注文住宅を購入することにしたら、まず決めるべきなのは予算です。使える金額が決まらないと、土地の場所も建物のグレードもどのくらいにできるのか分からないからです。
一般的に、注文住宅の購入資金は年収の5〜6倍が目安といわれています。けれど同じ年収でも、月々の出費や自己資金がいくら用意できるかなどの状況には個人差があるので、単純に当てはめただけでは不十分でしょう。
そこでこのブログでは、注文住宅を購入する際の予算の決め方についてご紹介します。
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目次
予算の決め方の前に!まず注文住宅にかかる費用を知ろう
いざ予算を決めようと思っても、注文住宅を建てるにはどのような費用がかかるのかを知らないと、しっかりとしたプランが立てられません。そこで、まず注文住宅にかかる費用をご紹介します。
土地の購入費用
注文住宅を建てる際には、土地も購入するかどうかで費用が大きく変わります。一般的には土地も購入する場合が多く、費用のなかで大きな割合を占めるでしょう。
土地は立地によって金額に差があり、都心や駅近など便利な場所は高い傾向があります。もし希望する土地がある場合は、事前に相場を調べておきましょう。
建築費用
注文住宅を建てるための費用で、基礎工事や内装仕上げ、設備機器の設置など建設にかかる工事全般の費用が含まれます。依頼先のハウスメーカーなどによって、坪単価の建築費用もさまざまです。
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諸費用
注文住宅購入では諸費用も高額になり、目安は物件価格の5〜8%、200万円前後もかかります。諸費用には、不動産取得税や印紙税などの税金、所有権移転登記やそれに伴う司法書士報酬、火災保険料などがあります。そのほか住宅が完成したあとの引っ越し代や、家具・家電などを購入する費用も含めておきましょう。
上記のほかにも、考えておくべき費用があります。たとえば地鎮祭や上棟式を行うなら、それぞれ10万円前後かかります。また地盤によっては、調査費用や改良費用などが発生する場合もあります。ですから予算を考える際は、あとから出費が増えても対応できるように、余裕を持って設定することがおすすめです。
注文住宅の予算の決め方を解説!
注文住宅の魅力は自由度が高いことです。ただ希望を増やすと金額もどんどん高くなってしまうので、まずしっかりと予算を決めることがとても重要です。ではどのようにして予算を決めるとよいのでしょうか。
一般的な予算のイメージ
まず注文住宅の購入では、どのくらいの金額が一般的と思われているのかご紹介しましょう。
イメージされている金額として多いのは、2,000万〜3,000万円台です。およそ80%の人が、このあたりの金額を考えているというアンケート結果があります。できるだけ希望通りの家にすることと生活費との兼ね合いを考えて、このくらいの金額が妥当だと考えている方が多いようです。
予算の目安は年収の約5倍
注文住宅を購入するための予算は、年収の約5倍が目安とよくいわれます。ただし光熱費や教育費など、生活にかかるお金はそれぞれ違います。また年収が1,000万円の人と500万円の人では、生活費を除いて残る金額も変わるでしょう。
ですから一概に年収の5倍とは思わず、ご自分の生活費や将来必要になるお金を貯蓄することも考えたうえで、予算を決めることがおすすめです。
予算の決め方で参考にしたい計算式
ポイント
注文住宅の購入予算を求めるには、「年収×年収倍率+自己資金−諸費用」に当てはめて計算してみましょう。
年収倍率は年収の約5倍が目安とご紹介しましたが、「2015年度フラット35利用者調査」によると約6.1倍が全国平均です。諸費用は仲介料や登記費用などの経費のことで、現金で支払うことになります。ですから現金はすべて頭金にせず、諸費用を残すように注意しましょう。個人差がありますが、平均200万円かかるといわれています。
では実際に計算例を挙げてみます。年収500万円、自己資金500万円、年収倍率6.1倍、諸費用200万円で計算してみましょう。すると式は「500万円×6.1倍+500万円−200万円」になり、3,350万円の注文住宅が購入できることになります。
けれども年収倍率と同じく、この計算式も予算の目安にするのがおすすめです。予算を決めるときはこの計算を参考にしつつ、ご自分の家計に見合った金額を設定しましょう。
予算の決め方では住宅ローンをいくら借りられるかがポイント
注文住宅を建てる場合には、多くの方が住宅ローンを利用することになるでしょう。住宅ローンの年間返済額の目安は、一般的に年収の25%以内といわれています。
年収から住宅ローン借入金額を知るためには、住宅金融支援機構の「住宅ローンシミュレーション」がおすすめです。たとえば一般的なローン返済額の年収25%を当てはめて、金利1.5%、ボーナス加算なしで35年ローンを組んだ場合は次のようになります。
- 年収300万円の場合…借入金額2,041万円
- 年収500万円の場合…借入金額3,396万円
ですから、まずご自分が住宅ローンの返済に使える金額は月いくらになるかを考えて、12を掛けて1年分を計算し、それが年収の何%になるかを割り出してシミュレーションしてみましょう。そのようにして算出した住宅ローン借入金額と、頭金に使える自己資金を足したものが、注文住宅の購入予算になるのです。
算出した予算に合わせて内容を決めよう
注文住宅の購入にかけられる予算がだいたい分かったら、まずご自分がこだわりたい部分を決めて、それからその他にかけられる金額を決めましょう。便利な立地がいい、おしゃれな建物にしたい、設備機器にこだわりたいなど譲れない部分にかける金額を決めてから残りの金額を他に割り振ると、それぞれに使えるおおよその金額を決められます。
たとえば土地の立地にこだわった結果、建物は1,000万円台の予算になった場合は、その予算に合わせて建てられるハウスメーカーを探したり、予算内におさまるような建物にしたりするとよいでしょう。すると建物の間取りをシンプルにする、建物の坪数を減らすなど、必要な対策も分かってきます。
注文住宅の予算は注意点も押さえて決め方を考えよう
土地代や建物代にばかり目がいって忘れてしまいがちなのが、注文住宅を建てたあとに必要なお金です。
たとえば建物の維持費や修繕費。マンションであれば修繕費は毎月積み立てですが、一戸建ての場合はご自分で意識して準備をする必要があります。
具体的には、まず10年前後が外壁や屋根、クロスなどの修繕を考える時期になるでしょう。20年目頃からは、キッチンや浴室など水回りのリフォーム、給湯器などの設備の交換、さらに建物本体の修繕が必要になる場合もあります。また家族構成の変化で、間取りを変更することになるかもしれませんね。
ですから必要な時期にすぐ対応できるように、少しずつ積み立てを心がけることが大切です。修繕費を積み立てる余裕を残して、予算を考えるとよいでしょう。
また固定資産税も重要です。一般的に固定資産税は、月換算すると1〜2万円といわれています。つまり住宅ローンの返済にプラスして、この金額が毎月必要になるのです。ですから住宅ローンの金額を決めるときは、現在の生活費だけではなく、固定資産税の支払いも考えて余裕があるプランにしましょう。
まとめ
注文住宅を建てることになったら、まず重要になるのが予算の決め方です。はじめに予算をきちんと決めておくと、完成後も安心して生活できることにつながります。また予算が少なくても、希望に近い住宅を建てる方法はいろいろあります。こちらのブログを参考にしていただき、適切な予算で満足できる注文住宅を建てられるといいですね。