なら最大のライバル。「アイスマイル」などは価格帯も近い。
- タマホーム:価格重視なら比較対象。「大安心の家」は仕様も悪くない。
- アキュラホーム:設計自由度や価格帯が非常に近い。良き競合相手。
- レオハウス(ヤマダホームズ):コスパの良いメーカーとして比較しやすい。
3. 金額値引きだけでなく「オプションサービス」を狙う
本体価格からの直接値引きには限界があります(利益確保のため)。 そこで狙い目なのが、オプションのサービスです。
- 「太陽光パネルをサービスしてくれませんか?」
- 「キッチンのグレードアップを無料にできませんか?」
- 「カーテンや照明をつけてもらえませんか?」
これらは、メーカー側の原価としては売値ほど高くない場合があり、値引きよりも通りやすいことがあります。
失敗しないための契約前のチェックリスト
最後に、アイ工務店と契約する前に必ず確認しておきたいポイントをリストアップしました。 後悔しないために、これだけはチェックしてください。
契約前チェックリスト
- 見積もりに含まれていない費用はないか?(地盤改良費の予算取り、外構費、カーテン・照明・エアコン・アンテナなど)
- 標準仕様の内容を詳しく確認したか?(契約後に「あれはオプションです」と言われないように、仕様書をしっかり読む)
- スキップフロアのデメリットも理解したか?(空調効率の変化、掃除の手間、老後の上り下りなど)
- 契約後の変更にかかる費用を確認したか?(契約後の変更は高額になりがちです)
- 完成見学会(OB宅訪問)に行ったか?(豪華なモデルハウスだけでなく、リアルな家を見るのが一番参考になります)
まとめ:アイ工務店はこんな人におすすめ!
ここまでアイ工務店の坪単価や特徴について解説してきました。 総評として、アイ工務店は以下のような方に特におすすめできるハウスメーカーです。
- 「高性能な家」を建てたいが、大手ほどの予算は出せない人
- 収納不足に悩みたくない人(ハーフ収納・スキップフロアを活用したい人)
- 土地が狭い、変形地などで、間取りの工夫が必要な人
- 標準設備のグレード(キッチン・お風呂など)にこだわりたい人
アイ工務店は、価格と性能のバランスが非常に優れた「優等生」的なメーカーです。 「安かろう悪かろう」ではなく、「賢く良い家を建てたい」と考える施主にとって、有力な選択肢になることは間違いありません。
これから家づくりを始める皆さんが、素敵なマイホームを叶えられることを心から応援しています!
まずは、カタログ請求や展示場訪問で、実際の「アイ工務店の家」を体感してみてくださいね。そして必ず他社と比較することをお忘れなく!




